12月31日(金)

 朝起きたときは暗かったので気がつかなかったのだが、しばらくして窓の外を見たら真っ白になってゐるので驚いた。

 ジョン・クリストファー『トリポッド2 脱出』(中原尚哉訳/640円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1]を訳者の中原尚哉氏からいただく。ありがたうございました。

 Alibrisから、David Henry Wilson The Coachman Ratが届く。これはBaen Books版である。何だか見覚えのある表紙だ。もしかしたら、持ってゐるのかも知れない。

 大晦日だといふことで、少し机の上を片づけようとして、放置されてゐた小物を抽斗に入れたとき、その抽斗の中に耳栓があるのを見つける。全然使はないから捨ててしまはうと思って、ちょっとふざけて耳に突っ込んでみたら驚いた。静かなのだ。パソコンから流れてくる「うぃ〜ん」といふ音が消えてゐる。キーを叩く音が聞こえない。トラックボールやマウスをかちかちする音が聞こえない。外の道を通る車の音が聞こえない。が、同じ部屋の人間が話す声は小さくなるものの話しかけられたことは判るし、訪問者が来たときの呼び鈴の音も聞こえる。些か無理やりだがヘッドホンを上からかけてバッハを聴けば、まあそれなりに聞こえる。素晴らしい。捨てなくてよかった。どうして買ったときには気づかなかったのだらう。サイレンシアといふ商品である。

 この耳栓のおかげで静かなパソコンを急いで買はなくてもいいといふことで、随分金の節約になったと思ったら、椅子が欲しくなった。高さが合はなくなった娘と椅子を交換したのだが、私の躰ではもっと高さが合はないので、仕事をするのに甚だ不便なのだ。殆ど一日中坐ってゐる最も重要な仕事の場だといふことで、高価で立派な椅子を買ふ人もゐるらしいが、考へてみれば私は昼間は出勤してゐるから、一日中家の椅子に坐ってゐる訳でもないし、落ち着きがないので休みの日でも長時間坐ってゐることは少なかったりするのだ。といふことで、送料・税金込みで2980円の椅子を楽天に註文。そんな安物でいいのかと思ったが、娘に譲った椅子とほぼ同じものが1900円程度で売られてゐたから、娘の椅子に比べたら1.5倍もの価格の椅子を購入したといふことで、まあいいやといふ気分になる。

 大晦日だといふのに、相変はらずで、そんなことをしながら一日中ダンセイニの翻訳。

 この日記ももう九年である。明日からは十年目に入る訳だ。書いてゐることは驚くほど変はらない。毎日毎日書き続けて、さう考へると何だか不思議な感じがしてくる。


12月30日(木)

 bk1から、リチャード・E・シトーウィック著『共感覚者の驚くべき日常』[amazon.co.jp, bk1]、ジェイン・オースティン『高慢と偏見(上・下)』上[amazon, bk1]/下[amazon, bk1]、町田健『ソシュールと言語学』[amazon.co.jp, bk1]、スタニスワフ・レム『高い城・文学エッセイ』[amazon.co.jp, bk1]、天沢退二郎『オレンジ党、海へ』[amazon.co.jp, bk1]、ジョン・ダニング『失われし書庫』[amazon.co.jp, bk1]、コナン・ドイル『北極星号の船長』[amazon.co.jp, bk1]が届く。しばらく読めまい。

 今年届く本はこれで最後か。

 と云ひながらも、娘と二人で映画館へ行って「ターミナル」といふのを観る。悪い話ではないが、何か物足りない。
 あとで思ひ出したのだが、映画「ターミナル」を観てゐたときの落ち着かない感じは、もしかしたら私がアメリカに入国するときに二度も「別室」へ連れていかれて審査されたことがあるからかも知れない。入国してからも、移民局へ出頭してパスポートを返してもらうのに苦労してゐるのだ。

 昼からはダンセイニの翻訳。捗らない。遅過ぎる。あまりにも遅過ぎる。


12月29日(水)

 出勤して三時間ほど仕事をして昼には帰宅。PHPでクリッカブルマップを描かせるときに、Mac版Internet Explorerでは座標の値に小数点があると正しくクリッカブル領域を描けないことに気づいたのは我ながらよくわかったと思ふ。作業中にいろいろ思ひついたことがあって、もっと仕事をしたくなってしまったが、切りがないので今年はここまでにしておく。帰宅して、ダンセイニ。捗らない。果たしてこれが終はるときが来るのだらうかといふ恐怖に襲はれるくらゐである。あまりの恐怖に、このページのcssをちょっと書き換へてみたり。そんな暇ないのに。しかし、恐怖のあまり本を買ひまくるよりはいいだらう。


12月28日(火)

 昼間は朝から晩までPHP漬けで過ごす。何日も悩んでゐたことが最も簡単な方法で解決する。といふことで明日も少しだけ仕事に行きたくなってしまふ。

 帰宅してからはダンセイニの翻訳である。あまり捗らない。

 Amazon.co.jp
○Graham Joyce The Limits of Enchantment (Gollancz, ¥2336, 01/2005)
を註文してから、就寝。Jeffrey Fordの新作長篇The Girl in the Glassの註文ができるやうになってゐた。もうしばらくしてから註文しよう。八か月以上も先だから。といふわけで、今日は一冊だけにして、大人しく寝るのだ。


12月27日(月)

 九十九電機にCD-ROM版『日本語表現活用辞典』(6400円+税/研究社)[amazon.co.jp, 九十九電機]を註文。九十九電機では5590円だった。Amazon.co.jpよりも安いと思って註文したのだが、よくみたら、送料と税金を合はせて6815円となり、Amazon.co.jpの6199円(税込)よりも高いではないか。600円も損した。文庫本が一冊買へるではないか。

 今日は一日訳の判らない会議。いつもの勤務先とは違ふ場所だったので、面倒臭くて昼食を食べなかったら、熱量不足になったのか夕方には手足が冷たくなってきてしまった。やはり昼食を抜かすのはよくないのか。

 食事をせずに昼休みに何をしてゐたのかといふと、ジェフリー・フォード『白い果実』[amazon.co.jp, bk1]を読んでゐた。何をいまごろといふ感じだが。


12月26日(日)

 ジェフリー・フォードのThe Empire of Ice Creamの翻訳を終へる。78枚だった。一時はどうなることかと思ったが、どうやら大丈夫だったようである。

 さて、一仕事終へたら本の註文である。bk1に以下の10冊。
●村上春樹『ふしぎな図書館』(1800円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1]
●大友康寛『LaTeX組版ハンドブック』(2200円+税/翔泳社)[amazon.co.jp, bk1]
●リチャード・E・シトーウィック著『共感覚者の驚くべき日常』(山下篤子訳/1900円+税/草思社)[amazon.co.jp, bk1]
●ジェイン・オースティン『高慢と偏見(上・下)』(中野康司訳/各950円+税/ちくま文庫)上[amazon, bk1]/下[amazon, bk1]
●町田健『ソシュールと言語学』(720円+税/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1]
●スタニスワフ・レム『高い城・文学エッセイ』(沼野充義・他訳/2800円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1]
●天沢退二郎『オレンジ党、海へ』(2700円+税/ブッキング)[amazon.co.jp, bk1]
●ジョン・ダニング『失われし書庫』(宮脇孝雄訳/900円+税/ハヤカワ・ミステリ文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●コナン・ドイル『北極星号の船長』(北原尚彦・西崎憲編/700円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1]
 以上である。
 村上春樹の小説はもう読まないなどと前に書いたが、また註文してしまった。まあ、こんな題名では買はない訳にはいくまい。LaTeXはもう諦めて、関連図書も二度と買はないと固い決意をしていたのに、また註文してしまった。〈ワープロ感覚で活用する〉とか〈「難しい仕組みの説明よりも、「太字にするには?」「紙面サイズを変えるには?」など、やりたいことを見出しで引けるので、簡単にLaTeXを使いこなせるようになります。〉とかいふ宣伝文句に惹かれてつい。共感覚の話は、上に書いたフォードの作品の資料として。もう遅いかも知れないが、役立つときが来るかも知れないので。オースティンの本は、Tooth And Clawの資料として。トロロープの本も欲しかったのだが、ほとんど翻訳がないといふことを初めて知って驚愕する。なぜだ。


12月25日(土)

 Eileen Kernaghan Winter on the Plain of Ghosts: A Novel of Mohenjo-daro(18US$, Neville Books, 6/2004)がamazon.comから届く。Amazon.co.jpではなぜか註文できない。どうしてこれを頼んだのだったか。確か、古代インダス川文明の失われた都を舞台にした話だったやうな気がする。

 今日は出勤したくなかったのだが、やはりやっておきたい仕事があるので少しだけと思って出ていってみたら、帰るのが予定よりも大幅に遅れてしまった。二次元電気泳動のゲルの結果を表示するPHPスクリプトには目処がついたからよかったのだが。

 昼夜兼用の食事を済ませ、風呂に入って、さてフォードに取りかからうと思ったところで、激しい腹痛に襲はれ、ぐったりする。痛い。もう休みたい。胃も痛くなってきた。寝てしまふかも知れない。


12月24日(金)

 bk1から、平山瑞穂『ラス・マンチャス通信』(1400円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1]と越谷オサム『ボーナス・トラック』(1500円+税/新潮社)[amazon.co.jp, bk1]が届く。面白さうだが、すぐには読めない。

 朝から晩までほとんどHTMLとCSSとPHPで終はってしまふ。疲れる。予定より帰るのが遅くなり、浮かれた若者たちが行き交ふ街を、苦々しい眼差しで睨みつけながら、誰もゐない家に帰宅。気分はすっかりスクルージである。寒々とした部屋でフォードを訳さうかと思ったが、心も寒々しいとろくな文章が書けないので、といふより、本当は疲れて気分が悪いのでもう寝ることにする。


12月23日(木)

 今日は妻の実家に行って、皆のあとについてただ歩いて食事をして(丸善丸の内本店に初めて行ってみた。綺麗だった)、夕方帰宅。羽田空港で飛行機を待つ時間にフォードを進めようと思ったのだが、TVが大きな声を流してゐるので、気が散って捗らない。窓際の人の少ない席にすわったのだが、右からはTVが、左からは何だか知らないが小泉首相が「ようこそ、Japan」とか云ってゐる。うるさいなあ。

 機内では、隣が空席か、あるいは隣席の人が熟睡してゐたら、フォードの翻訳をしてしまはうかと思って席に坐り、機内誌をぱらぱら捲ってゐると、機内で常時使用できない機器として「パーソナルコンピュータ」が挙がってゐた。日本航空では離着陸時以外は使っていいのに、スカイマーク・エアラインズではいけないのか。なぜだ。全日本空輸ではどうなのだらうか。何れにせよ、機内で仕事をしなければならないほど、切羽詰まってゐる人は、スカイマークは避けた方がいいかも。フォードは捗らなかったが、Tooth And Clawは五分の一くらゐまで読み進む。面白い、かも知れない。


12月22日(水)

 仕事は昼まで。家庭の事情で東京の妻の実家へ。空港で飛行機を待つ時間のフォードを訳さうと思ったが、眠くてなかなか進まない。機内ではTooth And Clawを読まうとするが、眠くてなかなか進まない。

 飛行機の客室乗務員が苦手である。大仰な笑みを浮かべて、飲み物はなににするかと聞いてカップに注いでくれたりするわけだが、どうもあれが苦手だ。うまく説明できないが苦手だ。眠ってゐれば、目覚めたときのために、起きたら読め!みたいな紙を貼っていく。毛布を配ったり、新聞を配ったり、土産を売ったり、子供におもちゃを配ったり、いちいち世話を焼かれるのが嫌ひな私はあれが苦手だ。つまり私は人と接するのが苦手なのだ。苦痛なのだ。とにかく、つらいのだ。仮令、それが若くて美しい客室乗務員の人たちであっても。

 今回初めてスカイマークに乗ってみた。席は話に聞いてゐたとほり、狭い。通路も狭い。が、そんなに困るほどでもない。客室乗務員の感じがいいのが嬉しかった。大仰でないのである。飲み物を小型ペットボトルを手早く配っていくうへに、おつまみまでくれる。さういふ作業を効率良く手早く、しかも無愛想にならずにしてくれる。私にとっては心安らかに乗ってゐられる飛行機であった。唯一の不満は機内誌が読むところが少なく、つまらないところだ。

 妻の実家で食事をして、そのあと、埼玉の私の家へ。ほとんど、アルコールを受け付けない状態になってしまってゐるのに麦酒を飲んでしまったせゐで頭痛が始まる。直ちに熱い湯に入って寝なければならない。といふわけで、フォードが全然捗らない。こんなことでは困る。


12月21日(火)

 昨日の夜と今朝もフォードを進めて、五分の四を越える。さすがに疲れるので、疲れない本が読みたいと思って手に取ったのは昨日届いたばかりの、中村うさぎ『愛か、美貌か』[amazon.co.jp, bk1]であった。この忙しいのに読み終へてしまった。面白かったからだ。前に、この頃は記述が分析的になってしまってつまらないなどと書いたが、本書でも分析的ではあるものの、それがほどよい加減にわかっちゃゐるけどやめられないといふ雰囲気を盛り上げてゐて、さらに、今までのブランド物の衣類や装飾品以外のものに範囲が広がったところも新鮮であった。

 bk1から、トマス・M・ディッシュ『アジアの岸辺』 (若島正編/2500円+税/国書刊行会)[amazon.co.jp, bk1]が届く。とりあへず、机の上の本の山の上にさらに積み重ねる。

 片山廣子/松村みね子『燈火節』(月曜社/5800円+税)[amazon.co.jp, bk1]を金光さんからいただく。ありがたうございました。少しページを捲ってみて、こんな素晴らしい本をいただいてしまっていいのだらうかといふ気分になってくる。年末年始の休みにはこれをゆっくり読みたいものだ(が、締切に遅れた翻訳に追はれてゐるかも)。

 いくら追はれてゐるとはいっても、一日中フォードの翻訳をやってゐる訳にはいかない。昨日今日は、朝から晩までPHPスクリプトを書いてゐて、頭が変になりさうだった(すでに変だといふ声もある)。二次元電気泳動のゲル画像のタンパクスポットをクリックすると、そのタンパクが何かが表示されるといふページを作らうといふのである。今年春まで担当してくれてゐた人が忙しくて作業が進まなくなり、気が短い私は四箇月ほど待ったあとに、それなら私が作りますと云ってしまったのだ。PHPの円を描く呪文を修得したりした。無闇に購入してゐるPHP関連の本も役に立つことはあるのだ。

 明日と明後日は家庭の事情で東京の妻の実家に行かねばならない。夜は埼玉の私の家に。今回も当然飛行機を待つ時間や飛んでゐる時間はフォードの翻訳である。電車の中ではちょっと難しいので、その間に読む本を選ばなければ。中村うさぎは読み終へてしまったから。早く決めなければ、今晩眠れなくなってしまふ。


12月20日(月)

 Amazon.co.jpから、The Definitive Guide to PloneTooth And Clawが、bk1から、『理系のためのMacで始める研究生活』[amazon.co.jp, bk1]、中村うさぎ『愛か、美貌か』[amazon.co.jp, bk1]、シオドア・スタージョン『時間のかかる彫刻』[amazon.co.jp, bk1]、村公宏『はじめての認知言語学』[amazon.co.jp, bk1]が届く。本を片づける時間がないので、机の上に未読本が積み上がっていく。目の高さを越えそうなので、そろそろ何とかしなければ。
 Macの本は全然期待してゐなかったのだが、なかなか役に立ちさう。検索のことでも知らないことはいろいろあった。グラフを描くソフトは予想通り知らないことが多かった。役立つ本を買ったときは、ちょっと嬉しい。全く役立ちさうになかったのは、やはりPloneの本。註文するときは、これさへ買へば新たな展望が開けて、別世界が見えるんぢゃないかといふ気分になって、欲しくてたまらなくなるのだが、届いた本を開くと、海よりも深く後悔してみたりする訳だ。英語でPloneの説明なんて、判ると思ってゐる方が変である。

 川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』[amazon.co.jp, bk1]読了。フォードに追はれてゐるので、せめて通勤電車に乗ってゐるときは、ゆっくりとした本が読みたいと思って、毎日読んでゐた本。220ページしかないのに、何日もかかってしまった。でも、ちょっと得した気分である。一日で読んでしまふと、損をしたやうな気になる本だ。

 昨日沢山進んだので、今日はフォードはお休みである。


12月19日(日)

 一日、フォード。フーガの作曲に関する記述が続いて、慌てて『バッハ事典』[amazon.co.jp, bk1]を引っ張り出してきてみたりして、〈フーガの技法〉を聴きながら懸命に進めたものの、四分の三を越えたところで力尽き、今日はもう寝ます。


12月18日(土)

 午前中は仕事に行ったり、昼過ぎから娘の学校に呼び出されてたりして、フォードに取り掛かれなかったが、やうやく夕方から専念できるやうになった。夜になって半分を越える。

 三分の一から半分までの道程は長い。十分の一から九分の一までの距離に比べるとあまりにも長く、どうにもつらくなってくることもあるわけで、さういふときは、五分の二とか、七分の三とかいふ目印を導入する。判りやすく書くと、n/(2n+1)といふことになる(nは2以上の自然数)。さうすると、半分に到達するまでの目印の通過はどんどん速くなってくるので気分がいい(あまり深く考へると、永遠に折り返し点に到達できないやうな気分になってくるので、考へすぎてはならない)。半分を越えたら、やはり三分の二までの道程は長い。そこで、同様にn/(2n-1)といふのを考える(nは3以上の自然数)。今度は、nはなるべく大きい数値から始めるとよいやうに思へるが、あまり大きい数値を取ると、計算ばかり大変になるのでほどほどにすべきである。二百万一分の百万といふやうな数値を選んでも、ほとんど原稿の枚数との対応ができないからだ。

 三分の二を越えたら普通はn/(n+1)でいいわけだが(nは3以上の自然数)、もっと短い間隔の道標を得ようと思ったら……、もう止めよう。こんなことばかり考へてゐると、翻訳が捗らないまま、時間だけが流れていくことになる。


12月17日(金)

 今日は職場の忘年会でほとんど翻訳はできずに終はる。毎年同じことを書いてゐるやうな気がするが、忘年会に出るのはこれで最後にしよう。

 Amazon.co.jpに本を註文。
The Definitive Guide to Plone (Apress, ¥3,888, 06/2004)
Tooth And Claw (Tor Books, ¥755, 12/2004)
 以上二冊。今度はPloneか。まったく、どうせ使へないだらうに。無駄遣ひになってしまふと判ってゐるのに。莫迦だから学習しないのだ。Tooth And Clawは世界幻想文学大賞受賞作品。

 Amazon.co.jpから本が届く。榎本滋民・京須偕充編『落語ことば辞典』(2,900円/岩波書店)[amazon.co.jp, bk1]、Kim Harrison Dead Witch Walking ($6.99, Harper Torch, 5/2004)、Jack Vance The Languages of Pao (I Books, $11.95, 8/2004)の三冊。

 疲れたので今日はこれで。


12月16日(木)

 朝、娘の弁当の用意に手間取り、仕事を始める前の翻訳ができず、今日は出足からつまずく。

 Amazon.comから、Circus Of The Grand Designが手に入らないといふメールが届く。残念。仕方がないので、Alibris.comに註文。本が$6.95で、送料が$7.49である。

 翻訳に追はれてゐても、通勤電車のなかでは読書ができる。といふわけで、マシュー・バトルズ『図書館の興亡』読了。図書館が焼かれる話が多いのに驚く。貴重な本は電子化して重要なものはコピーを世界に分散させておくのが安全だ。

 翻訳に追はれてゐても、本はいだたく。フリッツ・ライバー『死神と二剣士』(浅倉久志訳/900円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1]、ロビン・ホブ『騎士の息子(上・下)』(鍛冶靖子訳/創元推理文庫)上[amazon.co.jp, bk1]/下[amazon.co.jp, bk1]、エドモンド・ハミルトン『透明惑星危機一髪!/時のロスト・ワールド』amazon.co.jp, bk1]の四冊である。

 翻訳に追はれてゐても、本は買へる。bk1に以下の四冊を註文。
『理系のためのMacで始める研究生活』(880円+税/講談社ブルーバックス)[amazon.co.jp, bk1]
●中村うさぎ『愛か、美貌か』(448円+税/文春文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●シオドア・スタージョン『時間のかかる彫刻』(大村美根子訳/800円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●村公宏『はじめての認知言語学』(2200円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1]
 Macがどうしたとかいふ本は今年九月に出た本。見逃してゐたのか、忘れたのか。

 今日は職場の大掃除。帰ってきたら膝などの関節が痛くなってゐる。しかも、食事をしたら眠くなって仕方がない。この文章を書いてゐる間にも何度も睡ってしまふ。このあと、何枚進むだらうか。


12月15日(水)

 フォードの続き。今日は半分を越えられないかも知れない。しかし、眠いのでもう……。


12月14日(火)

 朝から一日フォードに専念……できる訳がない。午前六時に家を出て出勤、午後七時に帰宅するまでの13時間は翻訳はできない。残りの11時間を睡眠や食事やその他の雑用で分けあはねばならないのだ。
 三分の一を越えるが、半分には到らず。


12月13日(月)

 追ひつめられたやうな気持ちを静めるために本を註文。
●山田祥寛『今日からつかえるPHP5サンプル集』(3000円+税/秀和システム)[amazon.co.jp, bk1]
を一冊だけ。

 ジェフリイ・フォードの続き。五分の一を越えるが、四分の一に達せず。


12月12日(日)

 ジェフリイ・フォードの作品をプリントアウトしようと思ったら、実家のプリンタが動かない。出発の時刻になったので諦めて家を出る。電車の中で読み直さうと思ってゐたのだが。羽田空港では、搭乗開始時刻まで一時間以上あったので、PowerBook G4を出して、フォードの翻訳。飛行機に乗って、離陸してからフォードの翻訳。いつもなら睡ってしまふのに今日は眠くならない。そこまで追ひつめられた状況なのだ。福岡に着いて、家に帰って、フォードの翻訳。八分の一くらゐは終はりさう。もしかすると当初の締切に間に合ふかも知れません、Sさん、Kさん。

 こんなことを書いてゐると、ダンセイニの方が止まってしまってゐることがばれてしまひ、Oさんは怒るだらうか。どうして私はこんなことを逐一記して公開してゐるのだらうか。この日記の存在が不思議に感じられるのはこんなときである。

 早川書房からロバート・アスプリン『今日も元気に魔法三昧!』(矢口悟訳/600円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1]が届いてゐた。どうもありがたうございました。短いんで、読んでみようかなと一瞬思ったのですが、今はフォードを何とかしなければなりません。しばらくは、フォード進捗状況報告日記になるかも。その後は、ダンセイニ進捗状況報告日記か。情けない。


12月11日(土)

 朝からダンセイニの翻訳に勤しんだあと、夕方から出かけて、ある忘年会へ。ここでしか逢へない人たちがゐるので、私にとっては大事な忘年会である。私はあまり喋らない方なので、ぼんやり時を過ごしてしまったりすることもあるのだが、それでも特に後悔はしない。ところが、今年はぼんやりした気分を吹き飛ばす衝撃的な事実を告げられてしまった。SFマガジンの締切をどうやら私は一ヶ月勘違ひしてゐたらしいのだ。締切まであと三週間しかないのである。直ちに店を出て走って帰らうかと思ったが、何しろ一年に一度しか逢へない人たちの会なので、もう少し残ることにした。でも、例年よりは早めに帰宅。とりあへず、電子テキストをダウンロードして明朝から取りかからねば。

 この忘年会では本欄を読んでくださってゐる方が多くて、そこで云はれたことは、
1、買ひものしすぎである。
2、痩せすぎである。
 やはり買ひものしすぎなんだらうか。皆が云ふからやはりさうなのだらうか。痩せすぎは、判ってゐる。数ヶ月ぶりに会った母にも痩せたのではないかと云はれた。他人に云はれるくらゐだから、親の眼は誤魔化せない。体重を測ってゐないから知らないと答へておいたが、実は減ってゐる。


12月10日(金)

 昼過ぎまで分子生物学会。頭の中がネットワークとかパスウェイとか立体構造とかで一杯になってゐるので、建物の入口の〈Welcome〉という言葉を見ても新しい〈〜ome〉かと思ふくらゐである(Genome、Proteomeのたぐひ)である。

 新幹線に乗って東京へ。東海道新幹線に乗るのは実に久しぶりだ。早速ダンセイニの翻訳に取りかかるがたちまち眠気に襲はれてしまふ。なんといふことだ。しばらくうとうとして、目が覚めたところで、『乱視読者の新冒険』[amazon.co.jp, bk1]を読み始めてしまった。すると目が冴えてきた。なんといふことだ。名古屋を過ぎた辺りから、隣に坐ってゐる男が聴き始めた音楽がヘッドホンから漏れてきて甚だ不愉快であった。煩いと注意してナイフで刺されたりしては大変なので我慢して読み続ける。品川を過ぎたあたりで読了。面白かった。読書は冒険であるといふことがよく判った。しかし、私にはかういふ冒険はできないと思って少し気分は沈む。なんかかう、外国へ行って、言葉も情報もなくホテルの周りを歩くことくらゐしかできない自分に比べて、言葉も状況もすっかり判ってゐてあちこち出かけていっていろいろなものを見てきている人をみて羨ましいなあと云ってゐるやうな心境である。まあ、人の冒険談を読んだと思へば、自分にできない冒険を追体験したといふ意味はあるだらう。自分の読書は自分なりにちまちまと歩き回るくらゐのことしかできないが、それはそれで私なりの冒険ではあるのだらう。


12月9日(金)

 やはり昨晩はダンセイニの翻訳は予想通り捗らなかった。

 話は変はるが、移動したホテルの部屋には体重計があったので、乗ってみた。59kgだった。体重の減少は止まらないのか。止まったのか。よく判らないが、過去の経験からこれ以上減るとちょっと具合が悪いことは判ってゐる。

 ダンセイニは捗らないが真面目に学会に出て、夕方はアップルコンピュータのセミナーにも。興味深いことはたくさんあるが、こちらの頭も躰も一つしかないのでとても追いつけないのが残念。といふことで、今日は一行も進まず就寝。


12月8日(水)

 月夜野凛子『ウェブクリエイターのハローワーク』を読みながら博多駅へ向かひ、〈のぞみ〉が発車するときには半分近くまで読んでしまってゐたので、そのまま読み続け、広島に着く頃には読み終はった。面白かった。文章が楽しく、人を面白く描いてゐるので、飽きることがない。一箇所、所謂「ら抜き言葉」が出てきたときには気分が沈んだが。しかし、ウェブクリエイターといふ人たちの過酷な労働環境と悲惨な衝撃的である。一昔、翻訳家が若い女性のあこがれの職業だった頃、同じやうな勘違ひをしてゐる人たちの話を耳にしたことがあるが、何でも楽な仕事はないのである。きっと。
 マウスを使ひすぎると腕が痛くなるといふのは当たり前のことらしい。私は利き腕ではない左手にマウスやトラックボールの操作を割り当てて右手の負担を軽減してゐるが、いつかはあのエルゴレストといふのを使った方がいいのだろうかとこの本を読んでまた思った。

 本も読み終へダンセイニの翻訳を進めようと、新幹線の車内でPowerBook G4を起動してしばらく仕事をしたつもりになってゐたが、気がつくと眠ってゐた。無駄にバッテリーを消耗させてゐるだけだと気付き、PowerBook G4を鞄に入れたら、目が冴えた。

 神戸に着いて、分子生物学会の会場へ。事前予約をしてゐないので、プログラムを初めて手にするといふ状態で状況が把握できないといふことで、機器展示場に入り浸る。アップルコンピュータの所にも行ってみたりする。

 疲れてゐるので、少し早いがホテルへ行って休まうと思ってホテルの受付で名乗ると、今日は部屋で問題が多発して、泊れる部屋が足りなくなってしまひ、申し訳ないが、別のホテルへ行ってくれないかといふ。宿泊代の差額はもちろん不要であるし、そのホテルへは連絡済みでこれから車を手配して連れていくから、それで許してくれないかと云はれ、ここで駄々をこねても仕方がないので諒承すると、車で学会場へと連れ帰された。私が予約してゐたホテルよりも大きくて部屋も広いし、何しろ学会場だから学会参加には便利だ。しかし、私は大いに不満である。私は道や方向を覚えるのが極めて不得手である。大きなホテルだと道に迷ふ。今ゐる部屋へは、若くて綺麗なお姉さんが案内してくれたのはいいのだが、自分で道筋を確認しながら来てゐないので、明朝ホテルを出る道を辿る自信がない。

 とにかくダンセイニを少しでも進めてから寝るとしよう。

 この日記を自宅サーバに送らうとしたら、F-accessが携帯電話機に接続しても動かない。どうしたんだ、死んでしまったのか。出張に備へて充電はたっぷりした筈だ。接続した瞬間に二秒ほど点灯する表示が死んだ昆虫の目のやうである。明日、学会場の無線LANに繋ぐことにしよう。これはなかなか便利なので、生化学会でも来年からは是非導入していただきたい。


12月7日(火)

 bk1から、エリアス・カネッティ『眩暈』[amazon.co.jp, bk1]、川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』[amazon.co.jp, bk1]、『「読者」の誕生』[amazon.co.jp, bk1]、月夜野凛子『ウェブクリエイターのハローワーク』[amazon.co.jp, bk1]が届く。
 本を机の上に並べて考へる。いや、別に本を買ってしまったことを反省しようといふわけではない。明日からの出張にどの本を持っていかうか考へるのである。一冊目と三冊目は重過ぎる(物理的にも内容的にも)。二冊目は軽過ぎる(中身はよいのだが、ページ数が少ないのですぐに読み終はってしまひさう)。四冊目がちゃうどよいか。内容はわざわざ机に向かって読まうといふ感じではないので列車の中で読むのによささうだ。だが、これだけでは足りない。
 昨日届いた『乱視読者の新冒険』[amazon.co.jp, bk1]も列車の中で読みたい気分である。しかし、読みかけの『図書館の興亡』[amazon.co.jp, bk1]も捨てがたい。とはいふものの、三冊も持って出かけるのは重過ぎるのではなからうか。どうしよう、明朝までに決めなければ。PowerBook G4も持っていって、新幹線の車中ではダンセイニに取り組む予定なのであまり本は読めない筈なのだが、しかし、本は余分に持ってゐないと不安でもある。どうしよう、明朝までに決めなければ。

 Amazon.co.jpから『古今亭志ん生名演集(28)』が届く。iPodでも持ってゐれば、これを録音して出張するといふ手もあるのだが、生憎さういふ機器は所有してゐない。

 Locus 11月号が届く。明日からの出張の準備をしなければならないので、読む暇がない。とにかく本を選ばなければ準備が始まらない。


12月6日(月)

 蔵書の管理について考へる毎日なので、マシュー・バトルズ『図書館の興亡』[amazon.co.jp, bk1]を読みながら出勤。帰りには丸善に寄ってMacPower 12月号を確認。バーコードリーダの記事があるらしいので、立ち読みしてみると何と蔵書管理についての記事だった。その人は自分で蔵書管理のプログラムを作ってしまってゐるが、私にはそんなことはできない。その記事ではバーコードリーダが届いてみると意外な落とし穴があったのだが、それは次号でと書いてあったので今号は買はなかった。どんな落とし穴なのか。私は確実なところで、Books for MacOSXKANESCAN CCD Barcode Scannersにしてみようか。
 どうもあちこちで、蔵書管理ソフトを作り出したやうな気がしてしまふ。やはり、どこの家でも増え上がる蔵書に困ってゐるといふことだらう。はやく微細なICチップ入り書籍とチップ読み取り装置付き蔵書管理書架が販売されて欲しいものだ。

 bk1から、若島正『乱視読者の新冒険』(2,400円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1]が届く。面白さうなので、明日からこれを読まうか。

 昨日、このページのフォントサイズを10ポイントにしてみましたが、小さ過ぎるでせうか。実はWindows 2000(しばらく起動できなかったのですが、メモリを挿し直してみたら、復活した)のInternet Explorerでこのページを見てみたら妙に字が大きかったのですね。で、10ポイントを指定してみたといふわけです。


12月5日(日)

 一昨日、David Henry WilsonのThe Coachman Ratといふ本をalibrisに註文したことを書くのを忘れてゐた。本の値段が$2.95で送料が$7.95。この本は、イギリス版とドイツ版を持ってゐて、アメリカ版も持ってゐたのだが見つからないので、再度註文。

 昨日、イアン・ワトスン『エンベディング』amazon, bk1]を読み終へたことを書くのを忘れてゐた。面白さうだったのだけど、突然、殺したり壊したりして強引に何もなかったことにしてしまったやうで、最後は物足りないし、結局、言葉の構造の埋め込みがどんなふうに世界の埋め込みと関係してゐるのかがよく判らなかった。

 新刊備忘録を作ってみたけれど、どうも使ひにくい。本が出る二箇月前くらゐに情報が入ってそれを記載すると、本が出る頃にはずっと前の方に項目があって、書き換へても昔の場所にあるままで、本当は最新情報として手前にやってきて欲しいのだ。でも、本来はこれはblogを作るためのものだから、書き換へただけで、最新の日付に変はったりしたら困る訳だ。自分で作らうかなと思ふ今日この頃。ダンセイニが終はったら作ってみよう。
 そんなことを考へてゐたら、気がつくとなぜかPlone2.0.4をインストールしてゐたりするのだった。MacOSXのインストーラは必要なものは何でもお任せでインストールしてくれるのはいいのだが、一体何がどこにインストールされたのだらうか。Zopeもインストールされたはづなのだが、一体どこに? 探してゐるうちに、あやふくZope関係の本を註文しさうになってゐるのに気づき、慌てて註文ボタンを押しさうな指を止めた。


12月4日(土)

 bk1から『コーパス言語学の技法2』[amazon.co.jp, bk1]が届いたことを書くのを忘れてゐた。木曜日に届いたのだった。この巻はかなり実践的なことが書いてあって役立ちさうだったのだが、中を読んでみたら、最初から最後までWindowsを想定した記述になってゐることに気づいてしまった。

 Amazon.co.jpに、『古今亭志ん生名演集(28)』を註文。和書には使へないギフト券があったので、娘にDVDを註文してやって、その残りで。複数のギフト券があるときに、どれから使ふのか指定するのが難しい。複数のギフト券のうち一つだけを使って、足りない金額をクレジットカードで払ふといふのができないやうだ。まあ、いいけど。志ん生名演集を買ふのは久し振りだ。これは全部揃へておきたいのだが。

 蔵書管理について考へる毎日である。考へてみれば、本にICタグをつけて本を管理するなんていふのは図書館ではすでに導入してゐることで、貸し出し手続をせずに持って出ようとすると出口のところで警報がなってしまふのは、さういふシステムのせゐだ。といっても、あれを個人の家で導入するのは大変だ。それにタグが大き過ぎる。あんなみっともないものは貼れない。やはり気づかないくらゐの微細なチップでないと、本が醜くなって困る。
 といふ訳で、ICタグは今は諦めて、バーコードで入力ができる蔵書管理ソフトを探してBook Tracker X 1.0とかBookTracker 1.3.0を見つけた(たまたま今日、公開されたりアップデートされたりしたのだ)。しかし、ふと気づくとすでに持ってゐるBooks for MacOSXがバーコードリーダ対応で、しかもフリーウェアだったのだ。どんなバーコードリーダ(バーコードスキャナ)でもいいのだらうか。よく判らない。「iSightでもバーコードが読めるぞ!」みたいな記事も載ってゐたが、とりあへず私には関係ないので、安いバーコードリーダが欲しいところだ。
 しかし、さうやって簡単に入力が出来て、蔵書データが蓄積できると何かいいことがあるだらうか。書棚の場所までは示してくれないから、結局探しまはるのは変はらないやうな気がする。あるかないかは判るだらうが。さうやって作った蔵書データを外から閲覧できるやうにしておけば、同じ本を二冊買ったりしなくていいといふ利点はある。どうかなあ、いいことがあるだらうか。


12月3日(金)

 また本を買ってしまった。もうくよくよしながら本を買ふのはやめよう。どうせ買ふのだから。破滅するまで買ひ続けよう。本を買って読むために生きてゐるのだから、それを我慢するのなら生きてゐても仕方がない。もちろん、命を維持するだけの余裕を残さずに本を買っては困る訳だが、それくらゐの計画が立てられないほど莫迦ではなからうと自分では思ってゐる。

 といふことで、bk1に本を集める主人公が出てくる本を含めて四冊註文。
●エリアス・カネッティ『眩暈』(池内紀訳/4500円+税/法政大学出版局)[amazon.co.jp, bk1]
●川上弘美『ゆっくりさよならをとなえる』(400円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1]
●香内三郎『「読者」の誕生』(4200円/晶文社)[amazon.co.jp, bk1]
●月夜野凛子『ウェブクリエイターのハローワーク』(1,150円+税/毎日コミュニケーションズ)[amazon.co.jp, bk1]
 カネッティの本は、オンライン書店の内容紹介に蒐書狂のことなど出てこないが、主人公は遺産のほとんどを本を買ふのに使ってしまった40歳独身男である。私は年齢は近いが、遺産はないので蔵書に注ぎ込んだりしてをらず、独身でもない(だから何だ。何が云いたいんだ)。川上弘美の本、最近は小説は読まなくなってしまったのだが、エッセイの類ひは読みたいと今でも思ふ。といふことで註文だ。最後のは、前から「女性の憧れの職業」とやらになってゐるウェブクリエイターのことを知りたかったから。

 岩波書店の〈アクティブ新書〉が12月で終刊となるらしい。理由は売り上げがふるはなかったからだらう。実は私も一冊も買ったことはないのである。最後の刊行は伊達淳一『はじめてのデジタル一眼レフ』だらうか。

 紀伊國屋書店のホームページが一新されてゐた。確かに今まで見づらかった。電子書籍のダウンロード販売や、絶版品切れ文庫本も販売を始めるといふ。


12月2日(木)

 bk1
●若島正『乱視読者の新冒険』(2,400円+税/研究社)[amazon.co.jp, bk1]
を註文。

 うう、眠いので、けふはこれで。


12月1日(水)

 Amazonスキャンサーチに関するニュースをこことかここで読んだ。NTTドコモのカメラ付携帯電話で書籍のバーコードを認識させると、その商品の情報がAmazon.co.jpのデータベースから呼び出されてくるといふ仕組みのやうだ。本屋で商品をスキャンして、註文はアマゾンなんてことをされたら困るではないかといふ問題についてはここでは置いといて、自分の本の在庫管理にも使へるのではないかといふことについて記したい。いくら優れた蔵書管理ソフトがあっても、一番の問題は日々膨れ上がる蔵書の情報を入力する手間が足りないといふことで、そんなことが簡単にできる程度の本しかなかったら、そもそも蔵書管理ソフトを使ひたいなどとは思ふまい。バーコードをスキャンして読み込んでいけば、これは楽だ。問題は、バーコードが印刷される前の本には使へないといふことだが、まあ、近年の新刊書には対応できよう。最大の問題は、私がこのAmazonスキャンサーチ利用可能機種を持ってゐないこと。
 私のやうな電話嫌ひのためには、Chronopathといふアメリカの会社が作ってゐる、Chronopath LibraryとChronoscanがいいかも知れない(何箇月か前に三田村さんといふ方が教へてくださった)。バーコードリーダで蔵書管理ソフトに情報を送り込むといふ仕組みが作れるのだ。このChronopath Libraryが日本のアマゾンに対応してゐるのかどうかが判らない。それから、このバーコードリーダが180ドルもするのが気に入らない。バーコードリーダは何でもいいのだらうか。
 誰でも、毎日の探し物のほとんどは、どの棚に収められてゐるのか覚えてゐない本を見つけることではないだらうか。この問題が解決できれば、もっと有益な仕事に使へる時間が増える訳で、国民全体で考へたら、日本の生産性が飛躍的に上昇するに違ひない。

 真剣に購入を検討してみたくなってきた。


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