5月31日(日)

 いつもより2時間くらゐ遅く起きる。今日も咳が出る。治るどころか酷くなったやうな気がする。苦しい。咳が出ると本も読めない。

 書評情報のページで日経ビジネスオンラインの書評情報(「書物漂流」と「超ビジネス書レビュー」)が四ヶ月くらゐ取得できてゐないことに気づき、修正した。なかなか気づかないものなのである。中には気づいてゐてもどうしようもないものもあるのだが。

 そんなこんなでもう昼である。午後は夕食を作ったりしながら、村上春樹『1Q84 BOOK1』(1800円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。咳をしながら、ときどき昼食が胃から出てきさうになったりする。まだ第七章。今のところ読みやすい。『アフターダーク』、『海辺のカフカ』も駄目だったので、そんな感じにならなければいいのだが。ちなみに、『ねじまき鳥』は最初の方で挫折してゐる。穴に落ちた辺りだったか。

 明日から六月。もっともっと本を読まう。たくさん読めば咳も止まるかも知れない。


5月30日(土)

 いつもより少し遅く家を出る。ジェフ・ハウ『クラウドソーシング』(1400円+税/ハヤカワ新書juice)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。しかし、あまり捗らない。また咳のせゐである。昨日よりも酷くなったかも知れない。何ともないときは平気なのだが突然激しい咳の発作に襲はれる。体を折り曲げ吐きそうになるくらゐの咳をしなければならなくなる。咳をするのも辛いが、それを我慢するのはもっと辛い。電車の中であまりげほげほしづらいから我慢するのだが、それは辛い。今朝も各駅停車に座って本を読んでゐたときに、ちょっと咳をしたら、4人分くらゐ離れたところに座ってゐた神経質さうな若い男が立ち上がって遠くに移動した。よほど怖いんだらう。残念ながらインフルエンザではないのだ。丸ノ内線に乗ってからの咳は激しくたうとう後楽園で降りて、しばらくベンチで息を整へなければならなかった。それにしても土曜日で空いてゐてよかった。

 咳が酷いので昼過ぎに帰る。この咳では食事に店に入るのも難しい。本当はそろそろ床屋に行きたかったのだが、それも無理だらう。仕方がないので、池袋のジュンク堂で本を買って帰る。もう寄れる店は本屋くらゐである。
●村上春樹『1Q84 BOOK1』(1800円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●村上春樹『1Q84 BOOK2』(1800円+税/新潮社)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を買った。ニュースでも話題の本である。ジュンク堂でも専用の台にたくさん載ってゐた。ここまで売れてゐると恥づかしいやうな気もするが、もうさういふ感覚が薄れてきてゐるので平常心で購入できる。年を取るとさういふところはいいと思ふ。おそらく高校生のときだったら、こんな本買ふかって顔をして通り過ぎたに違ひない。当時はオンライン書店もなかったから、買ひ逃してきっと後で後悔するのだ。
 クラウドソーシングの本が終はったら読んでみようか。『ノルウェイの森』以降、どうも好みと合はなくなってしまったのだけど、さう云ひながらもほとんど買ってゐるのである。


5月29日(金)

 クリス・エヴァンズ『鉄のエルフ2 赤い星』(月岡小穂訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。話は全然終はってゐない感じである。延々と戦ひが続いて、結局何だったのかよく理解できない。次巻を読めば判るといふことなのか。

 夜に入って再び頭痛。今日も右側。喉もときどき試験管ブラシを突っ込んでがしがし動かしたくなる状態になる。やれやれ。


5月28日(木)

 クリス・エヴァンズ『鉄のエルフ2 赤い星』(月岡小穂訳/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。今日はあまり読書が捗らない。それは咳がとまらないからである。やれやれ。

 熱は全然ないのだけど、咳がとにかくとまらない。昔からさうだった。いったん酷い咳が始まると止まらないのだ。三ヶ月くらゐこの状態が続く(かも知れない)。このご時世、電車の中で体を折り曲げるやうにして激しい咳を続けてゐたら、周囲に恐怖を与へるだけでなく、自分の身も危険なやうな気がする。電車の中で咳をするのが怖い。

 早めに帰宅することにし、途中で池袋東武の旭屋書店に寄り、
●星澤隆『Rubyでつくる検索エンジン』(3400円+税/毎日コミュニケーション)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。面白さう。

 右目の上の辺りから頭痛が。早く寝なければ。


5月27日(水)

 クリス・エヴァンズ『鉄のエルフ1 炎が鍛えた闇』[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。目新しさは全然感じないのだが、面白い。もしかしたら、私は暑苦しい密林の中を行軍する話が好きなのかも知れない。決してそんな体験をしたいと思ってゐるのではないのだが。もしかしたら、それだけは嫌だと思ってゐるから、つい読んでしまふのか。

 紀伊國屋書店から、『西洋中世奇譚集成東方の驚異』(池上俊一訳/講談社学術文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ジェフ・ハウ『クラウドソーシング』(1400円+税/ハヤカワ新書juice)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、天野郁夫『大学の誕生 上』(940円+税/中公新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、アーサー・C・クラーク『ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク1 太陽系最後の日』(中村融編/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、ロバート・アスプリン『ドラゴンズ・ワイルド』(矢口悟訳/980円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。本は届いたが、咳がひどいので、今日はとりあへず寝よう。もっと本を買ったら、喉も治るだらうか。この咳には文庫本20冊くらゐは必要なんぢゃないかと思ふのだが。


5月26日(火)

 マイク・ブラザートン『スパイダー・スター 下』(中原尚哉訳/各780円+税/ハヤカワ文庫SF)[紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。これで一体終はるのかと心配にもなったが、ちゃんと辻褄が合って終了。最後が家族の物語になるところ、そのほのぼのとして我が家の雰囲気はちょっと馴染めないところ。普通の人なら感激できるだらう。その前の大宇宙の話は迫力があって味はひ深い。

 クリス・エヴァンズ『鉄のエルフ1 炎が鍛えた闇』[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。兵士が主人公の異世界ファンタジイとしてはさほど目新しさは感じないのだが、これから感心させてくれるのだらうか。期待はしてゐる。

 咳がひどくなってきたのに閉口する。いや、咳をすると口を閉めてゐられない。関係ないけど。


5月25日(月)

 数日前に鼠肉の話がニュースになっていたので、鼠肉のことで頭がいっぱいになった話は、別館の方に書いたのだけど、まあ、そこに書いたやうにUnmentionable Cuisineといふ本が欲しくなったのである。口にするのも憚られる料理といふ意味だらうか。
○Calvin W. Schwabe Unmentionable Cuisine [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
を紀伊國屋書店に註文した。どんな料理が載ってゐるのだらう。鼠とか蛇とか、さういふものだらうか。昆虫、節足動物はちょっと嫌だな。蝗くらゐなら食べても平気だけど。

 昨日註文したTerence Conran Storage: Get Organized (Conran Octopus, 2009/05) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]がAmazon.co.jpからもう届いた。早い。収納に関する本だから、もちろん書籍の話ばかりではないのだが、書棚の写真はたくさん載ってゐるし、Booksといふ章もある。でも、まだ読んでゐないので、どんなことが書いてあるのかは判らない。

 通勤時には、マイク・ブラザートン『スパイダー・スター 下』(中原尚哉訳/780円+税/ハヤカワ文庫SF)を読む。もうすぐ終はる。ああいふ場面で「神は存在するか」なんて日本人だったら訊かないだらうと思った。それを確認することが個人にとって重要な意味を持つといふのが私にはよく理解できない。確認してもしなくても状況は何も変はらないではないかと思ってしまふのである。


5月24日(日)

 まづは昨日のことから。久しぶりに紀伊國屋書店に本を注文した。
『西洋中世奇譚集成東方の驚異』(池上俊一訳/講談社学術文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジェフ・ハウ『クラウドソーシング』(1400円+税/ハヤカワ新書juice)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●天野郁夫『大学の誕生 上』(940円+税/中公新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●アーサー・C・クラーク『ザ・ベスト・オブ・アーサー・C・クラーク1 太陽系最後の日』(中村融編/1000円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ロバート・アスプリン『ドラゴンズ・ワイルド』(矢口悟訳/980円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上五冊。ハヤカワ新書juiceはずいぶん高いなあ。

 仕事の帰りに池袋のジュンク堂書店に行った。ふと、もう何年も池袋のジュンク堂に行っていないことに気づいたのである。今月行ったのは福岡のジュンク堂だった。数年ぶりかも知れない。数年ぶりに来て手ぶらで帰るわけには行かない。なぜかと訊かれると困るのだが、さういふものである。
●川本静子・佐藤宏子編訳『ゴースト・ストーリー傑作選』(3200円+税/みすず書房)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●矢部智子『本屋さんに行きたい』(1600円+税/アスペクト)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●廣野由美子『ミステリーの人間学』(780円+税/岩波新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●雨宮処凛『ロスジェネはこう生きてきた』(720円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●上阪徹『六〇〇万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(760円+税/角川SSC新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上五冊註文。どうして前半の五冊がオンライン書店で、後半の五冊が実際の店舗で購入したのかは、あまり深い理由はない。

 駅から歩いて帰る途中で雨が降り出す。傘がなくても全然問題ない程度であったが、帰宅して十分もしたら激しい雨に。危ないところだった。本が濡れなくて本当によかった。

 日曜日、目が覚めると喉が痛くなってゐた。風邪だらうか。もう何年もひいてゐないので、これが風邪なのかどうかよく判らない。風邪だからといって何かする訳でもないので、本を読んだり朝顔を植ゑ替へたり。朝顔の双葉が開いたくらゐの苗にカメムシが多数押し寄せてゐて狼狽へる。既に萎れかかってゐる苗もある。

 上阪徹『六〇〇万人の女性に支持される「クックパッド」というビジネス』(760円+税/角川SSC新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。私も何度か見たことがあるサイトである。この頃は食事を作らないが、数年前は参考にしたこともある。が、Googleなどで検索して見つけることが多く、正面から入って行ったことは実はなかった。さうなのか、600万人も利用してゐるのか。午後四時になるとアクセスが急増するとは知らなかった。Rubyで構築してゐるとか、検索にかなり気を遣ってゐるとか、全然知らなかった。役立つサイトを好感を持てるやうに作っていけば人は集まってくるのだらう。そして、ここの場合は「料理を楽しくするために」という目的を常に失はなかったことが重要だらう。最後の方のインターネットはまだほとんど活かされてゐないといふ指摘は同感である。
 この中で「印刷したかどうか」を利用の判定に使ってゐたけれども、私は利用するときにも印刷はしなかった。手で書き写して流れ図みたいなものを作成するのである。みんな料理の時にはフローチャートを作るのかと思ったら、さうではないらしい。

 次に雨宮処凛『ロスジェネはこう生きてきた』(720円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。世代論はあまり好きではないのだが、ときどき読んでみたくなる。ここでいふロストジェネレーションは1972年から1982年生まれの日本人のことである。私より10〜20歳若い人々のことだ。だから、この人たちが生きてきた時代のことは大体知ってゐる。私の同級生たちは好景気のときに就職していったが、私は博士課程まで進んでさらに二年間アメリカの大学で研究してきたので、日本に戻ってきた年が、1972年生まれの人たちが大学を卒業する年だったはづだ。私は一般企業に就職したわけではないので、失はれた十年を辛く過ごしてはゐない。何れにせよ、仕事があって本当によかったと思ふ。今は博士号があっても仕事がなく路頭に迷ふ時代である。これを読んで、どうしてオウム真理教が信者を増やしたのか、堀江貴文に喝采を送ったのか、そして、自分たちを追ひつめる小泉純一郎を支持したのかが、前より少しだけ判ったやうな気がした。どれだけ追ひ詰められてゐるのか、私が理解してゐなかったのだらう。
 イラクにおけるアメリカ兵による捕虜の虐待と、アメリカの若者の貧困との関係については、この本を読んで初めて気がついた。

 住まひの本を読んだら、本の収納(書庫)の本を買ひたくなってきた。そこで、Amazon.co.jpに、
○Tina Skinner Home Office, Library, And Den Design (Schiffer Publishing, 2003) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
○Terence Conran Storage: Get Organized (Conran Octopus, 2009/05) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]
の二冊である。二冊目の方は、以前ハードカバーが出てゐたやうなのだが、今月ペーパーバック版が出たのである。安いのでペーパーバックにしたが、表紙に書棚が写ってゐるのはハードカバーなのである。ちょっと残念。実はこの本、邦訳がある。『テレンス・コンランの収納術』(エクスナレッジ/2006年)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]である。しかし、書籍購入費節減のために英語のペーパーバックを註文する。

 さっきから激しい雷鳴が響いてゐる。停電しなければいいのだが。喉も痛いからもう寝ようか。


5月23日(土)

 マイク・ブラザートン『スパイダー・スター 上』(中原尚哉訳/各780円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。まだ上巻だけなので何とも云へない。

 11日にAmazon.co.jpに註文した住宅関係の本が届く。鈴木隆『リフォームを真剣に考える』(700円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を早速読んでみたがあまり面白くなかった。買ひものに関する一般的なことが多いやうな気がする。その一般的なことを見失ってしまふのだよといふ指摘は判るのだけど。

 久しぶりに紀伊國屋書店に本を注文し、久しぶりに池袋のジュンク堂書店に寄って本を買ったのだが、今日は眠くて正確な記載ができさうにないので、残念ながら明日詳細を記すことにしよう。

 SFマガジン七月号[Amazon.co.jp]をいただきました。ありがたうございました。今月の特集は、「伊藤計劃追悼」と「劇場版「スター・トレック」公開記念特集」。


5月22日(金)

 ナギーブ・マフフーズ『シェヘラザードの憂愁—アラビアン・ナイト後日譚』(塙治夫訳/2800円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。傑作である。正気と狂気、妄想と現実、幻想と怪奇、不安と恐怖、信仰と安らぎの物語である。そして、真理に至る道の物語である。それでもやはり私は本書を、『千一夜物語(アラビアンナイト)』を全く読んだことのない人には勧めない。

 出勤途中で上の本を読み終はってしまった。今日は発狂することもなく、Lorna Barrett Murder Is Binding (Berkley, 4/2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を読みながら出勤を続けられた。それなりに順調に進んでゐる。

 マイク・ブラザートン『スパイダー・スター (上・下)』(中原尚哉訳/各780円+税/ハヤカワ文庫SF)[上amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]/下紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を訳者の中原尚哉氏からいただきました。ありがたうございました。


5月21日(木)

 ナギーブ・マフフーズ『シェヘラザードの憂愁—アラビアン・ナイト後日譚』(塙治夫訳/2800円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手にとって出勤。今日読み終へるはづだったのだが、帰りの電車の中では意識が消えさうになるなどして、少し残ってしまった。

 既に過飽和の状態になってゐるとしか思へない新書市場に今から参入するのがハヤカワ新書juiceである。第一回配本は、 『クラウドソーシング』[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と『ミラーニューロンの発見』[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]である。どちらも面白さうではある。ただ少々値段が高い。「普通の新書より左右が少し大きなサイズを採用」するさうで、また書店ですぐにカバーをかけられない不便な大きさになるといふことなのか。新書新刊情報に新着情報が追加されるやうに設定。


5月20日(水)

 ナギーブ・マフフーズ『シェヘラザードの憂愁—アラビアン・ナイト後日譚』(塙治夫訳/2800円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手にとって出勤。妖霊の気まぐれに翻弄される人間たちの物語である(こんなふうにまとめてはいけないやうな気がする)。昔、『千一夜物語(あるいは「千夜一夜物語」あるいは「アラビアンナイト」)』を楽しんだ人ならこの本を手にとって読むべきだと思ふ。楽しまなかった人は、蘇ってくる背景世界がないから、お勧めできないが。

 旭屋書店で、日経Linux六月号(Amazon.co.jp)を購入。Linux軽量化の特集がちょっと気になって。

 Amazon.co.jpで、三ヶ月ぶりにマヌカはちみつ 500gを購入する。私はこいつの弱い中毒になってゐるのかも知れない。私は体にいいなんていふことは全く考慮しないので、逆にさういふことを好む人たちが喜ぶ食品は避けたいところなのだが、この味に逆らへないのである。不健康な食品と思はれるやうになればきっともっと安くなるに違ひない。

 

5月19日(火)

 ドン・タプスコット『デジタルネイティブが世界を変える』(栗原潔訳/2400円+税/翔泳社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。昨日紹介した八つの特徴を中心にして、ネット世代が社会や制度とどのやうに関わっていくのかを考へる内容となってゐる。われわれは本当に大きな変化のときを経験してゐるのだらうか。よく判らない。暇を持てあましてゐる者が莫迦なことを書き込むだけなのか。よく判らない。だから、注目しておかうと思ふ。

 さて、明日から何を読まうか。


5月18日(月)

 ドン・タプスコット『デジタルネイティブが世界を変える』(栗原潔訳/2400円+税/翔泳社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。なかなか面白い。ネット世代の八つの行動基準として、「自由」「カスタム化」「調査能力」「誠実性」「コラボレーション」「エンタテインメント」「スピード」「イノベーション」をあげてゐる。旧世代とは相容れない部分があるが、決してネット世代は能力や学力が劣ってゐる訳ではないといふことを一つ一つ検証しながら進めてゐる。まだ三分の一くらゐしか読んでゐないけれども。
 ネット世代に悲観的なのが、中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの』(760円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]なので、読み比べると面白い。着目点がまったく違ふから比較はできないけれど、比較できないほどまったく離れた世界のことを語ってゐることを知るだけでも、読み比べる意味があると思ふ。

 最近、備忘録のページが面白くない。今後どうしようかなと思ふこの頃である。あってもなくてもいいやうな気がしてゐるので。


5月17日(日)

 朝起きて、昨日の本欄を読んで驚いた。もう日本語の文になってゐないのである。打ち間違へと変換間違へがそのまま残ってゐたり仮名遣ひの間違ひがあったり、ひどいものである。もう直したけど。あれは眠ってしまったからだ。書きながら眠ってしまふのだ。毎晩、今日こそは早く寝ようと思っても、一日の最後の仕事である本欄の記入の最中に眠ってしまふので、書いては直し書いては直すものの、途中で眠ってしまふので、何度直しても日本語にならない。五分で終はる予定が一時間くらゐかかってしまって、結局また睡眠時間が減ってしまふ。そこまでして書くほどのものかと思ふけれども、書かないと落ち着かないのだ。

 けふはまだ早いから大丈夫だ。

 三木聡『インスタント沼』(1600円+税/角川書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。最初はふざけた云ひ回しが妙に気になったのだが、途中から調子が良くなってきた。やることなすことうまくいかない泥沼に沈むやうな日々の主人公が妙な体験をする楽しい話である。結末は意外にも現代ファンタジイである。これは今月下旬に公開される映画の原作だといふ。多分私は観に行かないだらうが、面白さうではある。

 恩田陸『訪問者』(1600円+税/祥伝社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。死んだ映画俳優の遺言を持って湖畔の豪邸にやってくる弁護士を迎へたのは、遺言でその中に父親がゐると記されてゐる兄弟と親族である。嵐で外出できなくなったり、過去の意外な秘密を登場人物たちが語り始めたり、恩田陸によくある設定である。安心して楽しめるが、読み終へたときに少々物足りなさを感じるのは恩田陸を読み過ぎてしまったからだらうか。

 ドン・タプスコット『デジタルネイティブが世界を変える』(栗原潔訳/2400円+税/翔泳社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。このデジタルネイティブといふのは、1980年代後半から2000年くらゐまでに生まれた世代のことを指してゐるやうだ。1980年半ばには既に大学生になってゐた私は当然この世代ではない。今の大学生や、大学院生がその世代か。ついでに私の娘もさうだ。まだ最初の方だが、今日はくれくらゐにしておかう。

 その他、「Amazon似たもの検索」(日本版米国版)を修正してみたりした。Graphvizをインストールされてゐなくて全然動いてゐなかったのだ。いろいろ調整して一通り動くやうになった。


5月16日(土)

 ここ数日、Lorna Barrett Murder Is Binding (Berkley, 4/2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を読みながら通勤してゐる。殺された隣の古書店主の意外な過去・姉妹・娘などの情報が明らかになってきたところ。本や本が好きな人間に関する話が期待してゐたよりも(実はほとんど期待してゐなかった)いろいろあるので、最後まで読んでみようとは思ってゐる。

 三省堂書店本店で、
●山本義隆『熱学思想の史的展開3 熱とエントロピー』(1400円+税/ちくま学芸文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。1987年に現代数学社から出たものを大幅に加筆・修正してゐる。エントロピーといふ概念にどのやうにして到達したのかを軸に記されてゐるやうだ。私もエントロピーの誕生には大いに関心があるので買ってみた。やはり第三巻だけではなくて、第一巻と第二巻も買ふべきだらう。でも、第二巻の小口の部分にやすりを掛けてゐないのが見つからなかったのだ。そんなことで本を選んではいけないのだけど。

 三省堂本店では我慢してゐたのだが、池袋に着いた頃にはどうしても本をもっと買ひたくなって、旭屋書店で次の本を購入した。
●ジェイ・エイモリー『海賊船ベヘモスの襲撃』(圷香織訳/1500円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ドン・タプスコット『デジタルネイティブが世界を変える』(栗原潔訳/2400円+税/翔泳社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●恩田陸『訪問者』(1600円+税/祥伝社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●三木聡『インスタント沼』(1600円+税/角川書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
 以上四冊。エイモリーはシリーズ第二作なのだが、第一作が手元にあるかどうかを確認しなければ。『インスタント沼 』は、文が面白さうだと思って買ってみたのだが、どうも面白くない。もっと読んで確認したいが、けふは眠くて、もうだめだ。


5月14日(木)

 マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟 下』(黒原敏行訳/629円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]読了。ユダヤ人居住区がアメリカにあったといふ世界の話。イスラエル建国に失敗したユダヤ人社会とアメリカ合衆国の陰謀を、くたびれた中年警察官があるチェス名人の殺人事件をきっかけに知ってしまふ。面白く一気に読めるが、ユダヤ人のことに日本人はあまり馴染みがないので判らない部分が多い(のだらう)といふことと、平行宇宙といふ舞台であるもののSF的な面白さはないといふのが、私のささやかな不満である。


5月13日(水)

 マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟 下』(黒原敏行訳/629円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を半分くらゐまで。なかなか面白くなってくる。が、今日は(今日も)眠くて意識が消えてしまふ。とりあへず、寝なければ。


5月12日(火)

 マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟 上』(黒原敏行訳/590円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。明日から下巻へと進む。所謂平行宇宙の警察小説。世界はいつ分岐したのだらうか、何がどう違ってゐるのだらうかと気にし始めるとそればかり気になってしまふ。今のところ面白く読んでゐる。

 オンライン書店bk1で作家マップといふのが昨日から始まったさうである。サイト閲覧者のクリックを解析して、どの作家とどの作家が共通読者によってくりっくされたかを集計して解析するわけだ。でも、似たやうな感じのものは私も作ったんですが。Amazon似たもの検索(US版)といふのだが(日本版は絵がずれたところに表示されてしまふことにさっき気がついた。いつからかうなったんだらう。直しておかなければ)。しかも、随分前に。とはいへ、私のはISBNしか表示されなくて些か利用しづらい。そのせゐかどうかは知らないが、全く話題にもなってゐない。別にいいんだけどね。

 アメリカのSF情報誌Locusの五月号が届く。さういへばLocusのRSSの形式が大きく変はった。


5月11日(月)

妖精どもよ夜明けまで、この家のうちを駆けめぐれ

 マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟 上』(黒原敏行訳/590円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を手にとって出勤。なるほど改変世界の話なのだ。だからSF界の賞をいくつも取ったのかと納得する。まだ上巻の半分くらゐなので、話がよく見えてきてゐない。

 途中まで読んだものの、そのまま放置してゐたCharles Stross The Merchants' War [Amazon.co.jp]をやはり読んでおかうと思ひ、書棚を探してみたのだが、見つからなかった。

 なぜか、こんな本をAmazon.co.jpに註文。
●鈴木隆『リフォームを真剣に考える』(700円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●藤沢侑『「ダメマンション」を買ってはいけない』(1300円+税/ダイヤモンド社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
以上二冊。

 アメリカのSF情報誌LocusのRSS用URLが昨日あたりから変更になったやうだ。とりあへず、今日は寝よう。


5月10日(日)

 ジョナサン・キャロル『木でできた海』(市田泉訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み終へる。何だかよく判らない部分も残った感じである。でも、結局のところ、くり返しくり返し主人公は世界を救はねばならないのだらう。ちょっと怖い結末ではないか。

 上野川修一『免疫と腸内細菌』(700円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と辨野義己『腸内環境学のすすめ』(1200円+税/岩波科学ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。誰がどんなところに着目してゐるのかといふことなどを考へながら。仕事のための読書だが、後者はちょっと物足りない。

 加納朋子『スペース』(640円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読む。駒子シリーズ第三弾である。『ななつのこ』『魔法飛行』は読んだことは思えてゐるのだが、内容は全然覚えてゐない。が、この本を読むのには支障はなかった(と思ふ)。二つの作品が収録されてゐて、互いに表裏の関係にあるとも云へる。駒子ではない登場人物の恋の物語である。最後にはあっと驚く仕掛けもあって、なかなか忘れがたい印象を抱いて本を閉じることができた。仕掛けのことなどをここに書くわけにはいかないのが残念である。

 次に何を読まうかなと思ひ、ナンシー・クレスの〈プロバビリティ〉三部作を読みたくなり書棚を探し回ったが見つけられなかった。残念。

 朝顔の種を蒔く。ちょっと変はった八重咲きなど。それにしても暑い。


5月9日(土)

 ジョナサン・キャロル『木でできた海』(市田泉訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読みながら出勤。今日は330ページまで。今のところ何だかよく判らない。最後まで読んだらすっきりするんだらうか。このよく判らない状態が続くので前に英語で読んだときには途中でやめてしまったのかも知れない。自分が英語で話を読み取れてゐないんぢゃないかといふ不安に襲はれてしまふのである。後で日本語でよむと、それで良かったんだと思ふこともある。

 紀伊國屋書店から、金明哲『テキストデータの統計科学入門』(3600円+税/岩波書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]と 岩佐東一郎『書痴半代記』(667円+税/ウェッジ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届いた。テキストデータ解析の本は、基本的な解析手法を判りやすくまとめてゐると思ふ。最初の方でも指摘されてゐるが、ゲノム解析とテキスト解析は実に近い関係にあるのだ。

 三省堂本店で、
『新・幻想と怪奇』(仁賀克雄編・訳/1400円+税/ハヤカワミステリ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ネヴィル・シュート『渚にて』(佐藤龍雄訳/1000円+税/創元SF文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●テリー・グッドカインド『魔宮の凶鳥4 三つの解毒薬』(佐田千織訳/680円+税/ハヤカワ文庫FT)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●加納朋子『スペース』(640円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を購入。今日はもう眠くて倒れさうなので、とりあへず寝る。後で少し修正するかも。


5月8日(金)

 ジョナサン・キャロル『木でできた海』(市田泉訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を読み始める。他にも途中の本があったやうな気がするが、さういふことはあまり気にしないことにしてゐる。今読みたい本を今読むのだ。今日はとりあへず110ページまで。立ってゐるのに電車の中で眠気に負けてしまって途中から進まなくなる。やれやれ。
 しかし、何だか読んだことがあるやうな気がする。でも最後まで読み通した記憶はない。どうなんだらうと思って検索してみると、2001年3月に、ジョナサン・キャロルを読むが全然捗らないと書いてゐる。結局途中で止めてしまったやうだ。一体どこまで読んだのだらう。

 頭と首の後ろの方が痛いので今日はもう寝る。


5月7日(木)

 紀伊國屋書店から、『現場のプロから学ぶXHTML + CSS』(2800円+税/毎日コミュニケーションズ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、上野川修一『免疫と腸内細菌』(700円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]、辨野義己『腸内環境学のすすめ』(1200円+税/岩波科学ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]が届く。XHTML + CSSの本をぱらぱらと捲ってみるだけで、自分のサイトをあれこれ作り換へてみたくなってしまふものである。

 連休前に出た文庫の新刊で買ひ逃してゐたものを何冊か池袋東武の旭屋書店で購入。
●マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟 上』(黒原敏行訳/590円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●マイケル・シェイボン『ユダヤ警官同盟 下』(黒原敏行訳/629円+税/新潮文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ジョナサン・キャロル『木でできた海』(市田泉訳/1100円+税/創元推理文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●ブランドン・サンダースン『ミストボーン 1』(金子司訳/820円+税/ハヤカワ文庫FT)[Amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
『ユダヤ警官同盟』はネビュラ、ヒューゴー、ローカス賞というSFの賞を独占した作品。とてもそんな作品には見えないのだが、どんなものなのだらうかといふ不思議な気持ちを抱いて購入するわけである。
 さて、本を本屋で買ふときには、カバーを掛けてくださいと頼むことが多い。今日対応してくれた店員は、『ミストボーン 1』にまづ普通の文庫本用のカバーを掛けようとして失敗。次に新書用カバーを出してみるとこれは高すぎる。そこでそれを折り直して使はうとしてゐるので、お互い時間がもったいないやうな気がして、その本は結構ですからといってしまふ。この中途半端な高さは何かと不便だ。でも、確かに普通の文庫本だと文字が少ししか入らなくてページ数だけが増えていってしまふだらう。あんなに字を大きくしなくてもいいのにと思ふ。数年後には逆の意見になってゐるかも知れないが。

 今日は雨が降ってゐるので、これくらいにしておいた。


5月6日(水)

 今日は明日の仕事の準備に忙殺されて、本を読んだり本を買ったりできなかった。本を買ったり読んだりするのは仕事ではないのだ。少し仕事だったりすることもあるけれど、私の本業ではないのである。優先させなければならないこともあるわけだ。そんな訳で、今日は何も書くことがない。さういふ日もある。

 昨日サラセニアを水没させてみたのだが、水から出して数時間もすると新しいアブラムシが飛来するやうだ。サラセニアは水草でないので四六時中水没させておく訳にはいかない。やはり薬を使った方がいいだらう。

 海外SF情報の自動情報収集スクリプトを少し修正したのだが、最後まで整へる時間がなく、途中のまま。さういふ日もある。

 DropboxのPublicフォルダ内に作った嘘の新日記を何食はぬ顔をして更新していってみようかとふと考へてみた。が、そんなに書くやうなこともない。そんなに出来事の多い日々ではないのだった。


5月5日(火)

 いつの間にか食虫植物のサラセニアに大量のアブラムシがついてゐて狼狽へてしまった。一日の大半がそれで潰れる。やれやれ。

 DropboxのPublicフォルダにファイルを置いて静的なウェブページを作るといふ別館日記を書いたときに、実にさまざまな無料のhtml/cssテンプレートがあるものだと感心したら、(x)html/cssを駆使したウェブサイト構築に関する本が欲しくなってしまった。本当は自分で細かく考へなくてもいいといふ発見なのに、どうしていちいち本を買ふのか、自分でも理解できない。今日は、紀伊國屋書店に、
『現場のプロから学ぶXHTML + CSS』(2800円+税/毎日コミュニケーションズ)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●金明哲『テキストデータの統計科学入門』(3600円+税/岩波書店)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●上野川修一『免疫と腸内細菌』(700円+税/平凡社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●辨野義己『腸内環境学のすすめ』(1200円+税/岩波科学ライブラリー)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
●岩佐東一郎『書痴半代記』(667円+税/ウェッジ文庫)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]
を註文。分野がばらばらである。連休前に出た文庫本の新刊は現実の書店に立ち寄ったときに買ふことにしよう。

 それで、DropboxのPublicフォルダ内に作った嘘の新日記はこれである。ああ、こんなことしてゐる暇ないのに。

 ナギーブ・マフフーズ『シェヘラザードの憂愁—アラビアン・ナイト後日譚』(塙治夫訳/2800円+税/河出書房新社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店, Yahoo! Books]を少し読み始める。題名の通りアラビアンナイトの後日譚である。


5月4日(月)

『なぜ年をとると時間が経つのが速くなるのか』(鈴木晶訳/2400円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を半分くらゐまで読んだところで時間となり空港へ。音楽サヴァンとかチェッカー名人の話が面白いところだったのだが。

 飛行機に乗り、Lorna Barrett Murder Is Binding (Berkley, 4/2008) [Amazon.co.jp, Amazon.com, 紀伊國屋]を読み始める。英語の本を一冊持ってくれば、読み終はって退屈で死にさうになることもなからうと思ひ、用意してきたのである。ミステリ専門古書店主(女性)が主人公のミステリ。町興しで古書店を集めたといふ町が舞台。だから、Booktown Mysteriesといふシリーズ名なのだ。そこで、隣の料理本専門店の店主が殺されるといふ事件が起こり、第一発見者であり、被害者と最後に言葉を交した者でもある主人公が事件を解決する(のだと思ふ。まだ40ページしか読んでゐないので)。魅力的な猫が出てくるとか、巻末に主人公の姉(妹かも)が作る料理の調理法が載ってゐたりするとか、印象に残りやすい要素はあるので、読み終へたときにあまり悲しい気分にならなければ、好印象を抱く可能性は高い(あまり理由になってゐないけど)。

 胃が痛くなってきた。早く寝よう。

 そろそろ朝顔の種をまく季節である。連休中に何とかしたい。


5月3日(日)

 ゆっくり起きて、『なぜ年をとると時間が経つのが速くなるのか』(鈴木晶訳/2400円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]のページを少し捲ってみたりしてだらだらと休日を過ごす。

 しかし、呆然と時を過ごすことができない私は(何もしないでゐると過去の嫌なことを思ひ出してしまったりするではないか)、WebDAVサーバの設定をしてしまふ。これで少しは便利になることもあるからいいのだけど。詳細は別館の方に記した。

 夕方娘とジュンク堂書店に行って、ダニエル・タメット『ぼくには数字が風景に見える』(1700円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]、他2冊を買ふ。これを私が読む時間はないだらう。

 

5月2日(土)

 荷物を増やしたくないのに、書店に行って本を買ってしまふ。紀伊國屋書店福岡店で、
●中川淳一郎『ウェブはバカと暇人のもの』(760円+税/光文社新書)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]
日経Linux 5月号[Amazon.co.jp]を購入。

『ウェブはバカと暇人のもの』は、題名が面白くなささうだったのだけど、少しぱらぱらと立ち読みしてみたら興味深い内容に思へたので買ってみた。「現場からのネット敗北宣言」といふ副題がある。Web 2.0とか集合知とかが声高に騒がれたことは、オープンソースでソフトウェアを作ってしまふやうな「頭のいい人」たちの世界では本当だったのかも知れないが、実際にサイト運営者が相手にするのは「普通の人」と「バカ」であり、それはどんな世界で、どんな絶望を味はったかといふ内容である。「読解力もなく、ジョークも通じない人々」が勝手なコメントを書き込み、サイトを、人を叩く。彼らは暇を持て余し、叩く相手を探してゐるのだといふ。そして影響力のあるメディアは相変わらずテレビであり、「これからも人々は大河ドラマと紅白歌合戦を見続け「のど自慢」に出演する」と主張する。確かにさうなんだらう。そんなネット住人を相手にする方法を見出し、サイト運営を続ける著者の絶望感がひしひしと伝はってくる本である。書かれてゐる内容はいちいち尤もだと私も思ふ。が、絶望ばかりではなく、テレビとネットの融合はこれから真面目に考へていい時期ではないかなど、今後の展望を期待させることも書いてある。「頭のいい人たち」の世界に注目したウェブ讃歌を読んだあとには、たまにはかういふ本を読んで頭を冷やすのもいいのかも知れない。

 日経Linux 5月号はいつものやうに面白さうに見えて買ったけれども、家でページを捲るとそんなに面白さうでもなくなってゐた。Webdavを自宅サーバで動かさうかなと思ったのだが、意外に面倒くささう。でも、明日元気があったら試してみたい。


5月1日(金)

 ナンシー・クレス『ベガーズ・イン・スペイン』(金子司ほか訳/900円+税/ハヤカワ文庫SF)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を読み終へる。最後の「ダンシング・オン・エア」である。巻頭と巻末の二篇が片仮名なのだが、判りづらいからどうも好きになれない。いっそのこと英語で書いてくれた方が判りやすいくらゐだ。「スペインの物乞ひ」ではどうしていけないんだらう。読んだら判るのかと思ったが、判らなかった。巻末の方は、解説に記されてゐるやうに二重の意味があるといふことなのだらうが、片仮名で書けば判るといふものでもなからう。これも能力強化の遺伝子組み換へが出てくるのだが、総合的な能力が遺伝子組み換へでうまい具合に達成できるといふ不自然さが気になって作品を楽しめない。が、全体としては楽しめた短篇集だったので、「プロバビリティ」三部作も読んでみようと思ったところである。さういへば、あの三部作も英語を片仮名にしただけだ。ナンシー・クレスはこれからもこんな題名が続くんだらうか。

 次に何を読んだらいいのだらう。今は自分の部屋から遠く離れたところにゐるのだ。先週、娘に頼まれて註文した本が届いてゐるやうだったので、娘の書棚からダウエ・ドラーイスマ『なぜ年をとると時間が経つのが速くなるのか』(鈴木晶訳/2400円+税/講談社)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を手に取ってみた。「記憶と時間の心理学」といふ副題がある。第2章が一番古い記憶といふ話題だ。前にも書いたやうな気がするのだが、私が幼い頃に「これこそ最初の記憶だ」と固く信じて疑はなかった記憶が、三歳のある晴れた日の朝の記憶である。私は目覚めた瞬間に、自分は本当の意味で初めて目覚めたのだと確信した。昨日までの具体的な記憶はもはや曖昧な霧の彼方に霞んでゐて、今日から本当の記憶の蓄積が始まるのだと思った。理由は判らないが、揺るぎない自信とともにさう信じたのだった。前日までの記憶が全然ない訳ではなくて、自分が誰だか知ってゐるし、日本語も理解できるし、家族や住まひのことも判ってゐる。しかし、具体的な出来事の記憶はないのだ(と確信した)。さっそく自分に起きた重大事を母に報告したが、三才児の語彙ではうまく伝へられなかったやうだ。その日まさにさういふことが起こったのだと信じて疑はずに育った私だが、今では少々疑はしいと思ってゐる。
 第三章の匂ひで記憶が呼び起こされるといふところでは、先日読んだ浅暮三文『ポルトガルの四月』(1800円+税/ハヤカワ・ミステリワールド)[amazon.co.jp, bk1, 楽天, 紀伊國屋書店]を思ひ出した。さういふ感覚がなまなましい作品だった。


最新の日記に戻る