相変わらずベーグルを作る週末である。が、なかなか思うようなものができない。妙に膨らんでただ環状の普通のパンのような食感になったりしては、何がいけなかったのだろうかと頭を悩ませながら眠れない夜を過ごしたものだ。その末に得られた結論は大したことはなくて、普通なら3分くらい考えれば判りそうなものだ。水加減である。水が多すぎれば膨らんでしまうし、少なすぎれは捏ねるときにうまくいかない。小麦粉の種類によって最適な水の添加量が変わってくるし、私が深く執着するバナナ・ベーグルだと、バナナの状態によっても変ってくる。簡単に強力粉○○gに対して水××ml と決められないところが難しい。
昨日作ったベーグル。強力粉375 g、塩6 g、砂糖22.5 g、ドライイースト小さじ1、水185 mlくらい。かなり水が少なめである。水が少ないと捏ねるのが大変ということと、環状化したものが、茹でるときに離れてしまいがちなのである。かなりしっかり自分の尻尾をくわえこませても、湯の中で口を放してしまうのだ。もっとしっかりくわえておけ、歯を食いしばれと叱りつけてもどうにもならない。口を放してしまったベーグルは、何となくカブトムシの幼虫に似ている。6分割するつもりが、間違えて8分割してしまった。甲虫の幼虫が八匹いるみたいである。
一昨日作ったバナナ・ベーグル。バナナ141 g(二本)、強力粉175 g、塩2.8 g、砂糖10.5 g、ドライイースト小さじ1、シナモン少々である。水は加えない。バナナの水分のみである。普通のベーグルに比べて肌の艶が悪い。美しくない。尻尾もしっかり銜えていない。でも、味はよかった。
ベーグルに頭を悩ませる夜はまだまだ続きそうである。
朝顔日記も今日で終わりである。今年の朝顔はあまり調子がよくなかった。暑すぎたのか。今は、フライングソーサーとスター・オブ・イェルタが咲いているくらい。スター・オブ・イェルタは、暑くて苦しい日々が続いていた頃、花が開かないうちに、萎れてしまっていたのだった。蕾はたくさんあるのだが、いつ開くのかなと思っているうちに、昼になって萎れてしまう。どういうことか、朝顔のくせにと憤っていたものの、その気持ちスター・オブ・イェルタには通じなかった。涼しくなってようやく綺麗に花を開くようになったが、もう葉はほとんど落ちてしまって悲しい状態になっている。朝顔は葉もそれなりに青々としていないと美しくないのだということがよく判った。
しばらく前のことだが、桔梗咲き朝顔の雄蕊が抜き取られるという事件があった。朝、朝顔を眺めているときに、いくつかの花で雄蕊が抜き出されているのに気がついた。完全にどこかへ持ち去られたわけではなく、引き抜いた奴は少し手前に置いていくのだ。誰だ。そして、何のために。身長1 cmくらいの小人がいるのではないかと思うのはこんなときだが、何のためなのかは判らない。単なる嫌がらせか。
論文のpdfファイルをどう管理するか、頭を悩ませていた。実は、前に本欄に書いたことがあるのだが、Amazon S3を使ってファイルを保存し、その論文のタイトル、著者、内容などで検索、ダウンロードできる仕組みを自分で作り、これが便利だと一人で悦に入っていたのだった。ところが、Ubuntuのアップグレードの際に事故があって、バックアップ用内蔵ハードディスクの内容が、二年前までしか読めなくなったことがあったのだ。どうしてそんなことになったのかは判らない。システムのインストールはハードディスクを初期化してのものだったので、二年分の記憶が消えてしまったというわけだ。発狂しそうになったが、私がいくら慌てたり喚いたり、祈ったり歌ったりしても、記憶は戻ってこない。その失われた記憶に含まれていたのが、自作の論文管理システムだ。悲しみのあまり、半年くらい放置していたのだが、やはり仕事に差し支えるので、何とかしようと思った。しかし、また自作する元気はない。なにか既製品でいいのはないだろうか。
私が求める条件は、MacOSXでも Ubuntuでも同じように使えるということ、オンラインで同期できること、できればpdfファイルはどこかのサーバー上に保存できること(自分のコンピュータに事故があってもファイルは失われないように)、もちろん、いろいろな検索ができること、そして安価であることである。そんな夢のようなものがあるのかと思って探してみると、あった。便利な時代になったものだ。Mendeleyという。まずは、Ubuntu版をインストールしてみよう。説明にしたがって進めていけば簡単である。私は10.04なので、 /etc/apt/sources.listに下の一行を付け加える。
Lucid/10.04: deb http://www.mendeley.com/repositories/xUbuntu_10.04 /次にterminalから、次のようにして、melendydesktopをインストールする。
sudo apt-get update sudo apt-get install mendeleydesktopいろいろ表示されて、インストール終了である。完了後、
mendeleydesktopと打てば、動き始める。メニューの「Applications->Education」にも、Mendeley Desktopという項目が現れるので、これを選んで起動することも可能。
私の場合、自分で溜め込んだpdfファイルを管理したいので、左上のAdd Documentsをクリックして、ファイルを保存しているフォルダを指定すると、そこからタイトル、著者、Journal名、要旨、本文などを自動的に抽出してくれる。あまり見慣れないJournalの場合、抽出に失敗することもある。そんなときは、自分で手動で追加したり変更したりできる。
右上のSync Libraryをクリックすると、Mendeleyサーバにファイルが保存されて、自分のハードディスクが壊れてもファイルを失わなくてすむ。ファイルの保存容量は500 MBまで無料。3.5 GBまで月に5ドル、7.5 GBまで10ドルである。私のpdfファイルの容量を調べてから、有料版にアップグレードしようかと考えている。
Microsoft WordやOpenOffice.orgと連動して、論文の引用文献リスト作成機能を使える。これは便利である。が、私は論文を書くときはLaTeXを使うことが多い。そんなときは、BibTeX出力機能を使えばいいだろう。
論文にメモを貼り付けたり、強調線を引いたりできる。とにかく、何かと便利なようなのだ。
以前、vimを使っているときに、●のような記号の位置がずれて困ると書いたのだが、mltermというのを使うと大丈夫らしい。多言語ターミナルだという。これが、なんと驚くべきことに、縦書きにも対応しているとか。Linuxでも縦書き入力が可能になるのだろうかと喜んで、早速試してみた。
Ubuntuの場合、Synapticでもapt-get installでも、好きな方法でmltermをインストールすればよい。三項目のインストールが実行されると思う。
次は設定である。ホームディレクトリに、.mltermというディレクトリを作り、まずmainという設定ファイルを作る。
receive_string_via_ucs = true col_size_of_width_a = 2 use_cp932_ucs_for_xft=true not_use_unicode_font=true only_use_unicode_font=false iso88591_font_for_usascii=false compose_dec_special_font=false use_anti_alias = true fontsize = 16 line_space = 3
実はよく判っていない。フォントサイズは小さい字が好きな人は12とかにすればいい。行間隔はちょっと開けた方が読みやすい。
さて、これで日本語を入力したり、表示させたりできるようにはならないのだ。私が英語環境のUbuntu 10.04をインストールしたせいかもしれない。フォントの設定をしなければならないのだ。アンチエイリアス表示をさせているので、Osakaにしてみようと思った。
ISO8859_1=Courier 10 Pitch-iso10646-1; JISX0201_ROMAN=Osaka-iso10646-1; JISX0201_KATA=Osaka-iso10646-1; JISX0208_1983=Osaka-iso10646-1; JISX0208_1990=Osaka-iso10646-1; ISO10646_UCS2_1_BIWIDTH=Osaka-iso10646-1;
こんなふうに設定した。最初は12ポイントだった。
アンチエイリアスにならないじゃないか。フォント設定をIPA明朝にしてみた。
ISO8859_1=Courier 10 Pitch-iso10646-1; JISX0201_ROMAN=IPAPMincho-iso10646-1; JISX0201_KATA=IPAPMincho-iso10646-1; JISX0208_1983=IPAPMincho-iso10646-1; JISX0208_1990=IPAPMincho-iso10646-1; ISO10646_UCS2_1_BIWIDTH=IPAPMincho-iso10646-1;
こんなふうになった。よく見ると字体が違っている。
フォントはちゃんと反映されていたようだ。字が小さいからアンチエイリアスがかからないのか。16ポイントにしてみた。
IPA明朝だとアンチエイリアスはかからない。
次に、mlterm -G cjkとやって立ち上げてみると、vimで縦書き入力が可能になる。
しかし、vimだけが縦書きになるわけではなくて、ファイル一覧も何もかも縦書きになってしまうわけだ。移動の方向も、左がjで右がk、上がhで下がlと実に判りにくい。行の方向から考えれば当然なのだけど、体がそう反応しない。でも、これで一行20文字で入力できるようになれば、原稿用紙に文字を入れているような感じで文章が書けるかも。
でも、そんなに使わないような気がしてきた。このフォント設定に、今日何時間使ったことか。虚しい。といいながら、縦書き用フォントを探していたりするのである(句読点や括弧の方向がこれでは変なのだ)。諦めていないということだろう。
まずは、普通のベーグルをいつもの分量の1.5倍にして作ってみた。強力粉375g、ドライイースト小さじ1.5、塩6g、水210mL、砂糖22.5g、モルトエキス少々という具合。いつもと同じように捏ね始めたのだが、何だか柔らかい。ふにょふにょである。疲れていたのでそのまま作業を続行。ふっくら膨らんで、私好みのみっちりつまったベーグルではなく、ベーグル型の普通のパンに近いものになってしまった(もちろん、表面の感じなんかはベーグルらしさを保っているけれども。来週は水分が多すぎないように気をつけよう。
さて、ベーグルといえば、小麦粉と塩、砂糖、イースト、水のみで作るものだというような感じで、その他のものを入れるのはベーグル擬(もどき)であるかのごとく書いている本もある。そうなのか……と思いながらもバナナで作ったのが前回だが、今回は水の代わりに牛乳を使ってみた。
強力粉250g、ドライイースト小さじ1、塩4g、牛乳140mL、砂糖15g、モルトエキス少々という割合である。こちらはブルーベリー・ベーグルにする予定なので、ブルーベリージャムを少し加えた。前回はブルーベリージャムを加えたら、べとついて捏ねるのが嫌になったが、今回は快調である。ジャムの添加量をやや少なめにしたせいか、牛乳のせいかは判らない。通常の手順で仕上げてみると、特別変った感じはしなかった。ネット上の情報では、皮がさっくりした感じになるとか、中のもっちり感が増すとかいう記載も見受けられたが、私はあまり違いは感じなかった。しばらく、使い比べながら比較していきたい。
安定して再現性のあるベーグル作りができるという状態にはほど遠い。まだまだである。