6月30日(火)

 昨夜書いたはづのものがここにない。どうやら「作成」ボタンを押さずに終了してしまったらしい(どうやらさうではないことが後で判ったが、話が長くなるし面白いことでもないのでここでは説明しない)。何しろ半分眠ったやうな状態で書いてゐるから。とにかく大損した気分である。

 帰宅時には眠らないやうに電車の席には座らず、立って本を読むことにしてゐるのだが、立ってゐても眠ってしまふことがある。昨日もそれで本が読めなかった。

 本の話の他には、数日前に杉岡幸徳『世界奇食大全』(830円+税/文春新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]で知ったフィンランドの「サルミアッキ」の味のことなど少し書いたのだった。朝になって見たら、別館の方に写真付きで記載されてゐたから、ここではもう書く必要はないだらう。

 ちゃんと目を覚まして、本を読まなければ。


6月29日(月)

 ジョン・スコルジー『最後の星戦』(内田昌之訳/880円+税/ハヤカワ文庫SF)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。なかなか面白い。が、今日は眠いのでここまで。


6月28日(日)

 昨日眠くて書けなかった紀伊國屋書店に註文した本は次のとほり。
●チャイナ・ミエヴィル『ペルディード・ストリート・ステーション』(日暮雅通訳/2800円+税/早川書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジャクリーン・ケアリー『クシエルの矢1 八天使の王国』(和爾桃子訳/860円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョナサン・ジットレイン『インターネットが死ぬ日』(井口耕二訳/1400円+税/ハヤカワ新書Juice)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●天野郁夫『大学の誕生 下 大学への挑戦』(980円+税/中公新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●鶴薗賢吾『基礎からのiPhone SDK』(2700円+税/ソフトバンククリエイティブ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上五冊である。
 iPhone SDKの本なんて、買っても何もできないくせに。金の無駄なんぢゃないか。『ペルディ−ド・ストリ−ト・ステ−ション』は〈プラチナ・ファンタジイ〉最新刊。大いに期待したい。

 ジョン・スコルジー『最後の星戦』(内田昌之訳/880円+税/ハヤカワ文庫SF)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を訳者の内田昌之氏からいただきました。ありがたうございました。〈老人と宇宙〉シリーズ第三弾である。コロニー防衛軍を退役したジョン・ベリーの物語である。明日から読むことにしよう。

 12年くらゐ前に、Oxford English DictionaryのCD-ROMを買ったことがある。何万円もした。高かった。そして、あまり使ふこともなかった。その後、二度と買ってゐない。それは高い買ひものなのに全然役立たなかったからではなく、Mac版がまったく出なかったからだ。それが今月実に久しぶりにMac版OEDのCDが発売されたのだった。ちょっと気づくのが遅れた。いろいろ値段を比較してみて、Amazon.comにOxford English Dictionary, 2nd Edition, Version 4.0 (Windows & Mac)を註文した。細かい値段の比較などに関しては、別館の日記に書いたので、ここでは繰り返さない。


6月27日(土)

 さういへば、Lorna Barrett Murder Is Binding [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が途中までだったなと思ひ出し、続きを読み始める。なかなか面白くてちょっと驚く。どうしてちゃんと読まなかったんだらう。

 昨日、杉岡幸徳『世界奇食大全』(830円+税/文春新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]で知ったSALMIAKKIなのだが、早速Mikon Finland Shopに註文した。Fazer サルミアッキ一つとラクリッツPEPEを二つである。合計1050円に送料が同額かかる。送料が高いが仕方がない。

 三省堂本店でミステリマガジン8月号[Amazon.co.jp, bk1]を購入。〈ポー生誕200周年〉といふ特集である。

 今日紀伊國屋書店に註文した本については、また明日。


6月26日(金)

 いつの間にかIPアドレスが変はってゐて、それにほぼ24時間対応できてゐなかった。本来は30分置きに自動的にIPアドレスの報告・修正がされるはづなのに。もうかういふことが起こらないやうに、自分にIPアドレスの変更を知らせるRSSフィーダを作ったりしてみる。

 杉岡幸徳『世界奇食大全』(830円+税/文春新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。本当かどうか知らないが、この本の中で、アメリカの大学で行はれた実験として、キャンパスのどこかに変はったたべものを置いておき、どんな生徒(大学なら学生と呼ぶべきだと思ふ)がよく口にするのかを調べてみると、知的で成績がいいものがよく食べてみようとするらしい。実は私は、食べたことのない食材の料理があれば、とりあへず口にしてみたいと思ふ方だ。知的かどうかは知らないが。といふわけで、この本にはいろいろと珍しい食物が載ってゐるのだ。熊、めだか、蛇、駱駝、そのた怪しい加工品など、思はず「食べたい」と電車の中で叫びさうになったくらゐである。
 この本にも載ってゐるのだが、日本人は昔から今のやうに米を食べてゐた訳ではないらしい。日本人が食べる米の量が減って、千年米を食べてきた日本人の食事を取り戻さなければならないと声高に叫ぶ人もゐるけれども、米をこれだけ食べられるやうになったのは戦後の配給の力によるものだとこの本には書かれてゐる。旧来の日本人の食事が健康的で欧米の食事が不健康だといふ単純な図式で語ることはできないはづだ。だいたい物事はかうだと断言して話を明確にしてくれる奴は嘘つきが多いと私は密かに思ってゐる。

 この本で紹介されてゐる、世界一不味いフィンランドの飴SALMIAKKIが気になるのだが、どんな味なのだらう。日本でも買へるだらうかと思ったら、売ってゐるところがあるぢゃないか! 買ってみたい、世界一不味いといふ飴を。


6月25日(木)

 増田ユリヤ『新しい「教育格差」』(720円+税/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。教育格差に注目した本といふより現在の教育における問題点をさまざまな角度から指摘する本であると思った。それでゐて薄いので些か物足りない感じはした。

 紀伊國屋書店から、Jay Lake Green (Tor Books, 2009/6/9) [Amazon.co.jp, 紀伊國屋]が届いた。今日はとりあへず寝る。


6月24日(水)

紀伊國屋書店から、『iPod touch徹底活用ガイド』(980円+税/毎日コミュニケーションズ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、J.L.ボルヘス『創造者』(鼓直訳/560円+税/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、増田ユリヤ『新しい「教育格差」』(720円+税/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、杉岡幸徳『世界奇食大全』(830円+税/文春新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。iPod touchの本は、ちょっと私が求めてゐたのと違ふ感じで、探してゐる情報があまり載ってゐないやうな予感がする。でも、何も判ってゐないのだから、それなりに役立つところはあるだらう。きっとあるに違ひない。

 西田公昭『だましの手口』(760円+税/PHP新書)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋, Yahoo! Books]を読む。私は実は正直で人がいいので、ときどきかういふ本を読まないと、きっと騙されてしまふのだ。具体的な騙しの手法を例を挙げて紹介し、そのときどういふ心理状態で人は騙されてしまふのかを解説してくれる。自分がいつもさうなるとは限らないが、大いに参考になることは間違ひない。いつ、どんな騙し屋がやってくるか判らない。常に備へてゐなければならない。

 SFマガジン8月号[Amazon.co.jp ]をいただきました。ありがたうございました。「チャイナ・ミエヴィル特集」は読みごたへがありさう。


6月23日(火)

 ブランドン・サンダースン『ミストボーン1 灰色の帝国』(820円+税/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp , bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。とはいっても、全然話は終はってゐなくて、原書の第一巻の三分の一まで進んだだけなのだ。それでも、昨日も書いたやうに、意外に面白いのである。世界の背景が謎めいてゐたり、体の中で金属(金属元素だったり合金だったりする)を「燃やす」ことにより発揮される特殊な能力が面白い。原理などはよく判らないわけだが。硬貨を落としてそれを支えに押したり引いたりするところは、質量と運動量の辻褄が合はないやうな気がするものの、ファンタジイだからそれでいいのかも。

 早起きは三文の得といふけれども、今朝出勤するときに朝顔を花が咲きさうだったものの、まだちゃんと開いてゐなかった。もちろん、帰宅するときには花は落ちてしまってゐる。福岡にゐるときには、福岡は東京や埼玉よりも30分日の出が遅いので、東の方に引っ越せば、朝、朝顔を眺めてから出勤できるに違ひないと思ひこんでゐた。もっと遅く出勤すればいいのだらうが、電車の中でゆっくり本を読むためには、早朝出勤がいいのだ。読書時間と朝顔鑑賞のどちらが大事かといへば、やはり読書時間の確保の方が重い意味を持つので仕方あるまい。


6月22日(月)

 ブランドン・サンダースン『ミストボーン1 灰色の帝国』(820円+税/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp , bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。期待していなかったのだが、これが意外に面白い。中世風の大都市での盗人たちの話。陰謀を巡らして、政府を転覆させようとする。中世風の大都市の話、盗人たちの企みの話は大好きである。まだ半分なので、とりあへず全部読み終へよう。


6月21日(日)

 日曜日なので、Amazon.co.jpに、「大爆笑!サンミュージックGETライブ 「出会い」編」を註文する。サンミュージックの芸人が出演している「サンミュージックGETライブ」の映像を収録したDVD。8月21日発売予定。もちろん、鳥居みゆきが出てゐるから註文したのである。
 鳥居みゆきが出演したCLIMAXドラマ「ラブマシーン」が収録されてゐる「CLIMAX」が来月24日に発売されるとさっき知った。この映像は保存してゐるから要らないだらうか。

 日曜日なので、紀伊國屋書店に本を註文。
『iPod touch徹底活用ガイド』(980円+税/毎日コミュニケーションズ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●J.L.ボルヘス『創造者』(鼓直訳/560円+税/岩波文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●増田ユリヤ『新しい「教育格差」』(720円+税/講談社現代新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●杉岡幸徳『世界奇食大全』(830円+税/文春新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。iPod touchの本はもちろん昨日一つ買ってしまったからである。とにかく今は何も判らなくて、日本語入力もネットで調べて使えるやうにしなければならなかった。Mobile_meの同期の有効化にも手間取った。何もかも知らないことが多すぎて、なかなか楽しい。変な食べ物については英語の本を何冊か買ったことはここでも報告したとほりだが、文春新書からこんな本が出たので買ってみた。この頃、食の安全について真剣に考へるやうになったので(ちょっと嘘かも知れない)。

 今日はその他、朝顔の植ゑ替へとか、Amazon APIを利用したスクリプトへの認証の追加とか。


6月20日(土)

『進化する日本の食』(820円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。いろいろな食に関する話題が興味深い。ただ、何でも日本の従来の食事が善でアメリカから入ってきたものは悪だといふ単純な図式には納得できないが。日本人が好む霜降り肉は牛にとっても人間にとっても不健康であるとこの本にも書いてあるではないか。それは従来の日本の肉料理に合はせた肉だからだといふ。私は塊を煮込んだりするのが好きだから、霜降りは嫌ひである。まあ、どうでもいいけど。昔、日本人の栄養状態・衛生状態は決してよくなく、寿命だって短かったではないか。体は大きくなって寿命も延びた。食事が欧米化されたにも拘らず。大腸癌になる人が増えたのは、他の病気になる機会が減ったといふことは関係ないのだらうか。日本人の高血圧、結核などの原因による死亡が減って寿命が延びたら癌になる確率は必然的に高くなると私には思へるのだが。私が間違ってゐるのか。その土地の自然な食材のみが善であれば、雪国では冬に新鮮な野菜や果物が食べられなくなる。高塩濃度の保存食の摂取量が増えたらまた別の病気になりやすくなったりしないか。ものごとをあまり単純化しない方がいいと思ふ。アメリカにも健康な人はたくさんゐる。アメリカでも日本でも貧困肥満が問題になって来ると思ふ。金持ちがいいもの食べて太ってゐる時代は終はったのだ。貧困問題の解決と、正しい知識に基づいて食事を選べる教育といふところから考へていかなければならないのではないか。収穫効率の低い日本古来の品種を栽培し、古来の日本の食事にすれば、皆が幸せになるなんて、世の中そんなに甘いものではないはづだ。

 恩田陸『六月の夜と昼のあわいに』(1500円+税/朝日新聞出版)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。私はかういふのは苦手なのだった。全然判らない。何が何だか判らない。判ったのは「Y字路の事件」だけである。「あらゆる小説の形式と、恩田作品のエッセンスが味はへる「夢十夜」的小説集」と帯に書いてあった。「夢十夜」はもっと判りやすいから好きなのだが……。

 iPod touchを買ってしまった(8 GB)。どうしても今日買はなければならないやうな気がして、銀座のアップルストアへ出かけていったのだ。詳細はまた明日にでも別館の方に書くが、Amazon.co.jpに註文すれば1500円くらゐ安いと知ってゐながら、電車賃を払って銀座まで行ったのである。どうしても今日欲しかったからだ。特別の理由もない。今日欲しかっただけである。日付も変はってしまったから、今日はとりあへず寝よう。


6月19日(金)

 ロバート・アスプリン『ドラゴンズ・ワイルド』(矢口悟訳/980円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。カードゲームばかりやってゐる頼りない大学生が、ニューオーリンズの賭博場とグループに参加する団体を経営・管理するやうになる話である。自分のドラゴンとしての才能を活かしながら。面白かったのだが、もう十分だと思った。続篇は面白いのだらうか。

 『進化する日本の食』(820円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。冒頭にも書いてあるやうに、F1作物の時代から種子会社は世界の穀物生産を支配しようとしてゐるのである。

 今日も眠い。今にも意識を失ひさうなくらゐだ。


6月18日(木)

 ロバート・アスプリン『ドラゴンズ・ワイルド』(矢口悟訳/980円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。表紙が私の趣味とは正反対だが、中身は(かういっては失礼だが)意外に面白かった。大学を卒業して仕事が見つからずふらふらしてゐると、仕事を紹介して貰はうと思ってゐた伯父から「お前は実はドラゴンだ」と宣告され、思ひもかけない方向へと人生が進んで行ってしまふコメディ風味のファンタジイである。

 旭屋書店で、以下の二冊を購入。
●共同通信社編『進化する日本の食』(820円+税/PHP新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●恩田陸『六月の夜と昼のあわいに』(1500円+税/朝日新聞出版)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。眠い。眠すぎる。もう寝なければ。


6月17日(水)

 小沢章友『女子大生がヤバイ!』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。東京近郊の女子大で小説創作を十五年教へてゐる著者の、学生が書いた文章を紹介しながら、今どきの女子大生が何を感じて何を考へてゐるのかを綴ってゐる。その内容に関しては、なるほどねえとしか云へない。さうなんだらうなといふ気もするし、意外な感じもする。ちょっと驚いたのは、思ひの外、文章が上手いと思ったこと。著者も、昔よりも上手くなってゐると書いてをり、それを携帯電話で四六時中文章を書いては送信してゐるからではないかと推察してゐる。さうなんだらうか。

 紀伊國屋書店から、Jerry Hopkins Extreme Cuisine: The Weird & Wonderful Foods That People Eat (Periplus Editions, 2004) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]とDavid G. Gordon The Eat-a-Bug Cookbook (Ten Speed Press, 1998) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届いた。The Eat-a-Bug Cookbookの方は昆虫食の話ばかり。ゴキブリの本を書いてゐるだけあって、ゴキブリを食べる話もちゃんと書いてゐる。Extreme Cuisine: The Weird & Wonderful Foods That People Eatの方は、昆虫に限らず世界の変な食材、珍しい食べ物の話を紹介してゐる。途中で二カ所、カラー写真を集めたページが32ページ分くらゐあって、いろいろな食べ物や店、おいしさうに食べてゐる人の写真などが載ってゐる。前に気になった鼠肉も載ってゐるし、蛞蝓もカラー写真付きで載ってゐる。「蝸牛と蛞蝓」といふ項が本文にはあって、ちゃんと調理法も載ってゐるのだ。昆虫の項には、ゴキブリ料理の紹介も。気持ち悪い。食べたくない。でも、かういふ本って日本語で読めないやうな気がするので、邦訳を出したら評判になったりしないだらうか。どうかな。


6月16日(火)

 安田節子『自殺する種子』(720円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。予想どほり私の考へとは全く相容れない主張であった。アグロバイオ企業が食を支配することへ警鐘を鳴らしてゐるのだが、題名で訴へたいのは、一代限りで子孫を残せない仕組みの種子を農家に売りつけるから農家は高価な種を購入した後、自分で種子を残して翌年の植ゑつけに使用できず、毎年毎年高い種子を購入しなければならなくなるといふことだらう。だが、それは遺伝子組み換へ技術とは直接関係はないのではないか。組かへ作物でなくても、以前からまともな作物が収穫できるのは交配一代限りで、農家が自分で種子を残しても質のばらつきが激しすぎて商品として出荷できるやうなものが穫れないやうになってゐたはづ。同時に、種子ができないといふのは遺伝子組み換へ植物の野外栽培の条件である。組み換へ遺伝子が環境中へ拡散しないやうにといふ措置である。もう少し冷静に、遺伝子組み換へ作物の利点と欠点を両方の立場から判りやすく説明した方がいいと私は思ふ。悪い悪いと云ひながら、何がどのやうに悪いのか、どのやうな被害があったのかをほとんど説明してゐない。
 アメリカの穀物メジャーや組み換へ作物企業の経営戦略には納得できないところは多い。だが、それは遺伝子組み換へ技術の健康に対する問題とは直接関係なく、企業の経営のあり方の問題ではないだらうか。また、遺伝子組み換へ技術を使はず従来の品種改良で作物を作れといふ主張は、私にはよく判らなくて、従来の薬剤や放射線を使った変異導入による育種技術も遺伝子組み換へと同程度の安全性の確認しかとれてゐないのではないか。タンパク質は消化の過程で分解されるから大丈夫だが、薬剤は分解されないから体に悪い影響を与へるといふが、さうならばBT剤だったらタンパク質だから低分子の薬剤よりも安全だと云ふことにならないのか。
 農薬や食品添加物、遺伝子組み換へ技術を使はずにどうすればいいのかはあまり明確に記されてゐないやうな気がする。「よいものを少量食べる」やうにせよといふのはかなり贅沢な要求に思へてならない。そんなことは生活に余裕がある人にしかできないだらう。アメリカでは、そしてその真似をしてきた日本でも、貧困ビジネスが増えてきて貧困層を餌食にしてゐるのだ。そんな時代に「よいものを少し食べなさい」なんて云っても無駄だらう。貧困肥満が問題になる時代なのだ。安いものを大量に食べなければ死んでしまふのだ。遺伝子組み換へ作物の問題以前に、世界の貧困の問題を解決する方が先だらう。皆が余裕のある生活ができるやうになったら、手間暇掛けて小規模農家が農薬や添加物を使はずに育てた作物を購入して豊かな食卓を味はへばいい。そして、ビタミンA欠乏症によって失明したり命を落としたりすしてゐる東南アジア、アフリカ、ラテンアメリカの貧困層の子供たちに何ができるのかを考へたときに、もしその手段の一つに遺伝子組み換へ作物があったとしたら、それに反対はできないはづだ。

 紀伊國屋書店に本を註文。
○Jay Lake Green (Tor, June 2009) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
○Robert Charles Wilson Julian Comstock: A Story of 22nd-century America (Tor, June 2009) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
の二冊。ロバート・チャールズ・ウィルスンのは、2006年に出たJulian: A Christmas Storyの拡張版らしい。レイクのは、よく判らない。よく判らなくても、買ふことはできる。


6月15日(月)

 アーサー・C・クラーク『ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク1 太陽系最後の日』(中村融編/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。どれも面白い。『幼年期の終り』を思ひ出し昔の感動が蘇った「守護天使」を読んだときには、昔を思ひ出してゐるからこんなに楽しめるのかとも思ったのだが、何も思ひ出さない「かくれんぼ」(実はこの作品が一番気に入ったかも知れない)でも十分楽しんだのだから、昔を懐かしんでゐるだけがこの作品集の楽しみではないはづだ。多分、若い読者でも楽しめるだらうし、もしもこれが楽しめなかったらSFを読むのはやめた方がいいのかも知れない。

 池袋東武の旭屋書店で、
●小沢章友『女子大生がヤバイ!』(680円+税/新潮新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●安田節子『自殺する種子』(720円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。「ヤバイ」なんて言葉は大嫌ひだが、自分の勤務先にも女子大生はたくさんゐるのだし、自分の娘も来年には女子大生になるかも知れないのだし、いったいどんなものなのだらうかと思って買ってみた。二冊目のは遺伝子組み換へ作物の話。著者はこの問題に批判的な立場の人である。私は遺伝子組み換へ作物を無条件に批判する人たちに対して批判的だから、読みたくないと云ふ気持ちもあるのだが、さういふ人たちが何を考へて、何を主張してゐるのか知る必要はあるだらうと思ってゐるので、今回はこれを買ってみた。ぜいたくな日本の食の安全のことばかり書いてあったらちょっと嫌だな。世界には今日の命を保つことを第一に考へなければならない人たちがたくさんゐて、その人たちに対して遺伝子組み換へ作物が提供できること以上のものを誰がどう提供できるのかを考へなければならないと思ふ。そこには政治的経済的な問題がいろいろあるだらうが、それは本質的には遺伝子組み換への問題ではなく、政治と経済の問題であらう。交通事故が多く環境に悪いから自動車は悪だといって来月から自動車を禁止することができないやうに、株で悪いことがする奴がゐるからといって世界の株式市場を今月いっぱいで廃止することができないやうに、アグロバイオ企業が農業を支配しようとしてゐるからといって遺伝子組み換へ作物の開発を停止すると計り知れない損失を人類は被ることになると私は確信してゐる。さう思はない人も多いだらうけど。


6月14日(日)

 増田悦佐『東京「進化」論』(780円+税/朝日新書) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。これほど東京は変化してゐたのかと改めて気づかされた。東京の高級住宅地に豪邸が並ぶやうにはならないとか、なぜ赤坂は存在感が希薄なのかとか、なるほどと思ふことも多いが、よく判らないこともある。数値に基づいて話を始めてゐるが、著者の推察や結論が正しいかどうかは何とも云へない。もっとも、正しいと判ってゐることだけ書かれても面白くも何ともないからそれでいいのだが。
 東武鉄道が他社と共同して乗り入れや開発をするのに消極的な会社の一つと書かれてゐるのに、東武東上線は積極的に乗り入れ運行をしてゐるし、池袋では東武と西武の両百貨店が共同で企画を立てたと本書にも書かれてゐるのはどうしてかなと思ったのだが、さういへば東上線は東武の中でも独自の運営をしてゐるとどこかで読んだことがある。そのせゐなのか。

 書棚の間を捜し物をしながら彷徨ってゐたら、昔買ったのにすっかり忘れてゐた本をいろいろと見つけた。いつか、もっと本を整理して保管できる住まひで暮らしたいものだ。


6月13日(土)

 アーサー・C・クラーク『ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク1 太陽系最後の日』(中村融編/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。クラークを読むのは20年ぶりくらゐだらうか。昔読んだときの輝きが、私が老いたせゐで見えなくなってゐたらどうしようかといふ不安を抱きながらページを開いたのだが、そんな心配は無用であった。昔と変はらない光を放ってゐる。今、ちゃうど半分くらゐ。

 三省堂書店本店で、
●増田悦佐『東京「進化」論』(780円+税/朝日新書) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。「次々にできる鉄道新線、目白押しの再開発など、間断なく変わり続けるメガタウン東京」を紹介する本らしいので手に取ってみたら、つい買ってしまった。人が暮らす町としてあまり意識してゐないので、興味を抱いたのだ。

 夜になって不意に胃が痛くなってきたので、とりあへず風呂に入って寝る。


6月12日(金)

 橋本治『大不況には本を読む』(740円+税/中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。文章は読みやすいのですいすい読めるのだが、何かうまいこと云ひくるめられてしまったんぢゃないかと感じてしまふのがこの人の本である。今の世界の大不況は何がいけなかったのかを説明してくれる本はたくさんあるが、日本の江戸時代にまで遡って日本の立場から説明してくれる本は珍しい。なるほどさうかと思ふが、「大不況に襲はれる」くらゐなら、先手を打って自ら「不況にしてしまふ」方がいいなんてことは、実際には誰にもできないだらう。でも、「なるほどさうか」と思ふことが本を読むといふことなのだらうと思ふ。「書かれてゐることを読んで書かれてゐないことを考へる」とか、「過去のことを読んで、未来のことを考へる」といふのは確かに本を読む意味だと私も思ふが、世の中、そこに書いてあることだけを読んで理解できる文章でなければ読者に対して不誠実である、悪文であるといふやうな指導が溢れかへってゐる。自分の頭で考へる必要のない、すなはち行間のない文章で埋め尽くされた本ばかりになったから、読者は離れていったのだと指摘してゐるが、前半は納得できるが、それが活字離れの原因であるとは私には思へない。自分の頭で考へ、行間を読む能力を失った読者が増えたから、そこに書いてあることだけを読んで正解が得られる本が増え、今やそれすら読めなくなってきたのではないだらうか。本当にさうなのかどうかは判らないし、実は私はあまり関心もない。何を云はれても云はれなくても、私は本を読むだらうから。


6月11日(木)

 Amazon.co.jpから、Tina Skinner Home Office, Library, And Den Design (Schiffer Publishing, 2003) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。ページを捲るとひたすら書斎や書庫の部屋の写真や絵だけが載ってゐる。意外に面白い。部屋の模様替へをしてみたくなってしまふかも知れない。

 和田秀樹『富裕層が日本をダメにした!』(667円+税/宝島社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。この著者の本を前に読んだことがあるが、やはり本書でも教育格差が経済格差・社会格差を世代を越えて固定化していくのだと訴へ、昔のやうに莫迦を減らす教育をして、嘘の情報に騙されない技術とリテラシーを身につけなければならないと主張してゐる。日本人の価値観を持って、評価・投資・経営を何でもアメリカの真似をしないやうにする必要があるとか、アメリカの云ひなりにならないやうにするとか、当然のことが書いてある。が、当然のことが当然でなくなったのが今の時代なのだから、かう書かれても仕方がない。これだけ小泉・竹中ラインの経済政策で苦しんでゐる人が多いのに、未だに再登板の声がある(さすがに随分減ったが)のには驚きを禁じ得ない。やはり金持ち有利な理屈に丸め込まれてゐるのか、追ひ詰められて自棄になってゐるのかのどちらかだらうが、何となく後者のやうな気がする今日この頃なのだ。あれで自分が有利になると思ふほど莫迦ではないと思う。いや、さうなのか。やはり教育問題なのか。実はほとんど同じやうなことが次に読んでゐる橋本治の本にも出てくるのだった。

 この本を読むことも、金持ちの嘘に騙されないための第一歩となるかも知れない(ならないかも知れない)。


6月10日(水)

 デブラ・ギンズバーグ『匿名投稿』(中井京子訳/952円+税/扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。面白かった。アメリカの出版エージェントの会社を舞台にしたミステリ仕立ての小説で、新人社員の主人公が辣腕女社長に振り回されながらも仕事をこなすやうになってきたころ、匿名の著者から謎めいた原稿が送られてきて、主人公は恐怖の底に叩き落とされるものの、最後には反撃で幕を閉じるわけだ。本を作るといふことへの愛に溢れた小説で、確かに本が好きな人ならほぼ間違ひなく楽しめよう。ただ私にとって残念だったのは一カ所所謂「ら抜き言葉」に気づいてしまったことだ。私はこれが出てくるともう駄目なのだ。ちなみに306ページである。

 紀伊國屋書店から、金明哲編『Rで学ぶデータサイエンス6 マシンラーニング』(3500円+税/共立出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、豊田秀樹『データマイニング入門 Rで学ぶ最新データ解析』(3400円+税/東京図書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
、橋本治『大不況には本を読む』(740円+税/中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、小谷野敦『美人好きは罪悪か?』(780円+税/ちくま新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。何でこんなもの買ってしまったんだらうといふものも一冊入ってゐたりする。まあ、いいか。『マシンラーニング』は〈Rで学ぶデータサイエンス〉というシリーズの第6巻。全部で8巻のシリーズのやうだ。こんなのが8巻も出るなんて。R本収集家と化してゐる私は全部買ひさうな予感がする。そして全然役立てなかったりするのだ。『データマイニング入門』は、昨年末に出た本。表紙が変だから中身を見てゐなかったのだが、役立ちさうな感じだったので註文してみた。中にも無駄な物語が挿入されてゐる。こんなに買ひ集めてゐるけれども、そんなに役立ててゐないといふのが正直なところである。

 昨日買った和田秀樹『富裕層が日本をダメにした!』(667円+税/宝島社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を半分くらゐまで読む。世の中の流れはだいたい私が把握してきたとほりだが、それが富裕層有利な状況を作ってきたといふところでは必ずしも気づいてゐたわけではない。が、なるほどと思ったところもあれば、そうかなと思ふところも。今のところ、興味深く読み進めてゐる。


6月9日(火)

 デブラ・ギンズバーグ『匿名投稿』(中井京子訳/952円+税/扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。面白い。昨日はあんなことを書いたが、『プラダを着た悪魔』よりも。あれには匿名の作者から作品が送りつけられたりはしないから。

 昨日書いたやうに、バーコードリーダで本のISBNを読み取って、Google Book Searchに登録するのが面白くなって、今日は200冊まで登録してみた。でも、弾かれて登録できない本のことも考へなければならないといふ気持ちが強くなってきた。やはり、蔵書データベースを別に作って、検索だけはGoogle Book Searchでできるものを対象に実行するといふやうにした方がいいのではないだらうか。蔵書データベース、作らうか。

 池袋東武の旭屋書店で、
●和田秀樹『富裕層が日本をダメにした!』(667円+税/宝島社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。富裕層はどこにゐるのだらうかと常々不思議なのだが、もし富裕層が何か自分たちに有利なやうに世の中を歪ませてゐるなら、それを正さうといふより、自分のその歪みを知ったら何か得したりしないかなといふ浅ましい魂胆に突き動かされての購入である。ああ、嫌だ。

 紀伊國屋書店に本を註文。
●金明哲編『Rで学ぶデータサイエンス6 マシンラーニング』(3500円+税/共立出版)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●豊田秀樹『データマイニング入門 Rで学ぶ最新データ解析』(3400円+税/東京図書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●橋本治『大不況には本を読む』(740円+税/中公新書ラクレ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●小谷野敦『美人好きは罪悪か?』(780円+税/ちくま新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上四冊。Rの本と新書である。

 昨日までとは違ふ咳が出始めたのでもう寝よう。なぜか腰も痛い。

 あ、アメリカのSF情報誌Locusの六月号が届いてゐる。ロバート・チャールズ・ウィルスンのインタビューとか。でも、読むのは明日以降だ。


6月8日(月)

 デブラ・ギンズバーグ『匿名投稿』(中井京子訳/952円+税/扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。面白い。今のところ。訳者あとがきに「『プラダを着た悪魔』の出版界裏事情バージョン」と書いてあるが、180ページくらゐまで読んだところでは、まるで『プラダを着た悪魔』そのものである。若い主人公が新しい職場にやってきたら悪魔のやうな上司がゐて、同僚とうまく行かなかったり、恋人とうまく行かなくなったり、そっくりぢゃないか。でも、本の話だから面白い。

 別館の方に書いたのだが、バーコードリーダで本のISBNを読み取って、Google Book Searchに登録するのが面白くなって、つい時間を使ってしまった。とはいっても、70冊しか登録できてゐない。もしも自分の本が全部登録できたら、私の蔵書の索引をGoogleが作ってくれたやうなものだから、これは便利。でも、日本語の本の小説や新書は登録できない(Googleのデータベースに入ってゐないのか)。明日はもっと登録したい。


6月7日(日)

 ジェフ・ハウ『クラウドソーシング』(1400円+税/ハヤカワ新書juice)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]をやうやく読み終へる。ずいぶんかかってしまった。村上春樹が終はったから、すぐに読むつもりだったのだが、帰りの電車で眠ってしまふことが多かったのだ。立ってゐても眠ってしまって、金曜日は目が覚めたら降りるはづの駅の一つ先だった。午前零時を過ぎてゐたので、仕方なくタクシーに乗って帰った。安い新書が二冊買へるぢゃないか。でも、ちょっと厚い新書や文庫だと一冊しか買へない。文庫本が高くなったものだ。いや、そんなことは今はどうでもいいのだが、副題の「みんなのパワーが世界を動かす」といふ現象を解説する内容である。何となく知ってはゐたけれども、Linux関連とWikipedia以外の例がすぐに頭に浮かばない状態だったので、何となくだが現状が判ってよかった。本書で紹介されてゐたINNOCENTIVEに登録してしまったくらゐだ。ここは、企業などが科学的な問題を提示して、参加者がそれを解決すると報酬がもらへるといふ仕組みである。これが社内の研究所で開発するよりも安く早く達成できることが少なくないといふ。ALSのバイオマーカを見つけろ(百万ドル)とか、ガラスの性質を持ったプラスティックを作れ(五万ドル)とか、発展途上国の銀行における処理の向上に役立つアイディアを出せとか。私が何かできさうな課題は何一つなかった。世の中そんなに甘くないのだ。

 仕事の帰りに三省堂本店に寄って、
●デブラ・ギンズバーグ『匿名投稿』(中井京子訳/952円+税/扶桑社ミステリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●中谷ノボル『みんなのリノベーション』(1800円+税/学芸出版社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。「本を愛するすべての人に捧げる業界ミステリー」なんて帯に書いてあるから買ってしまった。ここで買はなかったら本を愛してゐないと思はれさうだったからだ。誰がどこで思ふのか判らないけど。二冊目の方は住宅の本。

 といふのは昨日買った本の話。

 昨日Calvin W. Schwabe Unmentionable Cuisine [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届いて、ちょっとどきどきしてしまひ、もっと本が欲しくなってしまった。自分で調理したりする訳がないのに。紀伊國屋書店に、
○Jerry Hopkins Extreme Cuisine: The Weird & Wonderful Foods That People Eat (Periplus Editions, 2004) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
○David G. Gordon The Eat-a-Bug Cookbook (Ten Speed Press, 1998) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
の二冊を註文。この二冊目の方の著者は『ゴキブリ大全』[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を書いてゐる人だらうか。といふことは、やはりゴキブリも食べるんだらうか。ちょっとそれは嫌だな。


6月6日(土)

 Calvin W. Schwabe Unmentionable Cuisine [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]が届く。普通のアメリカ人が食べない食材をいろいろ紹介する本である。前に書いたとほり私が気になってゐたのは鼠である。鼠は「齧歯類、その他のほ乳類の肉」の項目に載ってゐる。齧歯類は栗鼠で始まっている。栗鼠かあ、あまり食べたくないな。鼠は普仏戦争の頃、パリ市内でよく食べられてゐた。山ウズラとポークに似てゐると報告されてゐるらしい。今でもフランスの一部で食用とされている。って書いてあるのだけど、本当だらうか。西アフリカ(ガーナ)とタイの例が載ってゐる。ガーナの料理はシチュー、タイではポークとチキンの価格が高くなる季節、とくに大量に食されるとか。焼いたり揚げたりして売っている。「ウサギのような味で、チキンよりも美味い」らしい。調理法は載ってゐない。

 昆虫の項には蝗があって、日本の例として「蝗の唐揚げ」が載ってゐる。唐揚げは食べたことがない。佃煮はあるんだけど。

 ぱらぱらページを捲ってゐると面白い。つい読んでしまったり。でも、実際に調理する機会はなささうだ。


6月4日(木)

 村上春樹『1Q84 BOOK2』(1800円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。終はり? といふ驚きの叫びを上げさうになりながら本を閉じる。10月から12月のBook3があるのか。でも、1月から3月もないからな。どうなってゐるんだ。結局二人の愛の物語のやうだが、これではまだ何も始まらないうちに終はってしまったやうな感じだ。

 しかし、眠くてもう字が書けない。


6月3日(水)

 村上春樹『1Q84 BOOK2』(1800円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み進める。もう少しあっさり話を進めてくれてもいいやうな気がするところもある。271ページでサイエンス・フィクションの読み過ぎだと云はれる。まあ、私はさうかも知れない。

 池袋東武の旭屋書店で、村上春樹『1Q84 BOOK1』(1800円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]売り切れの張り紙を見る。入荷は六月上旬だとか。やはり売れてゐるやうだ。

 私は村上春樹『1Q84 BOOK1』品切れの張り紙を見に来たわけではなく、本を買ひにきたのだ。
●マイクル・シャーマー『なぜ人はニセ科学を信じるのか1 奇妙な論理が蔓延するとき』(700円+税/ハヤカワ文庫NF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●マイクル・シャーマー『なぜ人はニセ科学を信じるのか2 歪曲をたくらむ人々』(700円+税/ハヤカワ文庫NF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。ニセ科学関連で、この本を買ってゐなかったなとふと気がついて。仕事用。

 仕事から帰ってMac-miniを起動してふと床を見ると、足の裏がなにやら汚れて絨毯に染みがついてゐる。何なんだ! と思って足の裏を見たら、蛞蝓が潰れてゐた。どうしてこんなところに蛞蝓が。昨夜朝顔の苗の周辺に蛞蝓退治の薬を設置したから、復讐に来たのか。


6月2日(火)

 村上春樹『1Q84 BOOK1』(1800円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。まだ半分なので全体的には何とも云へない。もう少し話の進み具合が早くてもいいのではないだろうか。相変はらず、合作ペンネームにすればいいのに、危険だ危険だと騒いでゐる。不思議である。

 咳が酷くて先週の土曜日に床屋に行けなかったので、今日行った。初めて行くところである。私はテレビやラジオが好きではないので、さういふのが鳴り響いてゐないところがいい。店員は愛想が悪すぎず良すぎず、あまり細かく註文を訊かずに仕上げてくれるところがいい。今日行ったところは、ちょっと喋りすぎのやうな気がするが、そんなに話し続けるわけでもない。ただ、こちらはまだ咳が残ってゐる。咳を我慢するのに集中しすぎてうまく答へられない。咳が出ないやうに、極力短く返事をする。そんな訳で、素っ気ない返事をくり返してゐたら、『1Q84 BOOK1』に登場する「ふかえり」のやうな話し方になってゐることに気がついた。


6月1日(月)

 村上春樹『1Q84 BOOK1』(1800円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。昨日ほどではないが、まだ咳が出て読書が中断される。早く消えてくれ。
 この本で、謎めいた高校生の文学賞への応募作品を編集者の依頼で手を入れる主人公(の一人)がこれは詐欺行為ではないかと悩むのだが、合作ペンネームといふことで何の問題もないのではないだらうか。どうして、主人公も、高校生の親代わりの人も、編集者も悩むのだらう。不思議でならない。ばれたからってそんなに大事件になって関係者たちの一生をめちゃくちゃにするやうな問題でもないだらう。もしかしたら、これは合作ペンネームといふものが詐欺行為と認識される世界の物語なんだらうか。もう一人の主人公は、警察官の制服が違ってゐたり、1981年に過激派と警察の間で銃撃戦があったりした世界へ迷ひ込んでしまったやうではないか。それなりに順調に進んでゐるが、まだ上巻の半分を越えた辺り。

 今日はマスクを着用して電車に乗ってみた。電車に乗って10分くらゐで強烈な咳に襲はれるから、何か私の喉を刺激するものだ電車の車内にあるのではないかと思ったからだ。東京の通勤電車ではマスク着用率は一割もないと思ふが花粉症に苦しむ人が増えてから、マスクをして電車に乗るのは全然奇異な姿でなくなってゐるから助かった。吐きそうになるくらゐの咳に襲はれることなく出勤できたのはマスクのおかげかと思ったが、帰宅時にマスクをせずに地下鉄に乗ってみたら、強烈な咳に襲はれることなく池袋に着いた。自然に収まってきただけかも知れない。私は咳に邪魔されずに本が読めれば、あとはどうでもいいのだが。


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