6月30日(木)

 黒い本を持って出勤したのだが、Kindleを手に取ってヴァーノン・リーを読み始めてしまふ。やはりヴァーノン・リーはいいなあと思ひながら読み進めてゐたとき、若い美女がシーツを繋いだものを使って城から脱出する場面まできて、これはほんの数週間前に読んだ「まぼろしの恋人」(Amour Dure)であることに気がついた。何もかも忘れてしまふ今日この頃である。明日からは何を読まうか。

 帰りは、サミュエル・R・ディレイニー『ダールグレン I』(大久保譲訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を電車の中で読む。しかし、たちまち読書といふより眠気との戦ひになってしまひ、そのために席があいても座らずに立って本を読んでゐたといふのに。結局、眠気が勝利をおさめ、読書は捗らない。最後まで読むのは無理ではないかといふ予感が現実として迫ってきた。


6月29日(水)

 紀伊國屋書店に本を註文。
●フェリペ・アルファウ『ロコス亭』(青木純子訳/創元ライブラリ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●ピエール・バイヤール『シャーロック・ホ-ムズの誤謬』(平岡敦訳/東京創元社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●ホルヘ・ルイス・ボルヘス『砂の本』(篠田一士訳/集英社文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]

『ロコス亭』は、1995年に『ロコス亭の奇妙な人々』として邦訳が出たときに大感激して、SFマガジンの新刊紹介でも絶讃したやうな気がするのだが、その内容を全く覚えてゐない。これを機会に読み直せるといいのだが。
 もう一冊は、シャーロック・ホームズには疎いのだけど買ってみる。ボルヘスのは先日買ったばかりのやうな気がするのだが、改訂新版だから買ってみる。

 今日の電子化本。
◆丸谷才一『裏声で歌へ君が代』(新潮文庫/一九九〇年)
 仮名遣ひに惹かれてかったのだらうか。多分、読んでゐない。


6月28日(火)

 黒い本を持って出勤。今日はちゃんとベローナの町まで辿り着く。まだまだ先は長い。

 今日の電子化本。
◆荒井一博『学歴社会の法則』(光文社新書/二〇〇七年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
 読んだはずだが、その内容はよく覚えてゐない。

 今日は疲れてゐるので、これで。


6月27日(月)

 黒いハードカバーの本を持って出勤したのに、電車の中ではKindleを鞄から取りだして、ヴァーノン・リーを読んでしまった。今日は、Marsyas in Flandersを。1900年の作品である。奇蹟を起こす十字架像の話。どんな奇蹟を起こすのかといふと、誰も見てゐない隙に勝手に動くらしい。何百年も前の記録を読んだりしながら主人公は確信に近づく。これはキリストではなくて、マルシュアスだといふことに気づいたのだった。といふところで笑ふべきなのか。
 ついでに、「聖エウダエモンとオレンジの樹」も読んでみる。筑摩書房の『英国短篇小説の愉しみ』に収録されてゐる。読んでみると、意外に明るく笑ひを誘ふやうな文章もあるのだといふ感じがした。

 今日の電子化本。
◆信田さよ子『依存症』(文春新書/二〇〇〇年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
 依存症について知らなかったことがいろいろと判ったやうな気がするが、よく覚えてゐないのである。残念。
◆小林秀雄『無常という事』(角川文庫/昭和二十九年)
 持っているのは昭和五十四年改版二十八版。
◆前田愛『文学テクスト入門』(筑摩書房/一九八八年)
 私が持ってゐるのは、翌年刊行の第四刷。覚えてゐない。全然覚えてゐない。
『配位化学』(化学同人/一九六六年)
 教科書だった。
◆Thomas Rockwell How to Eat Fried Worms(1973)
 私が持ってゐるのは一九八八年刊のYealing Books版。少年が友人との賭けで蚯蚓を食はなければならなくなる話。特に面白くもなかった記憶がある。


6月26日(日)

 今日は涼しいので、二週間ぶりにベーグルを作りながら、ヴァーノン・リーを読む。Pope Jacynth and Other Fantastic Talesに収録されてゐるPrince Alberic and the Snake LadyとThe Featureless Wisdom。蛇女の話は、約二百ページの本のなかで九〇ページくらゐを占めてゐる作品。悲劇的な運命を辿るアルベリック王子と蛇女の物語。幼いころから王子が愛したタペストリーには物語が描かれてゐた。そこに登場する美しい女性に心惹かれる王子だったが、ある日家具が動かされ、それまで隠れてゐた美女の下半身が見えて、幼い王子は驚愕の叫び声をあげた。彼女には脚がなく、蛇の体を持ってゐたのだ……といふやうな感じで話が始まる。古いものに惹かれる心が古いものと交流する力を得るといふのは、ヴァーノン・リーの作品ではよくある流れだと思ふ。あまり、暗く重い感じになってゐないところがいい。
 もう一つの作品は、同書で4ページしかない短いもの。何だかよく判らない。もしかしたら、軽い冗談のやうな感じなのかも。しかし、その面白さを私は感じ取れなかった。百年も前の作品だから、少しくらい判らなくてもいいのだ。

 今日の電子化本。
◆安部公房『笑う月』(新潮文庫/一九七四年)
 私が持ってゐるのは平成十九年の三十刷。さうか、これは最近買ったものだったか。
◆安部公房『第四間氷期』(新潮文庫/一九七〇年)
 私が持ってゐるのは一九七七年の十二刷。
◆安部公房『水中都市・デンドロカカリヤ』(新潮文庫/一九七三年)
 私が持ってゐるのは一九七九年の九刷。驚くべきことに、どうやら読んだ(または読まうとした)形跡がある。本当に読んだのか。
◆安部公房『人間そっくり』(新潮文庫/一九七六年)
 私が持ってゐるのは一九七七年の四刷。全然覚えてゐないから、読まなかったのかもしれない。
◆安部公房『R62号の発明・鉛の卵』(新潮文庫/一九七四年)
 私が持ってゐるのは、一九七七年の六刷。
◆幸田文『父・こんなこと』(新潮文庫/一九五五年)
 私が持ってゐるのは、平成七年の五六刷。これを買ったのはそんな昔ではないのだ。
◆岸田秀『ものぐさ精神分析』(中公文庫/一九九六年改版発行)
◆岸田秀『ものぐさ精神分析』(新潮文庫/一九九六年改版発行)
 私は買った覚えはない。多分、娘が買って書棚に入れておいたのだらう。
『竹取物語』(角川文庫/一九五六年)
 私が持ってゐるのは、一九八一年の四一版。
 安部公房の本が、一時期管理条件が悪くて黴が生えてしまったものが多く、その姿を見ただけで心が苦しくなるので電子化してしまった。電子化すれば黴もとれて綺麗になるのだ。


6月25日(土)

 都筑道夫『宇宙大密室』(創元SF文庫)[amazon.co.jp, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。面白い。そして懐かしい。直接読んだことはない作品ばかりだが、懐かしさを感じるのは、ちゃうどこれらの短篇が発表された頃、読むSFが何もかも面白かった歳だったからだらうか。

 ヴァーノン・リーのPrince Alveric and the Snake Ladyを読み終へるはずの土曜日だが、結局終はらず。明日は必ず読み終へる。

 今日の電子化本。
◆諏訪哲二『なぜ勉強させるのか?』(光文社新書/二〇〇七年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆田中克彦『ことばとは何か』(ちくま新書/二〇〇四年)
 読んだかどうかもよく覚えてゐない。いや、『なぜ勉強させるのか?』の方は読んだことははっきり覚えてゐる。しかし、中身は覚えていない。何もかも忘れていく……。


6月24日(金)

 何日も前に円卓書店から、『エリオット詩集』(上田保・鍵谷幸信訳/思潮社)が届いたことを記すのを忘れてゐた。

 ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。何でもシリーズ作品は第一巻が面白いと決まってゐるのだが、本書も例外ではないと思ひながら読んでゐたところ、意外な結末に次巻を読むのが楽しみになった。

 紀伊國屋書店から、サミュエル・R・ディレイニー『ダールグレン I』(大久保譲訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]とサミュエル・R・ディレイニー『ダールグレン II』(大久保譲訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]が届いた。手に取ってみるとほとんど黒い本で題名などがほとんど読めない。光を反射させて何とか読む。それより中身を読まなければ。

 SFマガジン2011年8月号[Amazon.co.jp]をいただきました。ありがたうございました。特集は「初音ミク」。この特集のおかげで発売前に増刷になったといふ。しかし、私は初音ミクが何なのか知らない。


6月23日(木)

 紀伊國屋書店に、
●サミュエル・R・ディレイニー『ダールグレン I』(大久保譲訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●サミュエル・R・ディレイニー『ダールグレン II』(大久保譲訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
 あの『ダールグレン』の邦訳がたうとう! といふことで早速註文。すぐには読めさうもないが。

 イギリスのBookLovers.co.ukからCharles Williams Rochester (Arthur Barker, 1935) が届く。資料本。目的の箇所を見つけ出すのが大変だと今頃気がついた。

 紀伊國屋書店から、Lisa Goldstein The Uncertain Places (Tachyon Pubns) [Amazon.co.jp]が届く。久しぶりのゴールドスタインの長篇。読みたい。

 三日間の電子化本。
PHP in a Nutshell (OReilly, 2005) [Amazon.co.jp]


6月22日(水)

 激しい(でもないかも)頭痛のため今日も日記は休み。


6月21日(火)

 疲れてゐるので、今日は日記は休み。


6月20日(月)

 ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。

 紀伊國屋書店から、J・ルイス・ボルヘス『詩という仕事について』 (鼓直訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、大森望編『NOVA4』(河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、H・P・ラヴクラフト『新訳 狂気の山脈』(東本貢司訳/PHP研究所)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、ルネ・ホッケ『迷宮としての世界 上』(種村季弘・矢川澄子訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ルネ・ホッケ『迷宮としての世界 下』(種村季弘・矢川澄子訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、James P. Blaylock The Affair of the Chalk Cliffs (Subterranean Press) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届く。

 あ、ブレイロックの本は、限定版署名入りではないか。作家のサインに興味はないので、サインなしでその分安い方がいい。

 今日の電子化本。
『Scilab/Scicosで学ぶシミュレーションの基礎』(オーム社/二〇〇八年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆溝口文雄『グリッドコンピューティング』(岩波書店/二〇〇五年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆久保田由希『ベルリンの大人の部屋』(辰巳出版/二〇〇八年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
◆Thomas Harris Red Dragon (Dell, 1990) [Amazon.co.jp]


6月19日(日)

 ジョージ・R・R・マーティン『星の光、いまは遠く 下』(酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。特殊な社会習慣と社会構造を持つ種族との接触でさまざまな事件が起こるといふのは面白いはずなのだが、結局古い因習も愛と友情で乗り越えられるといふやうな感じになってしまったのが残念。結末には、どういふことかと狼狽へたが、それくらゐの衝撃を残してくれないとがっかりした気持ちで本を閉じてゐたに違ひない。

 ヴァーノン・リーのPrince Alveric and the Snake Ladyを半分くらゐまで読む。どうしてこんなに読むのが遅いのか。

 今日の電子化本。
◆目黒考二『酒と家庭は読書の敵だ。』(角川文庫/二〇〇三年)
◆イアン・アーシー『政・官・財の日本語塾』(中公文庫/一九九九年)
◆河出書房新社編集部『日本語の起源を探る』(河出文庫/二〇〇三年)
◆中島らも『アマニタ・パンセリナ』(集英社文庫/一九九九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆林望『書藪巡歴』(新潮文庫/一九九八年)
◆安部公房『終りし道の標べに』(新潮文庫/一九七五年)
◆鈴木孝夫『ことばと文化』(岩波新書/一九七三年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆川本茂雄『ことばとこころ』(岩波新書/一九七六年)
◆大石俊一『「英語」イデオロギーを問う』(開文社/一九九〇年)
 いろいろ、英語の本とか日本語の本、その他。


6月18日(土)

 ジョージ・R・R・マーティン『星の光、いまは遠く 上』(酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく終へ、下巻へ。「ダーク・トラリアンは、かつての恋人グウェン・デルヴァノから送られた〈囁きの宝石〉に呼ばれ、この惑星にやって来たのだった。再会を喜ぶダークだったが、グウェンは思いもよらない事実を彼に告げる。自分はもはや自分だけのものではないのだと……。エキゾチックな異星で展開される冒険SF」といふ内用なのだが、ダークが呼ばれた理由ははっきりしない。いつまでも態度をはっきりさせない二人だが、このままぼんやりした状態が続いたら嫌だなと思ってゐたら、やうやく話が進展して二人も態度をはっきりさせたやうだ。この後はもっと早く読み進められさうだ。

 ゲイル・キャリガー『アレクシア女史、飛行船で人狼城を訪う』(川野靖子訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。

 パトリシア・A・マキリップ『星を帯びし者』(脇明子訳/創元推理文庫)[amazon.co.jp, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と都筑道夫『宇宙大密室』(創元SF文庫)[amazon.co.jp, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。マキリップは以前ハヤカワ文庫FTから出てゐたもの。長い間品切れになってゐて、マキリップの作品のほとんどが創元推理文庫から出るやうになった今は、こちらで再刊された方が読者にとってはいいのか。文庫FTから出たときにもちろん私も読んだがすっかりその内容を忘れてしまってゐる。都筑道夫の本は、もしかしたら私は一冊も持ってゐないかも知れない。「飛び去りしものの伝説」は毎号奇想天外誌で見ていたが読んではゐなかった。SF短編だけでなく、SF黎明期についてのインタビューも興味深い。

 紀伊國屋書店に、
●J・ルイス・ボルヘス『詩という仕事について』 (鼓直訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●大森望編『NOVA4』(河出文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●H・P・ラヴクラフト『新訳 狂気の山脈』(東本貢司訳/PHP研究所)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
●ルネ・ホッケ『迷宮としての世界 上』(種村季弘・矢川澄子訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ルネ・ホッケ『迷宮としての世界 下』(種村季弘・矢川澄子訳/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。少し前に出たのに註文しそびれてゐたものがほとんど。


6月17日(金)

 水曜日に註文したリオ・プラーツ『蛇との契約-ロマン主義の感性と美意識』(ありな書房/二〇〇二年)が届いた。大きい。そして重い。ヴァーノン・リーに関する記述は二十ページくらゐしかない。

 数日前に話題になってゐたBritish Library 19th Century CollectionをiPad2にインストール(といふのか、ダウンロードといふのか)してみた。美しい。どの本も美しい。とりあへず、ヴァーノン・リーの本など眺めてみる。明日は美しい挿絵本など探してみよう。

 昨日書けなかった昨日の電子化本と今日の電子化本。
◆竹山道雄『ビルマの竪琴』(新潮文庫/一九四九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆司馬遼太郎『日本語と日本人』(中公文庫/一九九七年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆丸谷才一『日本語のために』(新潮文庫/一九七八年)
 ちょっと古い文庫本三冊。どうしてこの本を買ったのかよく覚えてゐないし、その中身もよく覚えてゐない。
『救え!世界の食料危機 ここまできた遺伝子組換え作物』(化学同人/二〇〇九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 ゴールデンライスの話は特に興味深い。
PHP Cookbook, 2nd ed. (Oreilly, 2006) [Amazon.co.jp]
 これ一冊でかなりの厚さと重量が書棚から消えるのだ。上の文庫本の一体何冊分になるのだらう。本当は冊数よりも重量なのだ。


6月16日(木)

 五日前に註文した『エリオット詩集』が来ないのは遅すぎると密かに怒ってゐたのだが、私がクレジットカード認証手続を忘れてゐたせゐだといふことに気づいて慌てて手続きをしたら、数分後に明日発送しますといふメールが届いた。何もかも私がいけなかったのだ。人を疑ったことを深く反省する。

 ヴァーノン・リーのPrince Alveric and the Snake Ladyを少し読む。素晴らしい。まだ途中だけど。

 もう眠くて倒れさうなので、今日の電子化本は明日記すことにする。


6月15日(水)

 今朝はジョージ・R・R・マーティン『星の光、いまは遠く 上』(酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手に取って出勤。いきなり主人公はつらい目に遭はされてゐるやうだが、この先どういふ展開になるのだらうか。

 日本の古本屋で検索して古書店〈百年〉に
●リオ・プラーツ『蛇との契約-ロマン主義の感性と美意識』(ありな書房/二〇〇二年)
を註文。新刊書店でも買へたのだが、一万円を超えるとかなり躊躇ひを覚えてしまふ。でも、どうしても欲しかったのだ。ある日突然書棚に並んでゐて、おもむろに「いつになったら読むのかね」と声を書けてくれたらいいのにと思って待ってゐたのだが、いつまで待ってもやって来ないので、自ら註文。さういへば、百年は前に雑誌「幻想と怪奇」を一冊買ったところではないか。

 今日の電子化本。
◆中村明『日本語案内』(ちくま新書/二〇〇〇年)
 読んだのかどうかよく覚えてゐない。「ん」の音の種類とか、現代仮名遣ひに影響を及ぼす歴史的仮名遣ひの用法などは読んだやうな気がしなくもない。いろいろと興味深い話が載ってゐて楽しい本だが、残念ながら、今は新刊書店では買へないやうだ。
Web Site Cookbook(OReilly, 2006)[Amazon.co.jp]
 何の目的で買ったのかよく覚えてゐない。ほとんど活用できなかった。


6月14日(火)

 今日も奥泉光『モーダルな事象』(文藝春秋/二〇〇六年)を手に取って出勤。面白いのだが、こればかり読んでゐるわけにもいかないのだ。今日は紀伊國屋書店から本が届いてしまったことだし、どうすべきか。読書時間を増やせればいいのだが、今はシュレーディンガーの猫の手も借りたいくらゐ忙しい。

 紀伊國屋書店から本が届く。ジョン・ウインダム『チョッキー』(金利光訳/あすなろ書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』(野谷文昭訳/集英社文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、エウジェニア・S・P・リコッティ 『古代ローマの饗宴』(武谷なおみ訳/講談社学術文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、新潮社ファンタジーセラー編集部編『Fantasy Seller』(新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、大村じゅん『イギリス英語の秘かな愉しみ』(ワニブックスPLUS新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジョージ・R・R・マーティン『星の光、いまは遠く 上』(酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジョージ・R・R・マーティン『星の光、いまは遠く 下』(酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、神林長平『言壺』(ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。さて、明日から何を読まうか。

『Fantasy Seller』(新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をぱらぱらと捲ってみたのだが、この森見登美彦の作品は何なのだ。

 今日の電子化本。
◆秋山智俊『恋するプログラム―Rubyでつくる人工無脳』(毎日コミュニケーションズ/二〇〇五年)4839917299  突然どうしても欲しくなって買ったのだが、Rubyは苦手なので全然活用できなかった。


6月13日(月)

 遊BOOKS大船から、グレアム・グリーン『ロチェスター卿の猿』(高儀進訳/中央公論社/一九八六年)が届く。とりあへず、税関での騒動について確認。

 今日の電子化本。
◆カール・J・シンダーマン『続サイエンティストゲーム』(学会出版センター/一九八九年)
『プログラミングRuby 第二版 ライブラリ編』(オーム社開発局/二〇〇六年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『CSS完全ガイド』(オライリー・ジャパン/二〇〇五年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]

 シンダーマンの本を読んで、立派な科学者になって生き延びようと決意した……のかどうかは覚えてゐないが、全然立派にはなれなかったことだけは確かだらう。
 オライリーの本はずいぶん持ってゐるのだと改めて認識してみる。その大半がpdf化されようとしてゐる。


6月12日(日)

 今日も書棚の整理をしようと心に決めてゐた。先週から決めてゐた。固く揺らぐことのない決心だった。文庫本の整理がほぼ終はったので、今日からハードカバーである。作業としては、仲間を集めていけばいい。翻訳作品なら出版社や叢書別に、日本人作家なら作家別に。固い決意を心に抱いて書棚の前に立ち、そして数分後うなだれた私は膝を突いて涙を流した。どこから手を付ければいいのか。呆気なく崩れ去った決意を両手で抱きしめ、書棚の前に蹲ると私は目を閉じた。

 そんなことをしても何も解決しないので、とりあへず本を註文。日本の古本屋で検索して、円卓書店に、
『エリオット詩集』(上田保・鍵谷幸信訳/思潮社)
を。八〇〇円+送料である。エリオットの詩にはほとんど関心はないが、資料として必要性を感じたので。

 次に、Abebooks.comで検索して、Books From BookLovers of Bathに、
○Charles Williams Rochester (1935)
を註文。チャールズ・ウィリアムズが書いたロチェスターの評伝。送料込みでUS$27.68。全然関心はないのだが、資料である。資料である。

 今読んでゐる本の登場人物が「寒ぶ疣」といふやうな言葉を使ふのだが、これは関西の言葉のはず。東京の蒲田で育った人物がかういふ言葉を使ふとは考へ難い。まあ、使はないとは限らないけれども。

 今日の電子化本。
◆ジェフ・ハウ『クラウドソーシング』(ハヤカワ新書juice/二〇〇九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆ジョナサン・ジットレイン『インターネットが死ぬ日』(ハヤカワ新書juice/二〇〇九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆クリス・アンダーソン『ロングテール』(ハヤカワ新書juice/二〇〇九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆ダグラス・C・メリル『グーグル時代の情報整理術』(ハヤカワ新書juice/二〇〇九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆ゴードン・ベル&ジム・ゲメル『ライフログのすすめ』(ハヤカワ新書juice/二〇一〇年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるハヤカワ新書juiceを全部。この頃新刊を見ないやうな気がするが、売れなくて打ちきりになってしまったんだらうか。心配である。これは新書ではなく選書で出した方がよかったんぢゃないかといつも思ふ。この大きさといひ、厚さといひ、新書ですと云はれてもね。中身は面白いものが多いと思ふのだが。さういへば、Amazon.co.jpの書籍においては、ロングテールは成立してゐないと書かれてゐたことを思ひ出す。
◆トマス・J・スタンリー『なぜ、この人たちは金持ちになったのか』(日経ビジネス人文庫/二〇〇八年)
 どうしてこんな本を買ったのか。多分、大金持ちになりたかったんだらう。当然のことながら、まだ大金持ちにはなってゐない。


6月11日(土)

 昼間はいろいろ書かうと思ふこともあるのだが、夜になると眠気に追ひ払はれるのか、昼の思ひつきはどこかへ消えていってしまふ。夜には夜の思ひつきがあるのなら、それを書けばいいだけのことだ。しかし、夜は眠くて何も思ひつかないのだ。何とか昼の思ひつきを捕獲する方法を考へよう。

 何も書き留めておきたいことを思ひつかなくても、とりあへず本は電子化する。今年に入って何冊くらゐだらう。四百冊くらゐか。この頃はもう私が書庫に入るだけで、恐怖に慄く本たちが一斉に逃げ惑ふやうになった。手頃な目標を摑んでは切り摑んでは切り、スキャナで読み込んでいく。押さへつけたときにきいきい泣き叫ぶ声が耳から離れない。

 今日の電子化本。
『プログラミングRuby 第2版 言語編』(オーム社/二〇〇六年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋##店, Yahoo! Books]
◆鈴木孝夫『ことばの社会学』(新潮文庫/一九九一年)
◆イアン・アーシー『怪しい日本語研究室』(新潮文庫/二〇〇三年)
◆真田信治『標準語の成立事情』(PHP文庫/二〇〇一年)
◆川崎洋『かがやく日本語の悪態』(新潮文庫/二〇〇三年)
 Rubyの本と、言葉に関連した文庫本。どれもそれなりに面白いが特別感銘を受けたものはなかったやうな気がする。悪態はあまり輝いてゐなかった。


6月10日(金)

 今日も奥泉光『モーダルな事象』(文藝春秋/二〇〇六年)を手に取って出勤。面白いのはいいのだが、本が厚くて読書時間に限りがあるので、いつまで経っても同じ本を読むのはちょっとつらい。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●ジョン・ウインダム『チョッキー』(金利光訳/あすなろ書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●マヌエル・プイグ『蜘蛛女のキス』(野谷文昭訳/集英社文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●エウジェニア・S・P・リコッティ 『古代ローマの饗宴』(武谷なおみ訳/講談社学術文庫)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●新潮社ファンタジーセラー編集部編『Fantasy Seller』(新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●大村じゅん『イギリス英語の秘かな愉しみ』(ワニブックスPLUS新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョージ・R・R・マーティン『星の光、いまは遠く 上』(酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョージ・R・R・マーティン『星の光、いまは遠く 下』(酒井昭伸訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●神林長平『言壺』(ハヤカワ文庫JA)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 早川文庫の新刊以外は、この数ヶ月に買ひ逃してゐたものなど。
○James P. Blaylock The Affair of the Chalk Cliffs (Subterranean)
○Lisa Goldstein The Uncertain Places (Tachyon Pubns)
 ゴールドスタインの新作長篇なんて何年ぶりだらう。果たして読むだらうか。

 電子版の定期購読がなくなってしまったので、しばらく前に紙の版の定期購読を申し込んだFantasy & Science Fictionの一・二月号、三・四月号、五・六月号の三冊が届いた。隔月刊になってから、紙の本を手に取るのは初めて。こんなに厚くなってゐたのか。手に取って重さを確かめ、撫でたり擦ったりして手触りを味はひ、くんくんと匂ひを嗅いで満足し、書棚に収める。もうすっかり読むのを忘れてゐる。

 日本の古本屋で検索して、遊BOOKS大船に、
●グレアム・グリーン『ロチェスター卿の猿』(高儀進訳/中央公論社/一九八六年)
を註文。二一〇〇円+送料。資料。税関での事件について。

 今日(と昨日)の電子化本。
『入門GNU Emacs』(オライリー・ジャパン/二〇〇七年)
『物理と情報2 学習と情報の平均場理論』(岩波書店/二〇〇二年)
『物理と情報3 ベイズ統計と統計物理』(岩波書店/二〇〇二年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『物理と情報5 遺伝的アルゴリズムと進化のメカニズム』(岩波書店/二〇〇二年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『物理と情報6 DNAと遺伝情報の物理』(岩波書店/二〇〇五年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆山田祥寛『XMLデータベース入門』(翔泳社/二〇〇六年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『ViIMproved‐Vim完全バイブル』(技術評論社/二〇〇四年)
『RとBioconductorを用いたバイオインフォマティクス』(シュプリンガー・ジャパン/二〇〇七年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]


6月9日(木)

 今日は疲れてゐるので休み。明日、今日の項を今日書いたやうな顔をして再記入するか、明日のできごとにまとめてしまふかはまだ判らない。


6月8日(水)

 何日か前に、縦書きの最新日記表示ページを作ったのだが、今日、UbuntuのGoogle Chromeで見てみたら、所謂約物(括弧とか句読点とか)の方向が横表示の方向のままで変な表示になってしまってゐた。MacOSXのChromeでは綺麗に表示されてゐたのに。ウェブブラウザで縦書き読書はまだ簡単には作れないやうだ。需要もそんなに多くないやうだけど。私のページももっと縦書きで読みやすい文章にしたい。同時に横書きでも読みやすさを失はないやうにしたい。それがなかなか難しい。表示を自動で変換する仕組みをたぶん作らなければならないだらうから。

 今日は、World IPv6 Dayなのださうだ。表示の具合が自宅と職場、OSとブラウザの組み合はせで少しづつ変はってゐる。本とはあまり関係のない話だからどうでもいいか。

 今日の電子化本。
Programming Collective Intelligence (OReilly, 2007) [Amazon.co.jp]
 これはネット上のさまざまな情報を解析する手法を例示してくれる本。数学的解析法についていろいろと参考になると喜んで買ったのだが、ほとんど活用できてゐない。階層クラスタリングとか機械学習とか決定木とかサポートベクターマシンとか。
『使いこなすgnuplot 改訂第二版』(テクノプレス/二〇〇四年)
 グラフを描くときは専らこれを使ってゐる。じつに便利である。しかし、この本はもう新刊書店で買へない。なんといふことだ。
◆金谷健一『これなら分かる最適化数学』(共立出版/二〇〇五年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 この本で学んだことは少なくない。私が持ってゐるのは二〇〇六年の第五刷。
『正規表現ケーススタディブック』(毎日コミュニケーションズ/二〇〇四年)
 ちょっと調べたいときに便利。思ふやうに動いてくれないこともあるのだけど。


6月7日(火)

 今日から何を読まうかと考へ、疲れてゐるから日本人作家の本にしようと思った。何にするか。いろいろ迷って、前から読みたいと思ってゐた奥泉光『シューマンの指』(講談社/二〇一〇年)を読むことにしよう。ところが、見つからない。さういへば、前にも読みたいと思ったのに見つけられなかったのではなかったか。それでも、日記に購入記録が残ってゐるから、買ってはゐるのだらう。探してゐるときに、奥泉光『モーダルな事象』(文藝春秋/二〇〇六年)を見つけたので、それを手に取って出勤。これを読み終へたら、『桑潟幸一准教授のスタイリッシュな生活』が読めるだらうか。
 それにしても、『モーダルな事象』は分厚い。五四〇ページもある。が、読みやすいから大丈夫だらう。

 今日の電子化本。
『XQuery + XMLデータベース入門』(日経BP社/二〇〇六年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 結局全く使はなかった。Windows機で使ふことを想定してゐる本だったから。
◆金谷健一『これなら分かる応用数学教室』(共立出版/二〇〇三年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私が持ってゐるのは二〇〇六年の第十刷。この人のもう一冊の方の本をよく参照して計算した。これも判りやすいやうだけど、私はあまりきちんと勉強しないので、使ふところだけ見て済ませてしまふ。


6月6日(月)

 服部哲弥『Amazonランキングの謎を解く』(一七〇〇円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。これは面白い。一回買はれる度に先頭に移動するといふ実に単純な規則でアマゾンの書籍売上順位を説明できること、さうやって解析してみると、ロングテールは商売として成立してゐないことを示してみせてくれる。見事である。わくわくしながら読み進められる。対象が毎日馴染のあるアマゾンの順位の話だし、ロングテールビジネスについてはオンライン書店の特徴や有利な点としてまことしやかに語られる題材だからだ。
 巻末には確率論の教科書や専門書の紹介があるので読んでみたくなって困る。多分、買っても読まないから。

 今日の電子化。
『実用SSH』(オライリー・ジャパン/二〇〇六年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 私には難しすぎるし、重すぎる。後者だけは電子化すると解決する。重さも厚さもゼロになるのだから。素晴らしい。
『Apache Lucene 入門』(技術評論社/二〇〇六年)
 全然使はなかった。申し訳ない。
『Emacs 辞典』(翔泳社/二〇〇六年)
 結局私はEmacsはうまく使へなかった。今でも専らvimを使ってゐる。
『工学のためのデータサイエンス入門』(数理工学社/二〇〇四年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 実際の解析はRを使って示してゐる。この本にはたいへんお世話になった。私にとっては救いの神となったが、万人にとってさうなるとは限らない。


6月5日(日)

 ふと気づくと六月二日の日記がなかった。確かに書いたはずなのに。間違へて消してしまったのか。ファイルに下書きしただけでアップロードしたつもりになって捨ててしまったのか。ファイルが消えてしまってゐたら、もう内容は判らない。電子化した本の題名は覚えてゐないから。私は下書きのファイルはDropboxに保存してゐる。といふことは、そのファイル回復機能で中身を復活させられるかも知れないと思ひつき、それがうまいこと成功して、無事に日記の抜けを埋めて、何を買って、何を電子化して、何を読んだかの記録が残せた。頭にほとんど記録が残らないから、これがないと本当に困るのだ。Dropboxの有用性も再確認できた。

 今日は読書もせず、本の註文もせず、本の電子化もせず、一日書棚の整理である。一日中本棚を整理して、文庫本がほぼ片づいた。どの本がどこにあるか確認できるやうになり、探し物の時間は大幅に短縮されるはず。最後の大物は、創元SF文庫だった。もちろん、創元推理文庫SF印を含んでゐる。ハヤカワ文庫とは違って、通し番号になってゐないので、作家番号順に揃へてまとめなければならなお。その作家番号が、古い本にはついてゐないのがまた厄介である。目録を見て、確認しなければならないのだ。しかも、新しい目録だと古い作品は抜けてゐるので、古い目録を使はなくてはならない。今日は1982年頃の目録を使った。
 時代とともに、部門を移動したものもある。が、そのときに表示されてゐる位置に置いてやることにしてゐる。すると最初期に刊行されたブラム・ストーカー『ドラキュラ』は後に帆船マークに移籍するのだが、ブラム・ストーカーの作品はSFマークでその後は刊行されなかったので、作者番号がないのだ。仕方がないので、ドラキュラは六〇一番のバローズの前に置いた。後は、バローズから並べていく。疲れた。

 本の量は予想より少なく、壁一面しか使はなかった。しかし、あまり読んでゐない。全部読めたらいいのだが、多分死ぬまで無理だらう。

 来週以降はハードカバーに取りかかりたい。どこに何があるか把握できるやうになったら、ここ数年かけてきた本を探すための膨大な時間が節約できるはずだ。諦めて註文してしまったりすることもなくなるだらう。


6月4日(土)

 この日記をどうして歴史的仮名遣ひで書いてゐるのかと訊かれることがある。理由はもう覚えてゐない。検索に引っかからなくなるかも知れないと思って試してみたのか。しかし、私はこれを読まれたくないと思って書いてゐるわけではないので、理由としては納得できない。よく判らないが、気がついたら歴史的仮名遣ひになってゐて、さうしなければ落ち着かない習慣になってしまった。
 現代の若者には読みづらいのだらうか。現代仮名遣ひにしたら格段に読みやすくなり読者が百倍くらゐに増えるかも。そんなわけはない。

 私もとうぜん学校では現代仮名遣ひを習った。最初に歴史的仮名遣ひの本を読んだのはきっと岩波文庫の『千一夜物語』だ。断片的にはほかにもいろいろ読んだことはあっただらう。古文でない作品、しかも翻訳作品で、書店で売られてゐる本が歴史的仮名遣ひであることをなぜか驚いて、口語文も歴史的仮名遣ひで書いていいのだといふことに改めて気がついた。それから意識的に歴史的仮名遣ひで書かれた現代文を読むやうになった。残念ながら、岩波文庫の『千一夜物語』は途中から現代仮名遣ひになってしまったが。

 明治時代や江戸時代の本を読むと、辞書で歴史的仮名遣ひとして記載されてゐる表記と違ふ仮名遣ひも多い。明治時代は学校で教へる仮名遣ひもきちんと定まってゐたはずだが、あまり安定してゐなかったやうだ。(たぶん)さういふ表記を目にして何か間違ひしたまま頭に入ってしまったものもある。昨日指摘してくれる人がゐたのだが、「筈」といふ言葉である。私は長い間「はづ」と間違へてゐたのだが、「筈」は歴史的仮名遣ひでも「はず」である。辞書で確認して、覚え直した。多分、これで一生忘れないだらう。言葉の間違ひなどを指摘してもらへると本当に嬉しい。これまで三十年近く恥づかしい間違ひをして生きてきたわけだ。でも、これをきっかけに一生間違へないだらうし、その言葉を辞書で調べて新たな知識も得られる。「はず」といふ語が「矢筈」に由来することを知った。何か役に立つとも思へないが、新しい言葉を覚えた日は気持ちがいい。

 今日の電子化本。
◆山根一眞『スーパー書斎の遊戯術』(文春文庫/一九九八年)
 昔から書斎の本が好きだった。こんな本も買ってしまったわけだが、もうほとんど覚えてゐない。写真が多いので、グレーでスキャンしてみたが、どうも全体に影がついてしまってうまく読み取りづらい。本は紙が茶色になる前にスキャンすべきだ。もっともっと急がなければ。
◆シュレーディンガー『生命とは何か』(岩波文庫/二〇〇八年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 まだ読んでゐません。
『Rubyレシピブック 第2版』(スフトバンククリエイティブ/二〇〇七年)[amazon.co.jp, bk1, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 一時期、Rubyを使へるやうにならうと心に決めて、本を買っていろいろ試したのだが、今ではすっかり忘れてしまった。どうして馴染めなかったのだらう。自分でもよく判らない。今、何とか使ってゐるのは、PHPとPythonである。
◆Tate and Hibbs Ruby on Rails: Up And Running (OReilly, 2006)
◆Cal Henderson Building Scalable Web Sites (OReilly, 2006) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]
 私は日本語英語を問はず、いやドイツ語も含めてオライリーの本をずいぶん買ったものだ。高い本が多いので、費用から考へるとかなり効率が悪い。でも、なぜか動物の絵が中央にどんと描かれる独特の表紙の本の魅力に逆らへず、ついつい購入してしまふ。今は月に四〇ドルでネットで検索閲覧ができる契約をしたから、出費と書架の負荷はかなり減ったはず。日本語も電子版が増えてきて嬉しい。


6月3日(金)

 服部哲弥『Amazonランキングの謎を解く』(一七〇〇円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。Google Rankの話はよく聞くが、Amazon Rankの話はあまり聞かない。といふことで、今日からこれを読みながら出勤。面白い。

 今日の電子化本。
◆F・シャトラン『行列の固有値 新装版』(シュプリンガー/二〇〇三年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆笠原晧司『線型代数と固有値問題』(現代数学社/二〇〇五年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆伊理正夫、 藤野和建『数値計算の常識』(共立出版/一九八五年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆熊沢逸夫『学習とニューラルネットワーク』(森北出版/一九九八年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆岡太彬訓『データ分析のための線形代数』(共立出版/二〇〇八年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『実用SSH』(オライリー・ジャパン/二〇〇六年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
◆Jack D. Herrington『PHP Hacks』(Oreilly/二〇〇五年)[Amazon.co.jp
 今日は少し多い。といふのはなるべく早く勤務先の本を電子化して、自宅や外出先でも仕事ができる環境を整へたいからである。私は暑さに弱いのである。
 ところが、電子化したものを見ると、どうも使用頻度の低いものから電子化してゐるやうではないか。やはり、本を切るのは辛いことなのである。だから、大事でよく使ふ品を先送りにしてしまふ。それでは本当に意味がない。やれやれ。


6月2日(木)

 パオロ・バチガルピ『ねじまき少女 下』(八四〇円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。読むのが遅すぎる。話は終はりが近づくにつれて展開が速くなり、面白く読み進められるやうになった。かなり悲惨な状況ではあるのだが、結末はまた新しい明日を生きていかうといふ希望を感じさせるので読み終へたときの気持ちはよい。全体的には私の好みよりは長すぎるとか、遺伝子組換へ技術を、世界を破滅させる恐怖を生み出すものとして描く作品は心から受け入れられないとか、細かいところにけちをつけたくなってしまったりするのは私が悪いのである。エネルギー変換効率がほぼロスなしとか、不燃処理した稲から十世代にわたって米が収穫できるとか。楽しく読んだのではあるが。

 紀伊國屋書店から、クラーク・アシュトン・スミス『ヒュペルボレオス極北神怪譚』(大瀧啓裕訳/一二〇〇円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ロバート・チャールズ・ウィルスン『クロノリス 時の碑』(茂木健訳/一一〇〇円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、『幻想の挿絵画家カイ・ニ-ルセン』(二二〇〇円+税/マール社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、『挿絵画家ア-サ-・ラッカムの世界』(一九〇〇円+税/新人物往来社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、服部哲弥『Amazonランキングの謎を解く』(一七〇〇円+税/化学同人)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。アマゾンのランキングの本は面白さう。「確率的な順位付けが教える売上の構造」といふ副題がついている。ラッカムの本は、一八〇点の作品が粗筋付きで載ってゐる。見たことのない作品も多く、ゆっくり味はひたい。あまり自分はラッカムが好きではないと思ひ込んでゐたのだが、考へを改めたい。ニールセンの本は昨年十一月に出たのを見逃してゐたもの。こちらも見たことのない絵がたくさん入ってゐる。それは。尤も、私が前に見たことを忘れてゐるだけかも知れないが。

 眠い。眠すぎる。

 今日の電子化。
◆芦田正巳『統計力学を学ぶ人のために』(オーム社/二〇〇六年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『Make: Technology on Your Time Volume 05』(オライリー・ジャパン/二〇〇八年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]


6月1日(水)

 東京創元社よりロバート・チャールズ・ウィルスン『クロノリス 時の碑』(茂木健訳/一一〇〇円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をいただきました。ありがたうございました。もう註文してしまってゐますが。しかも、英語で読んだ本だから、もう翻訳はおそらく読まない。

 この夏はいつでもどこでも仕事がきなくてはならない状況に陥りさうで、明日から本の電子化をさらに進めるとともに、環境作りのためのアプリケーションを準備する決意をした。今日は、iWorkのKeynoteとPagesを購入し、iPadに入れた。Numbersは、GoogleAppsか何かで使へばいいのだ。明日からもっともっと活用しよう。
 しかし、neu.Annotateとかでpdfに文字を書き込んでみたが、まだ印刷した紙に書き込み方がやりやすい。私が古い人類だからだらうか。

 今日の電子化本。
◆黒田龍之助『世界の言語入門』(講談社現代新書/二〇〇八年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『澱粉・関連糖質酵素実験法』(学会出版センター/一九八九年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 「生物化学実験法25」。
『RESTful Webサービス』(オライリー・ジャパン/二〇〇七年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 結局、未だにRESTのことはよく判ってゐない。


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