久しぶりにパンを焼いた。今の住まいに引っ越してきて初めてである。以前は安い電子レンジのオーヴン機能を使って焼いた。パンは上の方はよく焼けて下は柔らかくできあがった。ふわふわしたパンだった。それはそれで美味いのだが、私はもっとしっかりしたパンが欲しかったのである。噛むと歯を押し返すような力強いパンである。幼児のためのパンでは納得できないのだ。
さて、そんなことを云っていてもパン作りは始まらないので、材料を混ぜはじめよう。自分の日記を検索してみれば簡単だと思ったが、どういうわけか、普通のパンの分量が書いていない。薄力粉でバナナパンとか変なパンの作り方ばかり詳しく載っている。何を考えているんだ。いざというときに使えない日記である。そういうときは基本に戻って本を参考にしようと考えたものの、前に使っていた本が見つからない。引越し後の本の整理がまだ終わっていないのだ。ふと目に入ったのが、高橋雅子『少しのイーストでゆっくり発酵パン』(パルコエンタテインメント事業局/2007/1600円+税) [amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]である。前の職場を去るときに若い人たちが贈ってくれた本である。この本では、低温で一晩発酵させるというパンの紹介をしているのだが、気が短い人のための作り方も併記されているのが嬉しい。私は気が短いのだ。
強力粉250g、塩小さじ1弱(4/5くらい)、砂糖小さじ2、ドライイースト小さじ1、牛乳150mlを混ぜる。本に書いてあるのと若干違う。ドライイーストは箱に書いてある分量よりもかなり少ない。塩や砂糖は5 g以下の重量が測れる量りがなかったので、おおよその分量。水の代わりに牛乳を使用した。以前の経験で、牛乳の方が美味いということになっているのだ、我が家では。
牛乳は室温くらいには温めておいて、上記の材料を全部混ぜる。混ざったら、手で捏ねる。十分くらいか。丸めて室温で一次発酵。夏なので室温である。2時間くらい。6分割して丸めて二次発酵。粉を振って、切れ目を入れて、210度に予熱したオーヴンで15分焼いた。
出来上がった。
以前よりも全体がこんがり焼けている。切れ目の入れ方が少なく、もっと深く入れていいのだと判った。次回からもう少し深くしよう。少し冷えてから食べてみる。外はパリッとしていて、中は弾力のあるパンである。この弾力である、私が求めていたのは! ガスオーヴンの力は偉大だ。もちろん、電気オーヴンでもいいのだろうけど、安い電子レンジのオーヴンとは大違いだ。ガスオーヴンを入れてよかった。
写真は何だか本物よりも色が濃い。もう少し明るいパンなのだが。これはパンの問題ではなく写真撮影の腕の問題だ。その辺も少し腕をあげたいものだ。
これから毎週パンを焼こう。
蒸し暑くて本欄の更新も滞りがちな今日この頃、食虫植物のハエトリソウにとっても厳しい季節は始まろうとしている。でも、その厳しい季節の始まりに花を咲かせてしまう。自生地では問題ないのだろうけど、日本の夏はハエトリソウにとっては厳しいようだ。だから、花芽は早めに摘んでしまうように勧めている本も多い。でも、今年は咲かせてみた。
本体の方に焦点が合っているようだけど、今年はまずまず元気に育っている。北側のベランダに置いてあって、朝だけ直射日光が当たる場所だ。真昼の日光は直接あたらないし、ベランダの床が焼けるように熱くなって、水苔ごと茹だってしまうこともないだろう。今年は元気に夏を越してほしいものだ。
種をとって発芽させて育てるのは大変である。株にも負担になるから、花がいくつか咲いたら摘んでしまおうと思っている。
時計を買った。時計なんて要らないのではないかと思っていたのだけど、やはりないと不便なものである。本棚が白いので、白い時計を買った。陶器の白で、文字のところは凹んでいるだけ。美しいのだが、視認性は必ずしもよくない。写真は、照明の光の色のせいか、真っ白という感じがしないが、しっとりとした白なのだ。白が欲しいと思って、インテリアショップルーミーに註文した。1万円+税金だった。あといくつか時計は買わなくてはならないようだ。
時計を置きたいと思った書棚の上は、壁がコンクリートなので釘を打てない。木の板で設置台を作った。台が見えても違和感がないように白く塗った。あまり目立たないようにはできた気がする。
かちかちかちという音がしないところもいい。私は実はあのかちかちいう音が苦手である。気になると耳から離れなくなり、気が狂いそうになる……というのは大袈裟だが、気になるので耳にイヤホンを差し込んでバッハを聴きたくなってくる。そういうものである。
neuerdings.comで見つけた変なタイプライター。この頃めっきり使わなくなったけれども、昔は欧文の手紙はタイプライターで打っていた。英米の書店に註文をするのもタイプライターで打った手紙だった。返事もタイプライターで打った手紙だった。カーボン紙で複写したものだったりすることもあった。レーザープリンタではカーボン紙は使えない(必要もないけど)。
手動だと小指で打つq,a,zやp.?が薄くなったり、.や,が紙を突き破ったりしたものだ。電動になったらほどよい力で打ってくれるので、仕上がりが綺麗になった。タイプライターはぱしぱし紙を叩く音が如何にも文を打っていますという感じがしたのだが、レーザープリンターはうぃ~んという唸り声しか聞こえない。
そんな物足りなさを抱いている人のために登場したのがUSBタイプライターである。まずは動画をごらんいただきたい。
キーを叩いていくと、液晶画面上のウィンドウ内に文字が入力されていく。文章を書くときに懐かしい手触りのキーで入力ができるというわけだ。いまどき、どれほど「懐かしい」と思う人がいるか判らないが。PS、Mac、あるいはiPadで使えると書いてあるのだが、ノート型コンピュータの本体部分はどこにあるのだろう。この動画や写真ではよく判らない。自作キット、カスタム註文など何れも350ドル。
渋谷区大山町の倶会櫻聴院が今日から取り壊しになっているらしい。見に行っておいてよかった。といってもよく見えなかったのだが。新築当初は家賃月120万円で外国のトップエクゼクティブが競って住んでいて繁盛したとか。