12月31日(月)

 昨日はこの日記を書くのを忘れてしまった。

 妻に頼まれた本をAmazon.co.jpに註文するついでに、Ubuntu Magazine Japan 2013年 1月号を註文した。Ubuntu 12.10をインストールしようと思ってファイルをダウンロードしてみたら、今はCDには入らなくてDVDでなくては収まらないと判り、DVDの空のディスクを買ふまで待つのが面倒くさくて、インストーラーが付録でついてゐるのを買ってしまったのだ。註文してから、32bit版なのか64bit版なのか気になって仕方がなくなり、今夜は眠れさうにない。大晦日だといふのに。

 この一年で和書を250冊、洋書を74冊購入した。去年より少し増えてしまった。が、2010年よりは少ない。そして、2008年よりは多い。ただし、2008年は和書を239冊しか買はなかった代りに洋書を112冊購入してゐる。何があったのだらう。裁断して電子化したのは226冊。昨年の773冊に比べると激減。二年で千冊だからまあいいか。しかし、書棚は全然空いてゐない。

 SFマガジンの原稿を書いて送信。年末年始の休み明けが締切りである。年明け締切りのもう一つの原稿は明日にしよう。

 原稿書かなくてはならないはずなのに、法条遥『リライト』(早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読んでしまった。怖かった。こんな怖い話だとは思ってゐなかった。もっと爽やかな学校小説かと思ったのに。タイムパラドックスの解決も強引で残酷。驚いた。


12月29日(土)

 今日からしばらく出勤しなくていいので、映画館へ行って「ホビット」を観てきた。ホビットってこんな派手な話だったかと思ひながら観る。冒頭で、ビルボの住まひにドワーフたちがやってきたときに食べようとしてゐたのが焼き魚だといふことに衝撃を受ける。魚っていふのはゴクリが喰ふものではないのか。原作ではお茶の準備をしてゐたときで、食べようとしてゐたのは菓子だったはず。そして、エルフの食事が野菜ばかりで不満なドワーフたちに共感する。肉はないのか。
 あと、柳下毅一郎さんも書いてゐたが、ガンダルフがガラドリエルに手を握られてどぎまぎしてゐるのは何なんだ。イスタリのくせに。原作にはそんな場面はなかったと思ふが。
 でも、面白かったので、『インクリングズ』も少し売れてほしい。

 映画館はがらがらだった。220席程のさほど大きくはないところなのだが、20人くらゐしか客が入ってゐなかったのではないだらうか。大丈夫なのか、こんなで。

 Amazon.co.jpから法条遥『リライト』(早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。

 映画から帰ってきた頃から頭痛が始まる。昼食後寝たのだが痛みは激しくなる一方。吐き気も強まりたうとう昼食も全部戻してしまった。風呂に入るが、頭痛の始まりのときに入ると抑えられるのだが、ここまで来るとどうにもならない。さらに苦しみ続ける。娘が頭痛薬を飲めと云ふので30年ぶりくらゐに薬を飲む。それが効いたのかどうかは判らないが(嘔吐後しばらくして頭痛は治まることが多い)、その後は眠れて、夜10時頃には回復。やれやれ。


12月28日(金)

 今朝もやや寝坊気味で家を出た。数十メートル歩いたところで、コートの左の内ポケットにKindle Paperwhiteが入ってゐないことに気がついた。どうするか。家に戻ってKindle Paperwhiteを取ってくるか、このまま駅に行って電車に乗るか。戻る時間が勿体ないのでやむなく電車に乗った。予定とは違ふが右の内ポケットから Kindleを取り出してプラチェットを読み始めた。二つ持ってゐてよかった。コートをなくしたら、鞄の中に旧Kindleが入ってゐるからそれを読めばいい。しかし、コートをなくす状況で鞄を失はずにゐられるとは思へないが。

 Amazon.co.jpから、奥泉光『虫樹音楽集』(集英社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]と高岡詠子『シャノンの情報理論入門』(講談社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。『リライト』は明日。

 福岡の葦書房から、松葉一清『ポスト・モダンの座標』(鹿島出版会)が届いた。梵寿綱に関する記事が目当て。「装飾の復権」といふ僅か七ページの記事である。そのうち二ページは写真なので、文章は少ない。向台老人ホームに関する内容である。もっとたっぷり語ってくれればいいのに。他に、Brutusの「乳房の時代」といふ特集に梵寿綱関係の記事が入ってゐることは判ってゐるが、今のところ確認できて註文してゐないのはそれくらゐ。短い記事が多いので、雑誌の号の特定などが少々難しい場合が多い。


12月27日(木)

 辨野義己『大便通』(幻冬舎新書)を読む。腸内細菌の話。善玉悪玉とさう単純に分けられるのかなとは思ふが、腸内細菌叢と健康の関係は興味深い。最後の方の、個人の一回の体験を一般化して健康にいい悪いを断定してはならないと警告してゐるのは健康改善好きな人への重要なメッセージだと思ふ。しかし肉が悪い悪いと云はれるのはあまり楽しくない。肉が好きで肉ばかり食べてゐるから。肉を美味く食べるために野菜も摂ってはゐるのだが。ところで、驚いたのは週末排便派の人たちの話。週末まとめて下剤で出すとか。そんなことがあるとは。

 久しぶりに本を一冊電子化。
◆和田秀樹『東大秋入学の落とし穴』(小学館101新書)
◆辨野義己『大便通』(幻冬舎新書)
 今年八月に買った本。今年の電子化はこれが最後だらうか。後半失速し、全然処理が進まなかった。しかし、これからは電子書籍の購入が増えて、本の重量の増加は緩やかになると期待してゐる。

 Amazon.co.jpに本を註文。
●奥泉光『虫樹音楽集』(集英社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●法条遥『リライト』(早川書房)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●高岡詠子『シャノンの情報理論入門』(講談社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
以上三冊。紙の本の註文は今年はこれで最後だらう。見逃してゐた本、皆が褒めてゐることに気付いた本、そして新刊書。

 来年の花や野菜の準備をそろそろ始めようかと思ひ、サカタのタネのオンラインショップに朝顔「暁混合」、タイム、スイートマンモスバジルの種、そして花用の土20リットルを註文。朝顔の専門店で五粒数千円するものを買はうかと思ったのだが、あまり朝顔にかけられる時間もないだらうと思ひとどまり、小学生でも育てられさうな暁にした。


12月26日(水)

 King Fotopro 軽量コンパクトアルミ三脚(4段) ブラック DIGI3400 79493が届いた。もっと安っぽいものかと思ってゐた。ただ、私は写真機用の三脚のことなど何も知らないので、十分安っぽいのかも知れないが。これでいろいろ写真を撮るかどうかはまだ判らない。

 スマリヤン『哲学ファンタジー』(丸善)を読み始める。面白い。シンポジウムの場面で始まるのだが、同じやうな形式の『理性の限界』よりも難しい。第3章の「さまざまな断片」はパラドックスを含む言葉がたくさんあって、さういふのが好きな私はもう嬉しくて仕方がない。「迷信は悪運を呼ぶ」とか「偏見を受けたことがなければ、偏見を理解できるわけがない」とか「自分は双子座だからそんなもの(星占い)は信じない」など。

 面白いのだが、どこがファンタジーなのかはよく判らない。


12月25日(火)

 相変はらずジーン・ウルフを読んでゐる。他に特に書くこともなく、一日を過ごす。キリスト教徒ではない私にとっては特に今日は祝ふべき日でもなく、ただ合鴨の丸焼きは食べたいから食べた。その後、泥棒成金なる映画を観る。昔、映画館で観たことがあったので、大体のところは覚えてゐるが。意外に短くて単純な話であった。ヒッチコックがバスで隣に座ってゐるところとか、目玉焼きに煙草を突っ込むところとか、覚えてゐるとほり。それにしても、古い映画を観ると、みんな頻繁に煙草を吸ってゐる。臭いだらうなと思ふ。

 今年も残り少ない。この一年私は本をどれほど読んだだらうか。しっかり読んだだらうか。来年はもっと読めるだらうか。もっとしっかり読めるだらうか。


12月24日(月)

 短篇のゲラをpdfで送信。25日が締切りだったのだ。送信してから外出したのだが、帰ってくると返事が来てゐた。祝日(の代休)なのに出勤してゐるのだらうか。祝日(の代休)なのに仕事をしてゐるのだらうか。まあ、自宅でメールを読んで返信したといふ可能性もあるが。
 しかし、何度読んでもいい話である。訳文以外は完璧である。

 ゲラを送ってから、立教大学のクリスマス・イヴ礼拝へ。信仰心の欠片もないのにこんなことをしていいのだらうか。ほとんど毎年のやうに参加してゐるのである。毎年演出が派手になってきてゐるやうな気がする。今年は去年とあまり変はらないけれど。

 電車の中では相変はらずジーン・ウルフを読んでゐる。やうやく4分の1。

 今日も何枚か写真を撮ったのだが、私は手が震へる方なので実は撮影が苦手である。この頃のデジタルカメラは優れてゐて手ぶれ補正機能などがあって震へる手の持ち主である私でも何とかなるやうになった。いい時代である。しかし、暗いところだとか、シャッタースピードを遅くして撮影したいときなど、やはりこの手では震へが支障となることもある。そこで、三脚なるものを買ってみようと思った。値段を調べてみると簡易タイプは安いではないか。Amazon.co.jpでKing Fotopro 軽量コンパクトアルミ三脚(4段) ブラック DIGI3400 79493を註文してしまった。1240円である。安い。本の撮影にも便利だらうか。

 別館の梵寿綱建築巡りを更新してゐるのだが、なかなか捗らない。


12月23日(日)

 私が読んでゐるのは、Gene Wolfe The Knight (Gollancz 2005) [Amazon.co.jp]であってThe Wizardではなかった。数日前に間違へたことを書いてしまったやうだ。恥づかしい。

 実家から本を何冊か連れて帰ってきた。
『刑事コロンボ4 死の方程式』(二見書房/昭和48年)
『刑事コロンボ6 ホリスター将軍のコレクション』(二見書房/昭和48年)
・バーネット『小公女』(岩波少年文庫)
・畑正憲『続々 ムツゴロウの博物誌』(文春文庫)
・畑正憲『続 ムツゴロウの博物誌』(文春文庫)
・畑正憲『ムツゴロウの博物誌』(文春文庫)
・畑正憲『ムツゴロウの青春期』(文春文庫)
 以上7冊である。本がかなり傷んでゐる。手に取って可哀想になるくらゐ。コロンボは内容をまったく覚えてゐない。昭和四八年といへば小学生ではないか。仕方がない。

 SFマガジン2013年2月号をご恵贈賜りました。ありがたうございました。今号は日本作家特集。横山三英、宮内悠介、藤井太洋、オキシタケヒコ。


12月22日(土)

 紀伊國屋書店から、宮脇孝雄『英和翻訳基本辞典』(研究社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ガイ・ドイッチャー『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』(椋田直子訳/インターシフト) [amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ズザンネ・ゲルドム『霧の王』(遠山明子訳/東京創元社) [amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』は、サピア・ウォーフ的な話なのだらうか。序文を読むと、サピア・ウォーフの後遺症でその手の話は検討の余地もないやうな態度を取る者が多いが敢て本書ではそこに踏み込むといふやうなことが書かれてゐるので、期待して読みたい。

 日本の古本屋で検索して、福岡の葦書房に、
●松葉一清『ポスト・モダンの座標』(鹿島出版会)
を註文する。梵寿綱関係の文章が入ってゐるのである。

 梵寿綱建築を見学したときの写真を整理しながら別館の方で紹介する。まだまだたくさん残ってゐる。


12月21日(金)

 薬師院仁志『日本語の宿命』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。日本人が社会科学で扱ふやうなことを理解できないのは、翻訳語によって日本に導入されたさまざまな概念を理解できないからなのだといふ内容。民主主義とか市民とか共和制とか。しかし、まあ俄には信じられないわけで、それなら東洋人は皆理解できないことになるし、一方西洋人だからといって皆がラテン語にまで遡る語源と言葉の歴史を認識してゐるとも思へない。個々の言葉の歴史や翻訳過程での意味のずれなどはどれも興味深いから面白くはあるが、それがすべて日本人の社会観を規定していると云はれてもそんなに納得はできない。簡単にいふと、あまり面白くなかったのである。

 明日からまたジーン・ウルフに戻らうか。


12月20日(木)

 鈴木翔『教室内カースト』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読む。前からときどき見かけてゐた言葉ではあるが、何となくぼんやりと認識してゐたのがだいぶはっきり判ってきたやうな気がする。教室はしっかりランクづけされた階層に分かれてゐて、通常はその間にほとんど交流がなく、一度形成されると移動はほとんどない世界らしい。私が中高生だった頃には確固たるスクールカーストはなかったので、感覚としては実はまだよく摑めてゐないのだが。そして、何より驚いたのは、スクールカーストの存在を知ってゐて、それを否定しない高校や中学の先生たちである。スクールカーストでの位置は、生徒のコミュニケーション能力によって決まるとか、生徒のリーダー性によって決まるとか、低いところにゐるものは能力や資質に劣るところがあるのだから当然であるといふ考へである。将来仕事にうまくいかないんぢゃないかとか余計なことまで心配してくれる。かういふ時代の中高生でなくて本当によかった。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●宮脇孝雄『英和翻訳基本辞典』(研究社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ガイ・ドイッチャー『言語が違えば、世界も違って見えるわけ』(椋田直子訳/インターシフト) [amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ズザンネ・ゲルドム『霧の王』(遠山明子訳/東京創元社) [amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 以上3冊。

 研究社といへば、EPWINGの電子辞書をもう4年も出してゐない。もう無理なのだらうか。欲しいのだが。

 この文章はMarkdownエディタであるMouを使って書いてみてゐる。簡単なマークで書いた後、html形式やpdf形式で出力してくれる。なかなか便利なやうな気がするが。果たしてどうなのだらうか。しばらく使ひながら様子をみよう。でも、これくらゐならhtmlを直接入力する方が簡単なのではないかといふ気がしてならないのである。


12月19日(水)

 紀伊國屋書店から、薬師院仁志『日本語の宿命』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]と鈴木翔『教室内カースト』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届く。『教室内カースト』は解説の名前がどうしてこんなに大きいのか。ごく短い解説なのに。判らないでもないが、裏表紙の著者紹介欄にまで著者と並んで同じ大きさで載ってゐるのが何だか妙な感じである。明日からこれを読まうか。ジーン・ウルフを読んでゐる途中だといふのに。

 机の上に本が溜まってきた。読まないまま書棚に収める本を選ばなくてはならないときが近づいてきたやうだ。本の山に目を向けると、そっと目を逸らして下を向く本の気配を感じてしまふ。それでも、選ぶ。心を鬼にして選ぶ。そっと手を伸ばし、いつかきっと読むからと云って、約束するからと云って、書棚に静かに並べるのだが、本は、さう云はれて後に読まれた本がほとんどないことをよく知ってゐる。どうせ読む機なんてないのだらうと罵る本もあれば、信じて待ってゐると囁く本もある……といふやうなことを想像しながら机の上の本の山を減らす。


12月18日(火)

 今日もウルフを読みながら出勤。あまり進まない。他に書くこともなく。マリオ・ラボチェッタの挿絵入りの本を買ふべきかどうか少々悩んでみたりするだけで結局買ふこともできないまま何日も経つ様子からおそらく今年中には註文することもできないのだらうと思ふと些か情けないやうな気がしないでもない。しかし疲れたので今日はもう寝る。


12月17日(月)

 R・スマリヤン『哲学ファンタジー』(高橋昌一郎訳/丸善)をやうやく手にした。少しページを捲ってみれば、シンポジウムが開催されて登場人物たちが議論をする形で話が進んでゐるではないか。『理性の限界』等は、この形式に倣ってゐたのか。果たしてこれは面白いのだらうか。果たして私はこれを読むのだらうか。

 ジーン・ウルフのThe Wizard (Gollancz 2006) [Amazon.co.jp]を読んでゐたら、
○Michael Andre-Driussi The Wizard Knight Companion (Sirius Fiction) [Amazon.co.jp]
が欲しくなってKindle版を購入。ジーン・ウルフの本を読むときは面倒くさいのだ。何しろ語り手が信用できないのだから仕方がない。

 ここ数日でまた円安が進んだので、Kindleストアの洋書の価格に日米差がなくなるか、あるいは日本で買ったほうが安い場合もでてきたやうだ。わざわざ残してきたアメリカアカウントの活躍の場面がなくなってきてしまった。


12月16日(日)

 手荷物検査ではiPadを鞄から出すかどうか迷ってゐるうちに、Kindleをポケットから出すのを忘れゲートで引っかかる。そのKindleでジーン・ウルフを読まうと思ってゐたのだが、前方の席から響く鼾が気になって読み続けることができなかった。赤ん坊の泣き声には耐へられるのだが、鼾には弱いのだ。

 学会場の書籍販売で、
『次世代シークエンサー 目的別アドバンストメソッド』(秀潤社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
を購入。学会場の書籍販売では割引販売になることが多いのだが、割引はまったくなかった。まあ、いいけど。

 といふやうなことを書いたのが、一昨日消えてしまったときのがっかり度が大きすぎて、翌日は更新できず。それにしても、iPadでの入力は実にやりにくい。旧仮名も書きにくい。使い方を再検討した方がよささうだ。

 学会から帰ってくるとナイトランド第四号が届いてゐた。定期購読を更新しなければ。どういう手順ですればいいのか。

 マーセデス・ラッキー『帝国の叛逆者』(山口緑訳/創元推理文庫)[上:Amazon.co.jp/下:Amazon.co.jp]をご恵贈賜りました。ありがたうございました。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●薬師院仁志『日本語の宿命』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●鈴木翔『教室内カースト』(光文社新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
光文社新書二冊である。

 帰りの飛行機では鼾はまったくなかったが、眠気に勝てずほとんど本が読めなかった。やれやれ。


12月14日(金)

 紀伊國屋書店から、種村季弘『書国探検記』(ちくま学芸文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、福井直樹『新・自然科学としての言語学』(ちくま学芸文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、東雅夫『幻想小説神髄』(ちくま文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、大塚英志『物語消費論改』(アスキー新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、G・K・チェスタトン『ブラウン神父の無心』(南條竹則・坂本あおい訳/ちくま文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、スコット・ウエスターフェルド『ゴリアテ』(小林美幸訳/新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、久生十蘭『十蘭ビブリオマーヌ』(河出文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ケイジ・ベイカー『黒き計画、白き騎士』(中村仁美・古沢嘉通訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が来た。このあといろいろ書いたのが消えてしまった。


12月12日(水)

 明日から久しぶりの学会出張。Kindleを持っての出張は初めてか。半年前に福岡に行ったときは持っていかなかったのか。まったく覚えてゐない。Kindleに機内モードといふのがある意味をやうやく理解した。さういふことだったのか。何となく不安なのでKindleは二台持っていく。本当はPaperwhiteでpdfが表示できないといふ状況が続いてゐるからである。iPadには学会講演要旨集とか入ってゐて、いろいろ便利な時代になったものだ。Vernon Leeの作品も入れておく。時間があったらゲラの修正などしたいのだが、そこはかとなく無理ではないかといふ予感がする。

 Gene Wolfe The Wizard (Gollancz 2006) [Amazon.co.jp]を読み始める。まだほんの最初の部分。明日からこれを読むことにしよう。


12月11日(火)

 R・A・ラファティ『昔には帰れない』(伊藤典夫他訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]をやうやく読み終へる。好きなのは「そして、わが名は」「大河の手の岸辺」「一八七三年のテレビドラマ」だらうか。特に「そして、わが名は」。永遠に言葉をなくし、マントやマフラーを脱ぎ捨てたところは、悲しい。私ももうすぐ尾なし猿として生きていかなくてはならないやうな気分になってきた。一方、「行間からはみだすものを読め」はさっぱり理解できない。ラファティは難しいのだ。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●種村季弘『書国探検記』(ちくま学芸文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●福井直樹『新・自然科学としての言語学』(ちくま学芸文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●東雅夫『幻想小説神髄』(ちくま文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●大塚英志『物語消費論改』(アスキー新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●G・K・チェスタトン『ブラウン神父の無心』(南條竹則・坂本あおい訳/ちくま文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●スコット・ウエスターフェルド『ゴリアテ』(小林美幸訳/新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●久生十蘭『十蘭ビブリオマーヌ』(河出文庫)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ケイジ・ベイカー『黒き計画、白き騎士』(中村仁美・古沢嘉通訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 久しぶりに本を買ったから今日はもう寝よう。


12月10日(月)

 R・A・ラファティ『昔には帰れない』(伊藤典夫他訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を4/5くらゐまで読む。「そして、わが名は」がいい。素晴らしい。

 Amazon.co.jpでKindle本を購入。
○Leigh Bardugo Shadow and Bone (Henry Holt and Co. 2012) [Amazon.co.jp]
○Gene Wolfe The Knight (Gollancz 2005) [Amazon.co.jp]
○Gene Wolfe The Wizard (Gollancz 2006) [Amazon.co.jp]
以上三冊。今日は意識を失ひさうなほど眠いのでこれで。

 Kindle Paperwhiteでスキャンしたpdfファイルを表示できない。どういふことか。


12月9日(日)

 今日は朝から梵寿綱建築を何と梵寿綱さんの案内で見学。某雑誌の取材についていったのである。私が取材するわけでもないのに。まあ関連記事は書くけれど。といふことは、取材といってもいいのか。ラ・ポルタ和泉、マインド和亜、向台老人ホームの三箇所を回る。普通なら見られないやうなところも見せていただく。得難い経験をした一日であった。そのかはり本は一冊も、いや一行も読めず。詳細は、別館の方で写真とともに。今日は92枚の写真を撮った。写真嫌ひの私が撮った枚数としては驚くべき数字。

 R・スマリヤン『哲学ファンタジー』(高橋昌一郎訳/丸善)、今度は確保できたやうだ。


12月8日(土)

 昨日註文したR・スマリヤン『哲学ファンタジー』(高橋昌一郎訳/丸善)がすでに売れてしまってゐたといふ聯絡があり、改めて日本の古本屋経由で大阪市の高山文庫に註文。今度は買へるだらうか。

 今週の新刊書を全然買ってゐない。来週頭の新刊と一緒に註文すればいいか。しかし、来週木曜から学会出張なのでその前には手元に届くやうにしたい。本を買ふだけなのに悩んでしまふのは昔から変はらない。

 R・A・ラファティ『昔には帰れない』(伊藤典夫他訳/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を半分くらゐまで読み進める。どれもこれも印象深いが、あとがきに心打たれてしまった。忘れ難いあとがきである。

 明日は雑誌の取材に同行して梵寿綱建築の見学。わくわくしすぎて眠れないのではないかと心配である。


12月7日(金)

 高橋昌一郎『知性の限界』(講談社現代新書)[Amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を読み終へる。第二部は「予測」。ここでアイザック・アシモフ『ファウンデーション・シリーズ』がかなり詳しく紹介される。人類の未来を予測して、危機に対する備へとしてのファウンデーションが作られたといふやうな話として。見知らぬ国で親しい人に出会ったような安堵感。その他、フレッド・ホイルのトリプルアルファ予測の話も。『10月1日では遅すぎる』等で有名な、あのフレッド・ホイルである。
 本書を読み終へ、次にR・スマリヤンの本を読みたくなりオンライン書店で検索してみたのだが、『天才スマリヤンのパラドックス人生』がすでに絶版だったので、日本の古本屋で、
●R・スマリヤン『哲学ファンタジー』(高橋昌一郎訳/丸善)
を検索して、岡山市の松林堂書店に註文した。パラドックス人生の方は日本の古本屋でも見つからなかった。


12月6日(木)

 高橋昌一郎『知性の限界』(講談社現代新書)[Amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]を半分くらゐまで読む。『理性の限界』の続き。今回は言語・予測・思考について考へる。言語は日ごろから関心の深いところなのだが、ウィトゲンシュタインについてはほとんど知らなかったので興味深かった。「語りえないものについては沈黙しなければならない」といふ言葉は知ってゐたが、本を読んだこともなかったので、どういふ意味での言葉かよく判ってゐなかったのだ。その後のサピア・ウォーフ仮説やソーカル『「知」の欺瞞』、スノー『二つの文化』辺りは馴染みのある領域。馴染みのあるところが楽しいかといふとさういふ訳でもなく、なぜなら馴染みのある領域はちょっと物足りなく感じてしまふから。知らない世界はどんなことでも新鮮に感じるからそれなりに楽しいのである。

 ラファティが進まない。


12月5日(水)

 Kindle版酉島伝法『皆勤の徒(創元SF短編賞受賞作)』(創元SF文庫)[Amazon.co.jp]を読む。過酷な労働を強いられてゐる謎めいた生命体の世界の話。註文に応じて何か不気味な生命体を製造してゐるやうである。その構築過程は気持ち悪い。語り手の生命維持に関する説明も気持ち悪い。濃厚な言葉で積み上げていく描写はなかなか気持ち悪い。この文章で語り手の絶望的な環境を読み取って味はへばよいといふことなのか。私には今一つ楽しみ方が判らなかった。

 Amazon.co.jpからTUNEWEAR TUNEFOLIO URBAN for iPad (第3世代)/iPad 2 fits クリーム/ブラウン TUN-PD-000105が届いた。素敵な色とは云ひ難い。だから安かったのか。肩から下げることもできるやうになってゐるが、ちょっと不自然かも知れないと思った。コートの下にかけるといふ手もあるかと思ったが、おもむろにコートを開けて下からiPadを出して見せるのも不審な行為かも知れない。ただ手に持って出かければいいか。素のままよりはいいだらう。


12月4日(火)

 Amazon.co.jpでkindle本を購入。
●高橋昌一郎『知性の限界』(講談社現代新書)[Amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●酉島伝法『皆勤の徒(創元SF短編賞受賞作)』(創元SF文庫)[Amazon.co.jp]
 後者は短篇一つだけを抜き出したもの。百円である。かういふ売り方は電子書籍ならではであらう。私の購入書籍数集計に一冊として数へられてしまふのはちょっと困るやうな気もする。

 フランスのBookineastからGerard de Nerval Oeuvres Choisiesが届いた。ラボチェッタの見たことのない絵がいくつも入ってゐる。ちょっと可愛らしい雰囲気のものが多い。


12月3日(月)

 紀伊國屋書店から、辨野義己『大便通』(幻冬舎新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、ケイト・アトキンソン『世界が終わるわけではなく』(青木純子訳/東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]、『バッハ 古楽器でもモダンでも!』(文藝別冊/KAWADE夢ムック)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。このKAWADE夢ムックの『バッハ』のページを捲ったら、あれもこれも聴きたくなって困った。実に危険な本である。特に巻末の「古楽器でもモダンでも! 最新ジャンル別三段階バッハ観賞法」が。
 iTunesに入れてゐなかったCDの「音楽の捧げ物」が聴きたくなったのだが、新しいMac miniにはCD/DVDドライブがないのだった。一つ外付けドライブを買っておいた方がいいのかも知れない。

 高橋昌一郎『理性の限界』(講談社現代新書)[amazon.co.jp]読了。実に面白かった。哲学、科学、論理学等の本来的な限界を考へる内容である。何れにしても自らのシステムの中で自らの正しさを説明できないのだ。特に興味深かったのは、「アロウの不可能性定理」。全然聞いたこともなかったからだ。公平な投票といふ民主主義の決定不可能性である。本書は、さまざまな登場人物の対話(議論)形式になってゐる。いつもはさういふ形式は読みにくく感じて嫌ひなのだが、これは面白かった。唐突に変な人が出てきてしまったりする。頻繁に発言する癖に相手にされないカント主義者が可笑しい。
 この著者の他の本も読んでみようかといふ気になる。

 十日後に出かける学会ではもうiPadだけを持って参加しようと決めた。演題検索なども学会側からiPadアプリで提供されてゐる。プログラム等もpdfにして取り込んでおかう。ノートもiPadでとらう。だが、iPadだけ持っていくとなると、むき出しで行くのは変だ。そこで、Amazon.co.jpにTUNEWEAR TUNEFOLIO URBAN for iPad (第3世代)/iPad 2 fits クリーム/ブラウン TUN-PD-000105を註文。クリーム/ブラウンだけ他より格段に安かったのでこれにした。そんなに人気ない色なのか。ペンだとか紙のノートも入れられるケースもあったが、冬だからペンやキーボードはポケットに入れられるのではないかと期待してこれに。もちろん、電子書籍も読める。首からかけて上着の下に隠してみようか。いや、どうでもいいんだけど。


12月2日(日)

 フェリクス・J・パルマ『宙の地図 下』(宮崎真紀訳/ハヤカワ文庫NV)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]読了。面白かった。心から楽しんだ。予想以上にSFだった。本当はこんなにSFではないものを期待してゐたので、さういふ意味では裏切られたのだが、それを補って余りある楽しさであった。主人公はH・G・ウェルズといふのは『時の地図』と同じ。続きだから当然だが。そこにエドガー・アラン・ポーが出てきたりする。一緒ではないのだが。いや、一緒か。最初に何でこんな始まり方なんだと思ふこととか、何でこんなのが唐突に出てくるのだとか、そんな話ではなかったはずだがといふことが全部最後になるほどさういふことだったのかと納得できるところがSFらしい楽しさを伴ってゐるのだ。そして、本が出てくれば何でも感動してしまふ私は「そうだな……私は本によって生かされてるんだ」といふところに心揺さぶられてしまふわけだ。「読書だけが私に喜びをくれる。まだ読んでいない本が世の中には山ほどある……それだけが私生きる支えなんだ」といふところだ。どれくらゐ楽しんだかといふと、もうスペイン語を勉強したくなるほど。しかし、この歳で新しい言語を学び始めて本を読めるくらゐになるだらうかとか、そんな時間があったら日本語や英語で本を読んだ方がいいのではないかとか、心は決まらないのである。まあ、多分スペイン語は無理だ。

 私が毎日NHKラジオのスペイン語講座を聴いてゐた頃、金曜と土曜日はドン・キホーテを読むといふ内容だった。本を読みすぎて頭がをかしくなってしまった男の話である。


12月1日(土)

 フェリクス・J・パルマ『宙の地図 下』(宮崎真紀訳/ハヤカワ文庫NV)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]まだ終はらない。明日には読み終へたい。

 紀伊國屋書店から、『ボウエン幻想短篇集』(太田良子訳/国書刊行会)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]が届いた。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●辨野義己『大便通』(幻冬舎新書)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
●ケイト・アトキンソン『世界が終わるわけではなく』(青木純子訳/東京創元社)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
『バッハ 古楽器でもモダンでも!』(文藝別冊/KAWADE夢ムック)[amazon.co.jp, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! boox]
 ケイト・アトキンソンはうっかり見逃してゐた海外文学セレクションの最新刊。

 Amazon.co.jpでKindle版の本を三冊購入。
○Elizabeth Hand Errantry: Strange Stories (Small Bear Press) [Amazon.co.jp]
○Terry Pratchett Dodger (HarperCollins) [Amazon.co.jp]
○Jack McDevitt & Mike Resnick The Cassandra Project (Ace) [Amazon.co.jp]
 Locusの12月号を眺めてゐて欲しくなったものを購入。Locusも刊行当日に電子版を読めるし、欲しくなった英語の本も註文したらすぐに読める。送料もかからず。便利な時代になったものだ。はやくならないのは自分が読む速さだけだ。


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